〈時代の正体〉虚偽放送は「公開処刑」 人権侵害訴え辛淑玉さん|カナロコ|神奈川新聞ニュース

〈時代の正体〉虚偽放送は「公開処刑」 人権侵害訴え辛淑玉さん

  • 神奈川新聞|
  • 公開:2017/01/27 21:05 更新:2018/03/10 05:56
【時代の正体取材班=石橋 学】ローカルテレビ局の東京メトロポリタンテレビジョン(MXテレビ)が放送した沖縄の基地問題を巡る番組で、虚偽の内容により人権を侵害されたとして、差別問題に取り組む市民団体「のりこえねっと」共同代表で在日コリアン3世の辛(シン)淑玉(スゴ)さんは27日、放送倫理・番組向上機構(BPO)放送人権委員会に救済を申し立てた。

 問題の番組は2日放送の「ニュース女子」。沖縄県東村高江で米軍ヘリコプター離着陸帯建設に反対する市民を「テロリスト」に例え、「反対派は日当をもらっている」「(沖縄の)大多数が米軍基地に反対という声は聞かない」と事実と異なる内容を伝えた。化粧品販売大手DHCの子会社DHCシアターが制作した。

 都内で会見した辛さんは「大変むごい番組。笑いながら私を名指しし、沖縄の人々を侮辱した。笑って侮蔑し、お前らはこれくらいの価値しかないと見せつけるかのようだった」と唇を震わせた。

 申立書では、犯罪行為の「黒幕」との誤った放送で「排除する敵」とみなされ、平穏な社会生活を奪われたとし、同局には訂正放送や謝罪を求めている。

 「公開処刑。戦争に反対する人間が反日、非国民と名指しされた。このような社会で、報道でいいのか。多数者の側が問われている」と訴えた辛さん。

 地上波という公共のメディアで差別され、受けた心の傷の深さについて記者に問われると声を詰まらせ、「ここはふるさと。私が生き、死んでいく場所。同じ出自の子どもが日本で生まれて良かったと言える社会にしたい。私がおびえても倒れてもいけないと思った」と言葉を振り絞った。


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