〈時代の正体〉海老名市控訴せず フラッシュモブ「禁止」取り消し 

勝訴判決を受け横浜地裁前でパフォーマンスをする原告ら=3月8日

 海老名駅の自由通路で市民団体が行った「マネキンフラッシュモブ」と呼ばれる表現活動に対し、海老名市が発令した市条例に基づく禁止命令は表現の自由を過剰に規制するもので違憲として、メンバーらが命令の取り消しを求めた訴訟で、市は10日、「命令は違法」とした横浜地裁の判決を受け入れ、控訴しない方針を表明した。

 内野優市長は「判断を真(しん)摯(し)に受け止め、控訴は行わない」とするコメントを発表。禁止命令については「取り消す」とした。

 今後の対応について、「公の施設として安全で快適な歩行者の往来の利便に資するという本条例の目的実現に向け、よりよい方策について、しっかりと検討し対応したい」とした。

 地裁は8日の判決で、表現活動は条例で規定された禁止行為に該当しないと認定した上で、市の命令を「条例の解釈適用を誤った違法なもの」とした。

 市民団体のメンバーらは昨年2月、「アベ政治を許さない」などのプラカードを掲げながらマネキンに扮(ふん)して静止するパフォーマンスを自由通路上で実施。市は市海老名駅自由通路設置条例で禁じた集会やデモに該当すると判断し、参加者に禁止命令を出していた。

原告「萎縮せず表現」


【時代の正体取材班=石橋 学】海老名市の控訴断念を受け、原告の1人で「#マネキンフラッシュモブ@かながわ」の朝倉優子共同代表は「『おかしい』と感じたことに『おかしい』と石を投げて良かった」。広げた波紋は内野優市長にも確かに届いたと思えて、勝訴から2日後、手応えはより大きなものになった。

 8日の判決後、勝訴を喜ぶ声は会員制交流サイト(SNS)を通じて全国から寄せられ、守られたものの重みを実感した。

 「権利は行使することでしか守れない」。一自治体の問題にとどまらない表現の自由への危機感は、公判中に行った海老名駅前自由通路や横浜地裁前でのパフォーマンスにも表れていた。バレエピアニストの仕事の傍ら、行動を起こすことをいとわず、得られた確信。「これからも萎縮せず、いろんな街角で言いたいことを表現していきたい」と声を弾ませた。

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