〈時代の正体〉「差別のない未来を」 川崎、市民団体が風船で啓発|カナロコ|神奈川新聞ニュース

〈時代の正体〉「差別のない未来を」 川崎、市民団体が風船で啓発

  • 神奈川新聞|
  • 公開:2017/03/26 02:00 更新:2017/07/14 12:42
時代の正体取材班=石橋 学】希望の風船が青空に揺れた。市民団体「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」は25日、川崎市中原区の東急線武蔵小杉駅前で人種差別をなくす条例を求めるアピール行動を行った。道行く人に配られた風船にデザインされた「さべつのないかわさき」の文字。約200メートル先の市総合自治会館では人種差別・排外主義者が主催する講演会が物々しい警備の下、開かれていた。

 「外国人を排斥、侮辱するヘイトスピーチをご存じですか」「川崎を差別のないもっといい街にするため、条例を求めています」。マイクを手に同市幸区の志田晴美さん(47)は語るように呼び掛けた。

 「風船をどうぞ」。受け取る4歳の女の子の目が輝く。「さ・べ・つ・の・な・い・か・わ・さ・き」。覚えたての平仮名を読み上げる長女を見やり母親(33)は「ひどいことを言われている人は少数者。でも、私たち日本人は多数者だからと見過ごしたくない。大人の意識は子どもに伝わるものだから」。

 風船に刻まれたメッセージの優しくも切実な響き。子どもたちの笑顔に誰もが考えた。差別の現実がある。苦しんでいる人がいる。差別される側でなくとも人をおとしめる人生が幸せな人生であるはずがない。大人として約束した差別のない未来-。「問題意識のない人にハッとしてほしかった。きょうがそうだったように、日常の中で『差別反対』とアピールすることがもっと当たり前な社会にしていきたい」。志田さんは思いを新たにした。

 排外主義政策を掲げる極右政治団体「日本第一党」最高顧問でもある瀬戸弘幸氏が「ヘイトスピーチと表現の自由」と題した講演会をブログで告知したのは3月上旬のこと。在日コリアンの排斥を叫ぶヘイトデモに参加してきた人物だけに、前野公彦さん(49)は「ヘイトスピーチ対策が進む川崎市への挑戦。何の制約もなく開催させるべきではないと思った」。抑止策を市に訴えた。市は啓発ポスターを貼り出し、市議もヘイトデモの被害当事者の不安を受け止め、対処を市に求めた。「問題が共有された」。...

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