モラハラ癒やすアプリ開発へ

「米国のアプリは私の救世主だった」と話す鶴見さん=横浜市港北区

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 言葉や態度による暴力であるモラルハラスメント(モラハラ)。その被害と共依存から脱した経験を基に、同じ境遇に苦しむ女性を助けたいと、横浜の女性が活動を始めた。被害者を支えるためのスマートフォンアプリの開発を目指し、クラウドファンディング(CF)で資金を募っている。

被害女性、開発資金募る


 活動しているのは、横浜市港北区の鶴見紀子さん(48)。自身も、約4年間交際していた同性のパートナーから、モラハラを受けていた被害者だ。

 市内でカフェを切り盛りしていたが、パートナーはささいなことで「だめな人間だ」などと鶴見さんの人格を否定するような言葉を執拗(しつよう)に投げつけた。ただ、ののしった後は優しくなるため、「怒らせている私が悪い」と考えていたという。金を無心され、友人と会うことを制限されても、「相手の求めに応えられなければ、自分の価値が下がる」と要求に従っていた。その後カフェを閉店し、パートナーは別の仕事を始めたが、言動がエスカレート。「このままではマイナスが増えるだけ」と別れを決断した。

言葉で励まし 交流機能も


 モラハラ被害からは離れられたが、今度は相手に連絡したり、会いに行きたくなったりする自分自身に苦しめられた。そのときに心理学などを学び、特定の人間関係に依存する「共依存」に気付いた。

 そこから脱しようと苦しんだ鶴見さんを支えたのは、米国発の英語アプリ。励ましのメッセージなどが繰り返し表示され、「心が揺れたときに効果があった」と振り返る。2年ほどかけてようやく共依存から抜け出した経験から、日本語版のアプリ開発を思い立った。

 現在、試作段階にあるアプリは、「何があってもあなたの味方」「問題のない人なんていない」など、くじけそうなときに励ましたり、自信を取り戻すきっかけになる言葉を定時に配信。さらに同じ境遇の人が経験を語ったり、励まし合ったりする会員制交流サイト(SNS)機能も持たせる予定だ。

 CFの目標は53万円。9月の完成を目指すアプリは鶴見さんが自作し、数百円程度で販売する。収益の一部は、鶴見さんが立ち上げた女性のサポート団体「WE GiRLs CAN」の活動に充てることを考えている。「アプリは自分の応援団。何をしても、100パーセント味方でいてくれるという安心感をつくりたい」と意気込む。

 CFは、「レディーフォー」のサイトで7月28日まで実施している。

◆モラルハラスメント(モラハラ) 言葉や態度などで繰り返し相手を攻撃する精神的暴力。1998年にフランスの精神医学者が名付け、人格の尊厳を傷つける暴力であると定義したことで社会問題として顕在化した。多くの場合、加害者-被害者間に支配-服従の関係がみられるのが特徴。法律や指針などで規制を進める欧米諸国に比べ、日本は後れをとっていると指摘される。

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