新「ネギ」開発成功 8年越しの研究|カナロコ|神奈川新聞ニュース

新「ネギ」開発成功 8年越しの研究

都市農業考

オリジナル品種「苅部ネギ」を手にする苅部さん=横浜市保土ケ谷区

 横浜市保土ケ谷区西谷町の農家苅部博之さん(46)が、オリジナルのネギの開発に成功した。地域に伝わる在来種・西谷ネギをベースにした、その名も「苅部ネギ」。自身が手掛けた「苅部大根」と同様、赤紫と濃いピンク、白の美しいグラデーションが楽しめる。開発に8年を要したという苅部さんは「味、見た目ともに、納得のいくものができた。将来的には、西谷ネギを超える存在にしたい」と意気込んでいる。

色合い美しく


 西谷ネギは60年ほど前、西谷地域の農家が、千葉で購入した種が始まり。自家採種を繰り返す中で、地域の土壌や気候に合うものになっていったという。

 通常のネギが収穫までに8~10カ月かかるのに対し、西谷ネギは1年7カ月。旬は4月の約3週間と短く、出荷は今月下旬までとされている。

 甘みがあって柔らかく、地域の伝統野菜として親しまれる一方、形がそろいにくい、傷みやすいなどの理由から、栽培する農家が減少傾向にある。

 「身土不二(しんどふじ)という言葉があるように、その土地で、その季節に採れた物を食べるのが体に良い」と苅部さん。農家の13代目として、在来種を次世代に継承する大切さを感じている。同時に、「せっかくならば、西谷ネギを発展させたものを作りたい」と考えた。

在来種基に


 挑んだのは西谷ネギの風味をベースにしながら、色をつけること。色合いは苅部大根をイメージした。根の部分ほど濃く、赤紫とピンク、白のグラデーションが美しいネギを目指した。

 国内外の品種との交配を試みたが、思うような色が出なかったり、西谷ネギ本来の味とは遠いものだったり。試行した結果が出るのが1年7カ月後ということもあり「20~30年はかかるか。死ぬまでにできれば良いと思っていた」。だから今春、出荷に至ったのは「予想以上の早さ。ラッキーだった」と笑顔を見せた。

 一方で、「ここからがスタート」とも。より理想のネギに近づけるべく、今後も改良を重ねる予定だ。苅部ネギの栽培面積は現在3アール程度だが、まずは来年、2倍に拡張。将来的には、西谷ネギの面積に匹敵する20アールくらいまで増やしたいと考えている。

 「在来種は、作り続けることに意味がある。次世代にうまく継承し、地域に根付いていってくれたら」

 苅部ネギは相鉄線西谷駅近くの直売所「FRESCO(フレスコ)」で取り扱い中。問い合わせは、苅部さん電話090(2646)4147。

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