【ひとすじ】他者の傷に寄り添う|カナロコ|神奈川新聞ニュース

【ひとすじ】他者の傷に寄り添う

現代美術家・渡辺篤

 現代美術家の渡辺篤さん(37)=横浜市南区=は、自らの引きこもり体験を生かし、他者の心の痛みに寄り添う作品に取り組んでいる。「傷ついたからこそ分かることがある」と語る渡辺さん。同市の若手芸術家を育成支援する制度を利用して、海外での活動に向けた準備も進めている。 

 2014年12月、東京の画廊で開いた個展では引きこもりを象徴するパフォーマンスを行った。会場の中央に人がやっと入れるほどの小屋をコンクリートで作り、中に入って密閉。

 1週間後、厚さ5センチの壁をたたき壊して外へ出た。汗にまみれ、ひげが伸びて髪はべたべた。その様子は、引きこもっていた自宅の自室から出てきた3年前の姿をほうふつとさせるものだった。

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