ポスターで手話啓発 平塚ろう学校の児童|カナロコ|神奈川新聞ニュース

ポスターで手話啓発 平塚ろう学校の児童

  • 神奈川新聞|
  • 公開:2017/03/26 02:00 更新:2017/03/26 02:00
 わたしたちの言葉を知って-。そんな思いを込めたポスター「楽しい手話」を、県立平塚ろう学校小学部5、6年生の20人が作成した。日常の意思伝達に役立つ「手話」や五十音の「指文字」をイラストと文章で表現。「同じ社会で生きる仲間として、手話に興味を持って話し掛けてもらえるとうれしいです」。手話普及を願う子どもたちの“コミュニケーションの懸け橋”が地域で共感を広げ、県内の全公立小中学校に配布された。

 「音だけではコミュニケーションが取れない。手話で会話ができたらいいなと思っていた。ことしで小学部は卒業。その記念に手話が広まったら」

 6年の高浜彩佑生さん(12)が笑顔で話す。買い物や外出先で相手の口の動きが見えず意思疎通ができないなど、不便を強いられるケースもあるろう学校の児童たち。「手話をもっと知ってほしい、さまざまな人と会話をしたい」と、昨年6月からポスター制作に取り組んだ。

 伊藤大郎校長(60)は「児童同士が活発に議論し、『分かりやすく表現する』という共通目標の下、結束して作り上げていった」。使用頻度の高い手話や動作を伝えるポイント、見やすい色使いなど試行錯誤を重ねて秋に完成した。

 「ありがとうございます」を伝える場合は、「左のこう(甲)に右手をあてて、上げる。顔はにこにこする」。手の動きと表情を分かりやすい文章で説明、イラストで描いた人の手の動作は矢印で表現した。ほかにも「何をお探しですか」「お待ちください」「大丈夫ですか」など日常で使える手話言語が並ぶ。

 さらに「学校」「病院」「警察署」「郵便局」「スーパーマーケット」といった10種類の施設を表現する動作も。指文字表には五十音と濁音、半濁音なども盛り込んだ。

 A1判カラーで200枚印刷したポスターは、学校近くのコンビニエンスストアや薬局など20店舗に配布。交流がある地元の小学校などにも届けた。「みんなで一生懸命作ったポスター。いろんな場所に配るのは大変だったけれど、卒業の思い出になりました」と吉川小春(うらら)さん(12)。手作り感のあるイラストも高評価を受けた。

 県庁や県教育委員会に持参すると、「(手話の学びの充実に)いいポスターと考えた。広く学校に配って活用したい」との反応が。県内全ての公立小中学校などに配布するため、1500部が増刷された。伊藤校長は「手話を広め、一言の会話があるだけで児童の世界は広がる。ポスターがそのきっかけになれば」と、効果に期待を寄せる。

 ポスターは平塚ろう学校のホームページでも紹介する予定。問い合わせは、同校電話0463(32)0913。

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