やまゆり園建て替え、再検討 「拙速」批判受け知事 相模原殺傷|カナロコ|神奈川新聞ニュース

やまゆり園建て替え、再検討 「拙速」批判受け知事 相模原殺傷

46人が殺傷された障害者施設「津久井やまゆり園」=2016年7月撮影

 46人が殺傷された相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」の建て替え方針をめぐり、黒岩祐治知事は25日の定例会見で「施設は本来どうあるべきかを冷静に考え直すところに来ている。もう一回しっかりと議論し、みなさんが納得できる形で着地点を探していきたい」と述べ、再生構想案を再検討する考えを示した。入所者の意向確認を行う意向も表明し、今年3月の再生基本構想の策定期限を延期する可能性が出てきた。

 県は昨年9月、入所者の家族会と施設を運営するかながわ共同会の要望を踏まえ、現在地で全面的に建て替える方針を打ち出した。だが、今月10日の公聴会では「障害者の暮らしの場を施設から地域へ」という理念や実践してきた経験に基づき、専門家や障害者団体から「時代錯誤」「拙速だ」といった異論が相次いだ。

反対意見に耳を傾ける姿勢も


 会見で知事は、事件から半年間を「早くしないといけないという気持ちで動いた」と振り返る一方、「(公聴会などで)根本的な問題を投げかけられた。(現状の方針と)どう折り合いを付けていくか。それも含めて議論していきたい」と、反対意見に耳を傾ける姿勢を示した。

 同じく公聴会で要望が多かった入所者本人の意向確認は「専門家の意見も聞きながら、伺っていく方向で検討していきたい」と述べ、年度内にも着手する考えを示した。

 ただ、「建て替え方針を見直すか」という質問には「今の段階ではそこまでは言えない」と答え、意見集約の手法についても「検討している」と述べるにとどめた。

 県はこれまで、3月末までに基本構想を策定、来年度当初予算に基本設計費を計上する見通しを示していた。今後は「入所施設のあり方」「県立施設の役割」といった根本的な議論にも踏み込むとみられ、スケジュール通りに進められるかどうかは微妙だ。

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