育てよ「イクボス」 残業減らし職場に好循環

職場でのイクボスの存在の重要性を考えたセミナー=25日、波止場会館

 部下が仕事と家庭生活を両立できるよう応援する上司、いわゆる「イクボス」が注目されている。長時間労働を改め、ゆとりを持った生活を送ることで仕事にも好影響をもたらす「ワークライフバランス」の実現に欠かせぬ存在と認識されているからだ。「働き方改革」が叫ばれる中、県内企業もイクボス育成のノウハウを探ろうと動きだしている。

 「イクボスとは、部下のキャリアと人生を応援しながら、会社組織でも結果を出し、自身も仕事と私生活を楽しむことができる上司」-。25日に県内の金融機関などで働く約90人が参加し、横浜市内で開かれたセミナーのテーマは「イクボス型マネジメントの実践」。講師を務めた、子育て世代の父親の支援活動を展開するNPO法人「ファザーリング・ジャパン」の安藤哲也代表理事(54)はイクボスの定義を明確にした上で問い掛けた。「今は長時間労働が当たり前だった世代の上司や管理職が多い。皆さんの職場にイクボスはいますか?」

 安藤さんが重要と指摘したのが、模範となるイクボスの存在の有無。仕事ができ、マネジメント能力が高いだけでなく、「部下の家族も大事な存在と考え、行動する上司」だ。「憧れのボスがいないから、管理職を敬遠する若者が増えている。イクボスが身近にいれば、『こんな格好いい上司になりたい』『このボスに褒められたい』と、仕事面でも好循環が生まれる」と説いた。

 長時間労働に対する意識改革も欠かせないという。「『遅くまで頑張る』が『遅くまで会社にいるだけ』になっていないか。働いた時間と成果はイコールではない」。過労で自殺する若者が後を絶たない現状を憂え、「あらかじめ、有給休暇の消化計画を出してもらい、100%消化を前提に仕事計画を立てるなど、働く人に会社の規則を合わせる発想を持って」と呼び掛けた。

 参加した金融機関で管理職に就く男性(56)は「自分も長時間労働をしてきたから、部下もそうするのが当然と考えていないか、との問い掛けには耳が痛い。イクボスのハードルは高いが、時代の変化もある。部下との関係性を見つめ直したい」。主催した日本政策金融公庫横浜支店の担当者は「女性活躍を主眼にセミナーを重ねてきたが、女性が輝くには男性の理解が必要で、とりわけ管理職の意識改革が大切。イクボス育成の重要性を認識してもらえたのではないか」と話した。

安藤さんが挙げた 「格好いいイクボス」の主な条件
■部下の家族も大事な存在と考える
■働く夫婦の悩みを理解し、フォローできる
■職場で家族の話を笑顔でできる
■内面と外見が一致し、ファッションセンスがよい
■人生を楽しみ、笑顔でいる
■仕事ができる

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