非正規シングル女性 生活不安軽減を|カナロコ|神奈川新聞ニュース

非正規シングル女性 生活不安軽減を

親の介護や老後資金 横浜でセーフティ講座

仕事や金銭面などをテーマに行われた「仕事とくらしのセーフティ講座」 =横浜市戸塚区

 非正規職で、子どものいない35歳以上の未婚女性。存在自体が見えづらく、支援策もないこうした層に目を向ける動きが、横浜で本格化してきた。2016年末には、仕事と生活をテーマにした講座を開催。非正規シングル女性を対象にした、全国的にも珍しい取り組みだ。

 横浜市戸塚区の男女共同参画センター横浜で開かれた「仕事とくらしのセーフティ講座」に、19人の女性が集まった。この日のテーマはライフ・マネープラン。老後に必要な資金額や、親の介護、住まいの不安を軽くするにはどうすればよいか。シングル専門のファイナンシャルプランナー・金子祐子さんが具体的に解説し、参加者はメモを取りながら聞き入った。

 講座を主催した市男女共同参画推進協会は15年度、他協会や研究者と共同で「非正規職シングル女性の社会的支援に向けたニーズ調査」を行った。

 その結果、やむなく非正規職を選んだ人が多く、仕事のスキルアップの場や、同じ立場の人とのつながりを求めていることが分かった。それらを踏まえ、連続3回で講座を試行。働き続けるために必要なことや、職場の人間関係もテーマに入れ、実践的で役に立つ内容を意識して構成した。おおむね参加者に好評だったという。

 埼玉県の女性(41)は短大卒業後、IT企業に正社員として入社。その後転職し、正規と非正規での勤務を経験した。体調を崩したこともあり、今はキャリアカウンセリングの仕事をしながら、派遣で週3日働く。

 講座は「キャリアの考え方や自分を守る法律などの内容がセットになっていて、トータルで自分を考えられてよかった」という。参加者との意見交換を通じ、シングル女性が連帯するコミュニティーづくりができないか、模索も始めた。「一人では難しくても、何人かが組み合わされば、大きな物を生み出せる」と目標を語る。

 一方で、課題も浮かび上がった。

 対象となる層は役所などに来る機会が少なく、公的機関にチラシを置くといった方法だけでは情報が届かない。インターネットでの拡散に加え、広告を張り出したりもしたが、効果は薄かった。同協会は「自然に目に付くにはどうすればいいのか。行動パターンの把握が必要」とする。

 講座は全回参加を前提にしたが、延べ52人のうち3回とも出席できたのは12人程度だった。講座は参加者間の交流も目的にしているが、単発の開催では、関係を紡ぐことが難しいという問題がある。

 講座は17年度以降も開く。年代層を分けた実施や、一つのテーマに特化した内容などもアイデアとして上がっている。同協会は「講座を通じて、女性たちが今の境遇は自己責任ではないと分かり、次の一歩も出てくる。当事者の声は強い。それが施策につながるよう、後押ししたい」と話す。

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