認知症支え合う社会に 川崎市が当事者主演動画|カナロコ|神奈川新聞ニュース

認知症支え合う社会に 川崎市が当事者主演動画

PR動画の1場面(川崎市提供)

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 団塊の世代が75歳以上となる2025年-。高齢者の5人に1人が認知症となる社会を舞台に、多様な人々が交ざり合い、支え合うまちをイメージしたPR動画を川崎市が制作した。当事者として主演した若年性認知症の平山恵一さん(60)=同市幸区=は「地域で助け合うことで、認知症でも誰かの役に立てる社会になってほしい」とメッセージを投げ掛けている。

 市が力を入れている地域包括ケアシステムや、最新技術の車いすなど福祉分野で新産業創出を目指す「ウェルフェアイノベーション」の取り組みを広めようと企画。出演者はすべて一般市民で、市内の商業施設や商店街、河川敷などで2日間かけて撮影された。

 動画の設定は、認知症患者や支援者らがたすきをつなぎ日本を縦断する実在の啓発イベント「RUN TOMO-RROW」(通称RUN伴)での出来事。認知症の平山さんがコース途中で道に迷っていると、電動車いすに乗った少女が登場し優しく誘導する。一緒に市内を走る中で、元気に体操する高齢者やブレークダンスを踊る青年、外国籍の男性などさまざまな人と出会い、共にゴールを目指すというストーリーだ。

 会社員だった平山さんは、58歳で認知症と診断された。「動画と同じように、自宅までの道のりで迷うこともある」。昨年9月、実際のイベントにも参加。その後、支援団体を通じて動画出演を依頼され、引き受けた。

 会社を定年退職し、現在は市内の障害者就労支援施設に週3回通っている。「周りの助けがあればいろいろな仕事ができる。経験も生かせて、日々やりがいを感じる」と平山さん。

 14日には市役所を訪れ、福田紀彦市長に動画の完成を報告した。同席した妻の裕子さん(57)も「夫が病気になり、地域のサポートを実感している」と力を込めた。「一人で抱え込まず、理解してくれる場所で助けてもらうことで、自分も誰かを助けられるようになる。動画を見て、互いに支え合う社会を目指してもらえたら」

 ショートバージョン(30秒)は川崎駅の大型ビジョンやJR南武線の車内で放映しており、フルバージョン(2分37秒)も動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開している。

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