海老名「ツタヤ図書館」70点 リニューアル1年で教育長|カナロコ|神奈川新聞ニュース

海老名「ツタヤ図書館」70点 リニューアル1年で教育長

この1年間を振り返った海老名市の伊藤教育長

 海老名市立中央図書館(同市上郷)がリニューアルオープンして1年を迎えた。指定管理者制度を導入して年中無休、書店・カフェ併設などのサービス向上で来館者は増えたが、選書や独自配架については依然賛否が分かれる。所管する伊藤文康市教育長にこの1年間の運営状況や課題を聞いた。

-この1年間を振り返った感想は。
 「指定管理者制度という新しい手法を使って多くの市民が本に出合う機会を増やす図書館文化をつくる目的は、来館者が改修前の約1・7倍になったことによりおおむね達成できた。点数を付ければ70点の及第点」

-残り30点は課題がまだあるということか。
 「指定管理者のカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)、図書館流通センター(TRC)の各館長とは月1回のペースで協議している。現状の図書館スタイルがパーフェクトとは思っていない。市民の意見を聞きながら改善の歩みを続けていく」

 -選書問題を受けて昨年10月にスタートしたCCC、TRCの各2人の司書からなる委員会はうまく機能しているか。
 「委員会が作成した購入リストを毎回見て、基準に合わないと疑われる本には付箋を貼って問い合わせている。当初、こうした確認は多くの方に権力介入、検閲に当たると批判されて反省し、図書館の自由を侵さないよう注意している。ただし、『不適正図書』として市議会で指摘された配架に対しては子どもたちへの影響を考慮する指示は維持している」

 -郷土資料がこの5年間で購入、寄贈共に減少して「図書館と市民を結ぶ海老名の会」が心配している。
 「公立図書館の役割として郷土資料の収集・保存の重要性は民営化後も変わらない。削減方針を一律取っているわけではない。出版数がそれほど多い分野ではない。国分寺関係など良い資料が出れば購入していく」

 -ライフスタイル分類はやはり本が探しづらい。
 「私も最初そういう感想を持ち、表示や案内を増やすなどした。指定管理者との協議で利用者の苦情が続くようならば、従来の日本十進分類法に戻してくれと話した。一方で『発見があって楽しい』との感想も出てきた。4月以降、苦情の類はこれまで8件と大幅に減ったので様子を見ている」

 -指定管理の取り消しを求めた住民訴訟が起こされ、CCCのTカードの利用登録も問われている。
 「貸し出しカードを作る際に提示した規約に記載されている。市民が選択した結果なので問題視していない。企業としての個人情報の扱いを説明したので、市民からの問い合わせもほとんどないのではないか」

 -将来の図書館像をどう考えているか。
 「ツタヤ図書館という呼ばれ方は決して良いイメージではない。子どもが本ではなく、おもちゃを欲しがってしまうとの投書があり、4階の児童書コーナーの売り場は撤去した。市民ニーズを探りながら海老名らしさを求め、
地域に根差した図書館を目指したい」

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