車線削減、歩道拡幅へ 幸区の国道1号 苦節16年で住民力実る|カナロコ|神奈川新聞ニュース

車線削減、歩道拡幅へ 幸区の国道1号 苦節16年で住民力実る

16年間の運動を振り返る国道1号線問題協議会の大山啓仁会長代行(中央)らメンバー=市役所会見室

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 川崎市幸区の国道1号の約1キロ区間について、国土交通省が2017年度、片側3車線から2車線に削減する工事に入る見通しとなった。同年度予算案が成立すれば、正式に決まる。国は16年前、道路を拡幅する計画を示したが、川崎公害裁判の和解条項に基づき話し合いを重ねた結果、住民側の意向に沿った形に見直された。

 同省横浜国道事務所によると、2車線化するのは遠藤町交差点から都町交差点までの約1キロ。歩道の幅を2メートルから4メートルに広げ、自転車通行帯を設ける。地下の下水管やNTT回線の移設工事から始め、工事完了まで数年を要する見込みだ。

 地元住民でつくる国道1号線問題協議会事務局長の昼間忠男さん(79)は「川崎、幸区の道路環境問題は(1999年5月の)川崎公害裁判の和解条項で国は原告らと協議するよう縛られている。まず住民が声を上げ、公害裁判の原告団、弁護団と連携して要求を実現できた」と振り返り、国の対応を歓迎する。

 同国道事務所は「歩道の拡幅は和解条項に基づき対応が求められている。現行の道路幅員のまま歩道を拡幅するために2車線化する」と説明。現在の交通量から推測し、車線を減らしても交通状況が大幅に変わらないと判断した。

 当初の計画は2001年8月に浮上。元々片側3車線だった同区間を含む幸区小向仲野町-尻手間(2・8キロ)の道路幅を23メートルから都市計画決定の30メートルに広げる内容で、沿道住民には立ち退きも求められると受け取れる案だった。

 国は沿道環境改善のための拡幅と説明したが、沿道住民は拡幅はむしろ車を呼び込み大気が汚染されると反発。02年6月に国道1号線問題協議会を結成、反対運動を展開した。

 国側が05年8月に「拡幅ありきではない」と軟化し、住民、原告団と協議がスタート。多摩川大橋の歩道拡幅などの改善策が次々と実現し、昨年12月に住民側の要求である2車線化と歩道拡幅が最終決定した。協議会会長代行の大山啓仁さん(76)は「16年間の運動の成果。国の対応を評価したい。残り区間もしっかり取り組みたい」としている。

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