村岡新駅の建設費、想定の1・5倍見通し 藤沢市、鎌倉市に大きな痛手

 JR東海道線大船-藤沢間で検討されている村岡新駅の建設費が、従来の想定の1・5倍近い155億円超に膨らむ見通しであることが2日、分かった。地質調査の結果、新たなくい打ち工事が必要になったことや建設資機材の高騰などが要因。新駅は地元自治体が建設費の大半を負担する請願駅のため、構想を進める藤沢、鎌倉両市に大きな痛手になりそうだ。

 新たな建設費は、新駅開設に向けて県と両市で組織する「湘南地区整備連絡協議会」がJR東日本に依頼した調査で判明。同日に開かれた同協議会の総会で報告された。

 従来の建設費は、JR東日本の関連会社が2010年度に行った調査に基づき、ホーム両側に線路がある「島式」で109億円、二つのホームが向かい合った「相対式」で99億円とされていた。乗降客数の想定は1日当たり9万3千人だった。

 今回はJR本体がより細部まで調査を実施。乗降客数の想定を6万5800人に下方修正したため、駅舎やホーム、自由通路は小型化されたが、島式で156億~159億円、相対式で155億円と算定された。

 増額は13年の地質調査で想定以上に地盤が悪かったことや、労務費・材料費の高騰が要因。電気工事費も上昇したほか、前回の調査で算定されなかった工事管理費も反映させたため、金額が跳ね上がった。

 また、従来の建設費に含まれていたJRのシステム改修費や消費税が今回の調査結果には含まれておらず、実質的な金額はさらに膨らむとみられる。

 現段階では地質調査などが不十分なため、同協議会は今後さらに詳細な調査を継続する方針。コスト縮減の検討を進めることも確認した。

 ◆村岡新駅 旧国鉄湘南貨物駅跡地(藤沢市村岡東)で開設構想が浮上した新駅。駅とともに、藤沢市側の「村岡地区」(9・6ヘクタール)と鎌倉市側の「深沢地区」(32・6ヘクタール)を一体的に開発する計画を両市で進めている。県も広域的なまちづくりの視点から支援、3者で構成する「湘南地区整備連絡協議会」には、JR東日本もオブザーバーで参加している。


「まさかこんな高額に」 藤沢市 鎌倉市


 村岡新駅の建設費の高騰は、負担割合を協議してきた藤沢、鎌倉両市と県にとって悩ましい問題になりそうだ。従来の金額でさえ3者の協議は平行線をたどり、先行きは不透明のまま。両市の関係者も「まさかこんなに上がるとは」「追い風にはならない」と渋い顔を見せる。

 負担割合を決めるため、3者は昨年6月、専門の検討会を設置。新駅自体は藤沢市域にあること、駅利用者の両市民の割合、新駅開設で見込まれる税収増など、さまざまな根拠を基に協議を継続してきた。
 しかし、どのデータを用いて決めるのか“正解”がないのが実情で、3者ともそれぞれに有利な点を主張。特に財政規模が藤沢市の半分以下の鎌倉市は「応分の負担はするが、藤沢と同額では受ける印象が違う」とより慎重な姿勢を示す。
 今回の建設費高騰にも「鎌倉の財政状況からみても厳しい印象。当初よりハードルは上がった」と担当者。事業の必要性自体は認めつつ、「何とか対応できないか探っていく。JRにも少しでも負担してもらえないか働き掛けたい」と語った。
 一方の藤沢市は「両市の行政計画でも新駅の事業は上位にあり、まちづくりの要。金額の変化で駅をやめるという話にはならない」と指摘。「東京五輪後には資材費も落ち着くという考え方もある」とした。

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