【ひとすじ】娘のために(上) 難病、僕たちが治す|カナロコ|神奈川新聞ニュース

【ひとすじ】娘のために(上) 難病、僕たちが治す

セブンシーズ・プロジェクト代表 篠原智昭

 「社会的創薬事業」という看板を掲げている。

 難病であるミトコンドリア病の治療薬を開発し、商業ベースまで引き上げ、収益の全てを次なる難病治療や患者・家族支援へ充てていく-。壮大な計画を、「7SEAS PROJECT(セブンシーズ・プロジェクト)」と名付けた。七つの海を超え、世界中に希望の光を届けたい。本気でそう思っている。

 篠原智昭さん(37)は茅ケ崎市に住んでいる。医師でも研究者でもなければ、製薬会社に勤めているわけでもない。少し前まで、鎌倉市立小学校の事務職員だった。「業界的には全くのど素人」はいま、7月から本格始動する創薬事業の代表に就いている。

 川崎市幸区で生まれ育った。都内の大学を出て、小学校事務職員という公務員になった。趣味のスキューバダイビングを通して、妻の美輝恵さん(35)と出会った。結婚4年目で、長女が生まれた。

 「世界中のどこへ行っても、自分らしく生きていける子に育ってほしい」と、七海と名付けた。日々は穏やかに過ぎていくと思っていた。

異変


 生後3カ月のころ、娘の斜視が気になった。近所の眼科に連れて行った。医師に言われた。「斜視よりも、この月齢にしてはちょっと筋力が弱すぎますね」

 次は近所の総合病院に行った。「それまでの検診では何も引っかからなかったんです。ミルクも飲むし、手足もばたばたさせるし」。きっと大丈夫。きっと、何でもない。

 小児科医に告げられた。...

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