150万人都市、光と影 建設進む超高層マンション 人気衰えぬ川崎・武蔵小杉|カナロコ|神奈川新聞ニュース

150万人都市、光と影 建設進む超高層マンション 人気衰えぬ川崎・武蔵小杉

あふれる通勤客、待機児童も

JR横須賀線武蔵小杉駅の改札前にできる通勤・通学客の列=26日午前8時ごろ、川崎市中原区

 超高層マンションが林立する武蔵小杉駅周辺-。川崎市内7区で最も人口が増えている中原区の中心にあり、雑誌などの「住みたい街ランキング」上位に選ばれる一方、駅の混雑や保育所不足なども生じている。工場地帯から首都圏有数の人気エリアに変貌した姿は、人口150万人を突破した川崎市の成長と重なり合う。 

都内や横浜から
 駅北口から徒歩5分の社宅跡地で総戸数約1200戸のツインタワーマンション建設が進む。駅南口に続き、開発が本格化する北口地区をけん引する計画だ。

 「1棟目は完成まで1年を残していながら完売が近い。2棟目も期を分けて販売し、いずれも好調。子育て中のファミリー層がメインになっている」。三井不動産広報部はこう話す。

 同駅にはJR南武線、横須賀線、湘南新宿ライン、東急東横線、目黒線が乗り入れ、乗り換えなしで東京、渋谷、横浜などに20分以内で行ける。交通利便性が最大の魅力で、同社は「都内や横浜から移り住もうと考える人も多い。人口増に伴い商業施設も増え、街に好循環が生まれている」と説明する。

街に活気を生む
 再開発は東京機械製作所や不二サッシなどの工場閉鎖に伴い約10年前から本格化。「地権者が多いと権利調整に時間がかかるが、まとまった土地が活用でき急ピッチに進んだ」(地元関係者)。市拠点整備推進室によると、この10年間に19棟約6600戸が完成し、高さ100メートル超の物件も9棟約5400戸が建った。

 街には活気が生まれた。高層マンションと町内会の住民らでつくるNPOが2011年から始めたイベントには昨年3日間で10万人が来場。NPO理事の奥村佑子さん(36)は「街が急に発展したイメージを持たれるが、実際は人の交流も大事に続けている。子どもたちが成長しても住み続けたいと思える街にしたい」と願う。

 飲食店や美容室などの店が急増したが、既存店に恩恵も。武蔵小杉商店街理事長の大野省吾さん(78)は「再開発前は給料日後とか、工場の景気に左右されたが、常ににぎわうようになった」と話す。

人口急増の課題
 一方で課題もつきまとう。横須賀線武蔵小杉駅の改札前では、朝の通勤時に駅の外まで延びる利用者の長蛇の列が見慣れた風景だ。他路線の乗り換えも多く、駅構内が乗降客であふれているからだ。

 横浜方面から同駅まで利用する男性会社員(41)は「電車を降りて改札を出るまでに何分もかかる。疲れる」。駅前で休んでから出社するという。

 東急も合わせた駅の1日の利用客は約23万人。計画中の高層マンション6棟の完成後はさらに約6千人増が見込まれ、市は「ホームの安全確保策でホームドア設置をJRと協議していく」と話す。

 待機児童問題も悩ましい。申請しても入所できない中原区の保留児童数は昨年4月に735人(市内2554人)で市内最多。市の担当者は「駅周辺は子育て世帯が増えたのに、地価が高騰して保育事業者の参入が難しくなっている」と厳しい現状を明かす。

 地元に住む同区連絡協議会会長の尾木孫三郎さん(73)は「新しく入ってきた住民と昔から住む人との融合も課題。いまは子育て中で忙しいかもしれないが、いずれ一緒に良い街をつくっていく関係が築けたらいい」と話している。

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