激戦の果てに 横須賀市長選(上) 悲願 悔しさバネに勝利|カナロコ|神奈川新聞ニュース

激戦の果てに 横須賀市長選(上) 悲願 悔しさバネに勝利

  • 神奈川新聞|
  • 公開:2017/06/27 14:38 更新:2017/06/27 14:42
 25日深夜、横須賀市長選で上地克明氏(63)の初当選が決まった直後の事務所。衆院議員・小泉進次郎氏(36)は上地氏と抱き合って喜びをかみしめた後、100人を超える支援者らに語り掛けた。

 「今日はあまり泣いちゃいけないと思ったけど、皆さんとともに歓喜の涙を流せたらなと思います」
 舌鋒(ぜっぽう)鋭いいつもの口調とは違い、一言ずつ、かみしめるように言葉を継ぐ。最後にこう続けると、会場にはすすり泣く声と拍手が湧き起こった。

 「今日、上地さんが勝利をつかむ礎を築いてくれたのは、4年前、私たちとともに悔し涙を流してくれた広川聡美さんがいたおかげです」


 横須賀は元首相の父・純一郎氏をはじめ、小泉家の牙城として知られる。2014年の衆院選では進次郎氏が全国最多得票(16万8953票)を獲得。しかし市長選では、09年は純一郎氏が蒲谷亮一氏(当時現職)を、13年は進次郎氏が広川聡美氏(同前副市長)をそれぞれ支援したが、いずれも吉田雄人氏(41)に敗れ、苦杯をなめ続けてきた。

 「進次郎氏は将来の首相候補。お膝元で3連敗はあってはならない」

 “因縁の相手”ともいえる吉田氏に勝つべく、今回は県選出の国会議員秘書や党本部の選挙専門スタッフらが選対入り。「国政選挙並みの態勢」(陣営関係者)で臨んだ。
 進次郎氏も連日、上地氏の街頭演説やミニ集会に密着。選挙戦最終日の24日には自らマイクを握り、京急線横須賀中央駅近くの商店街などを30分以上かけて練り歩いた。

 「横須賀市長選史上、最も差が少ない、僅差の戦い。できることは何でもやる。それくらいやらないと『防衛を目指す王者』には勝てない。最後までパンチを出し尽くす」。自らの選挙戦以上という力の入れ具合に、支持者らも「本気だ」と感じ取っていた。

 選挙期間中、進次郎氏は期日前投票を事あるごとに呼び掛け、自身も告示日翌日の19日に投票を終えた。神奈川新聞社が実施した出口調査では期日前投票で上地氏が吉田氏をリード。自民党支持層の7割超、公明党支持層の9割近くを固めた。

 今年75歳を迎えた純一郎氏も、戦況を興味深く見守っていた一人だった。告示前日の17日。「小泉家3連敗だけは避けたいですね」との記者の問い掛けに、一呼吸置いた後、短くうなずき、こう答えていた。「そうね、勝ちたいね」
 

 「ほっとしています」。25日深夜、進次郎氏は報道陣に囲まれ、素直な心境を吐露した。

 悔しさをバネに、小泉家にとっては8年越しとなる悲願を実らせた。「今があるのは4年前があるから。『今回は小泉に勝たせてやらなきゃ』という、横須賀の皆さんの親心みたいなものを感じました」。安堵(あんど)の表情を浮かべ、喜びに浸った。

 25日に投開票された横須賀市長選は、新人の上地氏が現職の吉田氏の3選を阻んだ。実績か新風か。保守色が強い横須賀で、市を二分する激戦となった選挙戦を振り返る。

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