【特集】〈時代の正体〉 高校「共に学ぶ」手探り  県立3校に知的障害者ら受け入れ枠|カナロコ|神奈川新聞ニュース

【特集】〈時代の正体〉 高校「共に学ぶ」手探り  県立3校に知的障害者ら受け入れ枠

インクルーシブ教育を問う

  • 神奈川新聞|
  • 公開:2017/04/18 22:08 更新:2017/05/10 17:38
【時代の正体取材班=成田 洋樹】県教育委員会は2017年度から、障害の有無にかかわらず共に学ぶインクルーシブ教育を県立高校で推進するために、軽度の知的障害のある生徒らを3校で受け入れる新たな取り組みを始めた。知的障害のある生徒が進学するケースはこれまでもあるが、高校で学びたい生徒の進学機会を拡大させるとして受け入れ枠を新設。計31人が入学した3校は、手探りのスタートを切った。

 県立高校改革の一環としてインクルーシブ教育実践推進校に指定されている3校は、茅ケ崎、厚木西、足柄。最大で1学年計21人(7クラスに各3人ずつ)を毎年受け入れる。27年度までに推進校を20校程度までに拡大する。

 対象は、知的障害者に発行される療育手帳の障害程度4区分のうち最も軽度の「B2」程度の生徒。手帳の有無は問わない。中学校長推薦で志願者を決め、入試は学力試験を課さずに面接のみ。

 教諭の人員については、通常の学校より各校とも7人増やす加配措置を取った。特別支援学校の勤務経験者らを配置し、授業は原則として2人で担当する。できるだけ同じ教室で学ぶことができるように生徒同士が関わる機会が多い授業スタイルを模索し、必要に応じて個別指導を行う。成績については、生徒個人の達成度を測るために特別支援教育で行われている「個人内評価」を加味して総合的に評価する。特別支援学校と比べて卒業後を見据えた就労実習が少ないことについては、企業見学やインターンシップの実施などを検討する。

 今春行われた入試では各校とも定員21人に達せず、茅ケ崎8人、厚木西15人、足柄8人だった。県教委インクルーシブ教育推進課は「初めての取り組みのため進学後の学校生活のイメージがしにくかったことが要因。関心がある保護者や生徒もおり、このままの水準で推移するとはみていない」としている。

 3校の所在地の市と近隣町の小中学校計7校では、できるだけ通常学級で学びながら個別支援が必要な場合は専用の「みんなの教室」で過ごす取り組みが進められている。その経緯から3校が実践推進校に選ばれた。

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