時代の正体〈444〉示されたオール川崎の力 条例はなぜ必要か(2)

ヘイトスピーチ考

  • 神奈川新聞|
  • 公開:2017/02/16 09:12 更新:2017/02/17 12:17
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 壮観といってよかった。300人近い参加者で埋まった会場のひな壇に国会議員、県議、市議が党派会派を超えて席を並べている。代理出席の社民も含め自民、公明から民進、共産、無所属まで13人。人種差別撤廃条例の制定を求め「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」が開催した市民集会は自民党元参院議員の重鎮、斎藤文夫の熱弁が口火となり、さながら総決起集会の様相を呈した。

議員の使命


 自民党衆院議員で党国際局長の田中和徳は地元10区選出の議員として、立法者たる国会議員として「使命」という言葉を用いた。

 「理念法ができ、もはやヘイトスピーチがいけないことは明確になった。これを受け、条例を作るなど市民と相談しながら地方自治体で解決していかないといけない。私たちに与えられた使命だと思っている」

 不当な差別的言動をなくす取り組みを国と自治体に求めるヘイトスピーチ解消法。昨年5月に成立をみた反ヘイト法を提案したのは自民、公明の両与党だった。禁止規定のない理念法のため、6月の施行後も都内などでヘイトデモは続く。だから条例が必要なのだという議論を踏まえ、続けた。

 「ましてや川崎は歴史的にも在日韓国・朝鮮人がともに生活し、街をつくり、歴史をつくってきた功績のある地域だ。そのことも重く考え、努力することをお誓いする」

 野党議員も続く。やはり10区を地元とする共産党衆院議員、畑野君枝は与野党、市民との共闘を強調した。

 「国の法は終着点ではない。市民の取り組みが大事になってくる。行政も司法も動かしてきたその力で、私も国会で超党派で力を合わせていきたい」

 畑野は川崎で繰り返されてきたヘイトデモの現場で抗議に立ってきた議員の一人。差別に抗(あらが)う当事者の行動が法の成立を後押しし、デモ主催者に公園を貸さないという川崎市の判断につながり、デモを禁じる仮処分が横浜地裁川崎支部によって下されるという、この1年の川崎区桜本の闘いを目の当たりにしてきたからこその実感が、スピーチに込められていた。

 そして民進党参院議員、有田芳生。解消法成立の出発点となる人種差別撤廃施策推進法案の提出を主導し、対案として出された解消法案を巡る与野党協議に尽力したその人は、さらに前を見据えた。

 「法務省が全国の2万人近い外国人を対象に行っている調査で、3月には差別の実態が明らかになる。次に必要になるのは人種差別全般をなくすための法律だ。全国に先駆けヘイトスピーチの事前規制に動いている川崎の皆さんとともに歴史を前に進めていきたい」

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