エコサーファーが見守る子どもの冒険心、ビーチグラス探しで遊ぶ/神奈川・湘南|カナロコ|神奈川新聞ニュース

エコサーファーが見守る子どもの冒険心、ビーチグラス探しで遊ぶ/神奈川・湘南

「ほら、キャプテンもいいの見つけたぞ」。堀さんは子どもたちとすぐに打ち解けた=江の島

「キャプテン、こっちにもあったよ」。潮が引いて、岩場がむきだしになった江の島(藤沢市)に、子どもたちの無邪気な声が弾んだ。

7月11日の大潮。梅雨明け前だが、朝から日差しも強くなり、蒸し暑い休日となった。初顔合わせだった幼稚園児と小学生の5人は次第に緊張がほぐれてきたようだ。

「やったじゃん。きれいなのが見つかったな」。すべりやすい足場を動き回る子どもたちに目配りしながら、キャプテンは笑顔で応える。「ほら、キャプテンもいいの見つけたぞ」

皆が懸命に探しているのは、「ビーチグラス」。境川や相模川などに捨てられたビールやジュース、ワインなどの空き瓶が割れて、海をさまよう。砕けた鋭利なガラス片が時間をかけて丸くなる。やがて他のごみと一緒に岩場や砂浜に流れ着き、赤や青、黄、紫とキラキラと輝きを放つ。

「これはごみだけど、宝物でもあるんです」。キャプテンこと、「エコサーファーこども冒険くらぶ」を主宰する堀直也さん(33)は解説する。ビーチグラスを袋いっぱいに集めた松原泰木君(10)は「大きいのが見つかった。家で大切に飾るよ」。目を細めて、バッグにしまった。

堀さんは景勝地・江の島の観光客が通らない「裏道」の水先案内人だ。子どもたちを連れ、ロープを使ってがけを下る。ごつごつとした岩場を歩く。小魚やカニがたわむれる潮だまりや、防空壕(ごう)など「知られざる江の島」の姿を見せている。靴やペットボトルなど大量のごみがたまる江の島の現状を見せながらも、好奇心をくすぐる「宝探し」を演出する。しかもこのビーチグラスは湘南限定の地域通貨としても使えるおまけ付きだ。

「自分たちの遊び場を守る格好いいサーファーになりたい」。堀さんがそんな思いで活動拠点の藤沢・辻堂で「エコサーファー」を立ち上げたのは2001年。サーフィン教室を開いたり、地元小学校で派遣講師をしたり、商店街で朝市を催したり、地域活性化のフリーペーパーを発行したり、と精力的だ。賛同する仲間は優に100人を超す。2年半前からはこうした活動が仕事に発展した。そして、ことし4月。長男誕生をきっかけにずっと温めてきた子ども向けの体験ツアー「冒険くらぶ」を始めた。

長男詩弥君(8)、次男隼椰君(5)とともにツアーに参加した会社員小林淳さん(37)は「堀さんは子どもたちの関心を引きつけるのがうまい。子どもは親が思うよりも上手に自然と遊べることがよく分かる」と喜ぶ。現在くらぶの会員は31人。今年中に50人を目標にする。

「海が好き。子どもが大好き。僕は自分の特技を生かして、子どもたちの本能を呼び覚ます手伝いをしているんです」。真っ黒に日焼けした堀さんは人懐っこい笑みを浮かべた。

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