バス停ベンチ壊れソファに 横浜市は撤去方針|カナロコ|神奈川新聞ニュース

バス停ベンチ壊れソファに 横浜市は撤去方針

ソファが二つ置かれた黄金町駅前のバス停=横浜市南区

 京急線黄金町駅(横浜市南区)前のバス停で、壊れたベンチの代わりに置かれたソファの扱いが議論を呼んでいる。バス利用者からは「ありがたい」と感謝の声が聞かれる一方で、市南土木事務所は「トラブルの元になっている」との苦情を受け、撤去する方針を決めた。ただ、善意で置かれたソファだけに、同事務所の担当者は「撤去に対する苦情も出るだろう。かといって、歩道の幅が狭いので市が代わりのイスを置くわけにもいかない」と頭を悩ませている。

 同事務所や利用者によると、同バス停脇の木製のベンチが壊れて使えなくなっていたところ5月下旬に撤去され、代わりにソファが二つ置かれていた。誰が置いたのかは不明だが、高齢者からは「前より座りやすい」「助かる」と好評だったという。

 ところが同月30日、「ソファが置かれていることで乗車の並び順が分からなくなるトラブルが起きている」との苦情が同駅事務所を通して土木事務所に寄せられた。このため、同事務所は道路を不法占用・不正使用する「ごみ」としてソファを撤去することを決め、「この物件の設置者または所有者は6月10日までに撤去してください。期日までに撤去しない場合は土木事務所で撤去します」との注意書きを貼った。

 これに対し、同バス停を毎日利用するという男性(60)は「善意で置かれたもの。苦情が来たからすぐ撤去というのではなく、利便性なども考えてほしい」と注文を付ける。

 木製ベンチも市が設置したものではなかったが、苦情が寄せられたことはなかったという。バス停に設置するイスは固定式でなければ許可は下りず、土木事務所の担当者は「地域で暗黙の了解を得ているようなケースはただちに撤去することもない。ただ今回は苦情が寄せられている以上、対処せざるを得ない」と話す。

 市の規定では歩道は2メートルの幅を確保する必要があり、現場付近は市がイスを設置できるだけのスペースはないという。担当者は「すぱっと割り切れる話でないのは確かで賛否あると思う。貼り紙に対する反応も踏まえ、現実的な解決策を見いだしていきたい」と話している。

横浜市長「悩ましい問題」


 京急線黄金町駅(横浜市南区)前のバス停に置かれたソファを市南土木事務所が撤去するとしていることに関し、林文子市長は9日の会見で「果たしてこれでよいのか疑問がある。庁内で議論したい」と述べた。

 この件について「今朝の報道で知った」とした上で、「市が守らなければいけない法律や条例の中で(土木事務所の)撤去方針が出ていると思うが、私自身は悩ましい問題だと思う」と説明。「年配の方が立ってバスを待つのはつらいのではないか」と憂慮しつつ、「条例を破るわけにはいかないが、いま一度検討したい」との見解を示した。

 ソファが置かれたのは5月下旬。バス利用者からは感謝と苦情の双方の声が寄せられていた。ソファには同事務所の「6月10日までに撤去してください」との注意書きが貼られている。

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