事件の背景にあるものは? 相模原障害者施設殺傷で識者に聞く|カナロコ|神奈川新聞ニュース

事件の背景にあるものは? 相模原障害者施設殺傷で識者に聞く

 相模原市緑区の知的障害者施設で19人が刺されて死亡したかつてない事件。殺人未遂容疑などで逮捕された容疑の元職員(26)は犯行を予告する手紙をしたためる一方、精神疾患が認められるとして措置入院もしていた。事件の背景に何があるのか。識者に聞いた。

背後に孤独と絶望


新潟青陵大大学院・碓井真史教授

 容疑者には大阪・池田小の児童殺傷事件や東京・秋葉原の無差別殺傷事件のような、大量殺人者の心理を感じます。

 大量殺人者の多くは、自分のことを悪者と思わず、世の中の方が間違っていると正当化する「ゆがんだ正義感」を持っている。今回の容疑者の手紙にも、大量殺人を衆院議長が認めてくれるだろうという固執した考えが表れている。妄想の影響も感じられます。

 こうした人たちは、孤独と絶望感に押しつぶされた人です。自らの利益を考えて犯行に及ぶのではなく、死刑も恐れないので、刑罰が犯罪の抑止にならない。必要なのは、厳罰ではなく、家族や友人といった社会的な絆です。犯行を思いとどまらせるものがあればよかったが、今回の容疑者は、失って悲しいものがなかったのではないか。

 容疑者は措置入院歴があるということだが、周囲は動いていたのに、あと一歩対応が足りなかった。精神疾患で診断名をつけるということは、この人は治療と支援が必要と認めたということ。社会から排除するのではなく、医療をはじめ社会全体で支援していかなければいけません。

 容疑者は大学時代には教員になりたかったというが、その夢が破れ、仕事も退職して措置入院させられ、友達も離れていったのでしょうか。必要な治療や支援が足りなかったのであれば残念です。

 事件の影響で懸念されるのは、精神障害者への偏見が強まり、周囲の人や当事者が精神科への通院をためらうようになることです。

 必要な治療を受けなければ、...

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