鎌倉発「模範のビーチに」 アジア初ブルーフラッグの下|カナロコ|神奈川新聞ニュース

鎌倉発「模範のビーチに」 アジア初ブルーフラッグの下

  • 神奈川新聞|
  • 公開:2016/07/22 02:00 更新:2017/07/04 11:17
 美観や安全性、環境保全といった基準をクリアしたビーチに与えられる国際認証「ブルーフラッグ」を、アジアで初めて取得した鎌倉市の由比ガ浜海水浴場が初のシーズンを迎えた。東京五輪を前に訪日外国人客らに向けたビーチのブランド力アップが期待されるが、関係者は「それ以上に大事なのは旗の下で地域の人たちが関わり合い、一緒にきれいなビーチをつくっていくこと」と話す。神奈川を代表する海水浴場から、新たな動きが始まっている。

 ブルーフラッグは、国際的な環境NGO「FEE」(Foundation for Environmental Education)が実施する認証制度で、特に欧州で広く知られている。

 FEE Japan代表理事の伊藤正侑子さんは「水質やバリアフリー、安全面など33項目の基準があり、すべてクリアしなくてはいけない。正直、ハードルは高い」と話す。認証取得後も審査が続き、取り消される例もあるという。

ビーチマネー支援も


 同市海浜組合連合会代表の増田元秀さんは昨年初めから市とも協力し、認証取得の準備を進めてきた。「求められる国際基準で驚いたのは、手洗い所にペーパータオルを置くこと。実際にお金もかかるが、一つ一つをクリアしていった」

 その一環で、同海水浴場の海の家17店で、エコ洗剤を導入した。海の家では周辺の地下に汚水ますを設け、砂浜を通して海に流していくのが従来のやり方。これを油汚れの分解力が強く、環境への負荷が小さい特殊な洗剤に変えることに決めた。

 しかも、洗剤の売り上げの一部は、ビーチマネー活動に寄付される。ビーチマネーは、海岸に落ちているガラスのかけらで、湘南エリアを中心とする約140店で地域通貨として使える。ごみやガラス片を拾ったごほうびとして、協力店で食事の割引などの特典が得られる。


海水浴場のお手本に


 10年前からビーチマネー活動を推進し、エコ洗剤の普及も目指す堀直也さん(39)は「洗剤の採用が、海のごみを減らすビーチマネー活動の後押しにもなる。遊んだビーチを最初よりもきれいにして返す活動の大きな一歩にしたい」と話す。増田さんも「ビーチのイメージはとても大切。環境問題に取り組む心構えも重要で、ブルーフラッグの理念が浸透し、今後のまちづくりにつながれば」と期待する。

 ブルーフラッグを国内に広めたいFEE側も鎌倉の取り組みに注目する。伊藤さんは「ブルーフラッグは単なる目標ではなく、地域一体で持続可能なビーチにしていくためのきっかけ。由比ガ浜には、これから認証を目指すビーチの模範になってほしい」と話している。


ブルーフラッグ FEEが実施する環境認証制度。▽環境教育と情報▽水質▽環境マネジメント▽安全とサービス-の33項目の基準を設け、持続可能なビーチ・マリーナを目指す。1985年にフランスで生まれ、現在49カ国4271カ所が認証を受けている。国内では今春、由比ガ浜と若狭和田海水浴場(福井県高浜町)が取得した。

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