学生たちが「子ども食堂」 藤沢、自習室も計画

子ども食堂を開設した学生団体「MOP」のメンバーら=藤沢市高倉の東勝寺

 貧困や家庭環境でかつて苦しんだ大学生たちが、今度は支える側になりたいと立ち上がった。普段は1人で夕食を食べている子どもたちが気軽に集える居場所をつくろうと、藤沢市内の寺に「子ども食堂」を開設。夕食の提供はもちろん、勉強を教えたり遊び相手になったりして、寂しい思いを抱える子どもたちに手を差し伸べる。

 子ども食堂を運営するのは学生団体「MOP」で、藤沢市内にキャンパスがある慶応大学など6大学の学生20人で3月に設立された。メンバーの約3分の1はかつて貧困など家庭の問題でつらい時期を経験。それだけに児童相談所や福祉関係の団体でボランティアをしている学生も多い。

 共同代表の一人で、慶応大看護医療学部2年の学生(21)は「ここにいる学生たちは、周囲の大人に支えられた経験がある。自宅以外の居場所があることの重要性を肌身で感じてきた」と語る。

 この学生も中学生のときに母親を亡くして以降、生活が落ち着かず苦労した時期があった。周囲の知人宅に呼ばれて夕食を共にするひとときがあり、温かい気持ちになれたことをよく覚えているという。

 今度は支える側になりたい-。子ども食堂の開設に向けて動きだしたメンバーは「地域に根付いた施設で住民の信頼も得やすい」と寺や教会を中心に会場探しに奔走。学生たちの熱意と趣旨に賛同した同市高倉の東勝寺が快諾し、境内と設備の使用を認めてくれた。

 子ども食堂は7月中旬にスタート。唯一の決まり事は午後5時に全員がそろって「いただきます」をすることで、その前後の時間は何をしても自由だが、学習支援には特に力を入れていくつもりだ。

 「家庭に問題のある子どもは学習への意欲が総じて低くなりがちだが、学力は将来の大きな武器になる。貧困の連鎖を断ち切るためにも重要」と、この学生。奨学金で大学に進んだメンバーもおり、身近な経験者として子どもたちへのアドバイスも積極的に行っていく。

 最近は地域住民が米や野菜を差し入れてくれることも増え、この学生は「とても助かっている。しっかり活動して信頼を高めていきたい」と力を込める。今後、豚汁とご飯だけを提供する高校生対象の自習室を市内の教会に開設する計画も同時に進めていく。

 子ども食堂は毎月第1、第3土曜日の午後1~9時に開設。利用は原則として6~18歳で、無料。問い合わせは、電子メール(myownplace.329@gmail.com)。

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