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港WORKER:移動困難者支える

NPO法人・山野上啓子さん

協議会メンバーの車いす利用者らと談笑する山野上さん(左端)=運河パーク

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健常者と一緒に 花時計の植栽に汗
法改正も働き掛け

 開催中の「第33回全国都市緑化よこはまフェア」の会場の一つ、横浜・みなとみらい21(MM21)地区内の運河パーク。開港150周年記念事業として作られた花時計(日時計)で今月11日、植栽作業が行われた。

 管理する認定NPO法人「横浜移動サービス協議会」(横浜市中区)のメンバーのほか、ボランティアの高校生、業者、市職員らが汗を流す。ガザニアを中心にネモフィラ、マリーゴールドなど用意した約2千ポットを植えた。

 行政書士で協議会副理事長の山野上啓子さん(58)=戸塚区=はメンバーの車いす利用者を「私たちの大切な広報マンです」などと紹介しながら、笑顔で記念写真に納まった。

 協議会は高齢や障害のため、外出することが難しい人たちを支援するネットワーク。NPO法人「市民セクターよこはま」の移動プロジェクトが2000年に独立。山野上さんは翌01年から携わる。

 全国の仲間たちとともに、道路運送法の改正を国会議員に働き掛け、04年10月、自家用車による有償運送の例外許可へとつながった。「私たち市民の力で法律も変えられる。条例も見直され、行政との協働が実現した」と活動への手応えをつかんだ。

 山野上さんは娘2人の出産、育児のため、会社員を辞め、通信教育で1997年に行政書士の資格を取得。夫の勧めもあり開業し、役所に届ける書類作成など企業からの委託業務を手掛けてきた。

 2000年に転機が訪れる。県行政書士会戸塚支部の役員になり、地区センターで法律相談を担当。同年に介護保険制度が施行され、制度を利用する市民から契約上の手続きの相談などが増えていた。「福祉のことを知らないと権利擁護できない。自分がしたいのは、このような人を守る仕事」。そう決意するのに時間はかからなかった。

 泉区の福祉施設運営者と知り合ったことから、関連の仕事や人脈が広がった。気付けば協議会の運営に参画し、奔走していた。
 協議会は15年3月、税制上の優遇措置が受けられる認定NPO法人格を取得。「助成金に頼るのではなく、やりたい事業に活用できる資金調達が大切になってきた」と話す。車による送迎から始まり、今や電車やバスでの外出の付き添い、特別支援学校の障害児らの通学支援など多彩だ。

 今年2月、中区で開かれた「認定指定NPO入門講座」に山野上さんの姿があった。講座では「寄付や協力を広く受けられるように、困っていることを効果的にアピールするように心掛けている」と助言。介護タクシーやガイドヘルパーの情報を集めた冊子「お出かけ便利帳」の発行には、インターネット上で資金を集めるクラウドファンディングを活用したことを紹介した。

 花時計の管理は、昨年4月から引き受ける。「障害者、高齢者、健常者が一緒になって楽しそうに作業し、活動をアピールできる場」。賛同した近隣ホテルからは作業道具の置き場所を、近隣企業からは寄付金の提供を受ける。

 協議会が年4、5回開催するガイドヘルパー養成研修には、花時計の植栽を組み込む。「緑化フェアの愛称『ガーデンネックレス』のように、支援の輪がさらにつながればいい」。フェアの期間中にも、植え替えを予定している。

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