熊本の教訓(1)耐震化 住宅の「凶器化」防げ

 突然の来訪を受けた家人の反応が、既存の住まいを揺れに強くする道の険しさを物語っていた。

 「見ての通り、うちはボロ屋。傾いているし、必要ない」「そういうこと(耐震化)は考えていない。もしつぶれてしまったら、建て直すよ」

 3月下旬、横浜市栄区の住宅地。真冬を思わせる厳しい寒さの中、工務店の担当者らが住宅の明細地図を手に、呼び鈴を鳴らして回った。

 1981年5月以前の旧耐震基準で建てられた住宅の一軒一軒に足を運ぶ戸別訪問。壁や筋交いを増やしたり、基礎を補強したりする耐震改修の補助制度を家主に直接案内し、利用を促すという地道な作業が、横浜市の住宅耐震化の一環として進められている。昨年4月の熊本地震を受けた国土交通省の耐震化緊急促進事業を自治体が活用する際の条件となっているからだ。

 事業を使えば、家主に対する助成額を30万円上乗せできる。来年3月までの時限措置だが、横浜市の場合は、1件当たりの補助金がこれまでの75万円から105万円に増額される。その分だけ費用負担を減らすことができる家主にとっては、有利な仕組みだ。

■「あと何年」
 市が不動産登記の情報からはじいた訪問対象は約16万戸に上る。人材派遣会社や耐震化事業の登録事業者の協力を得て2月から訪問を始め、3月末までに終えられたのは2万戸余り。今後ペースアップするが、実際に足を運んでみると、既に建て替えられていたり、駐車場に変わっていたりするケースもある。
...

COMMENTS

facebook コメントの表示/非表示

PR