転換期の選択2017横浜市長選(上)IR 誘致の是非 思惑交錯|カナロコ|神奈川新聞ニュース

転換期の選択2017横浜市長選(上)IR 誘致の是非 思惑交錯

 横浜を代表する観光名所の山下公園(横浜市中区)に隣接する山下ふ頭。市が臨海部の新たなにぎわい拠点として再開発計画を進める同ふ頭は、カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致先の有力候補地とみられてきた。

 背景には市の厳しい財政事情がある。中小企業が99・6%を占め、法人税収は東京都の14分の1。税収の4割を個人市民税に頼る構造は大都市の中でも珍しく、労働人口が減少する今後は先細りが懸念される。一方で生活保護や医療費援助などの扶助費はこの10年間で倍増した。

 市は2014年度からIRの経済効果やギャンブル依存症などの調査を実施。税収は年61億円増、経済効果は4100億円と試算する。昨年12月のIR整備推進法成立後に、現職市長の林文子氏(71)が「市にとって有効な手法」と誘致に前向きな姿勢を示したのは、観光産業で市内経済を活性化し、財政基盤を強化したい狙いもあった。

 しかしカジノ導入に対する国民の反感は強かった。共同通信の世論調査では6割超が反対。市内でも反対運動が繰り広げられ、9日も約500人が山下公園に集まり、「ヨコハマにカジノはいらない」「子どもに悪影響」などと声を張り上げて周辺を行進した。

 年明けの1月には元衆院議員の長島一由氏(50)、6月には前市議の伊藤大貴氏(39)も「反カジノ」を掲げて出馬表明した。林氏は「白紙。今は判断できない」とトーンダウンし、IR誘致の是非について判断を明確にしていない。
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 山下ふ頭の再開発やIR誘致については、市内各界のさまざまな思惑も見え隠れする。横浜港運協会の藤木幸夫会長は5月の会合で「山下ふ頭ではカジノはやらない」とし、開発主体も市ではなく、同協会などが組織するコンソーシアムが担うべきだと主張。...

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