時代の正体〈283〉手探り続く市民勝手連|カナロコ|神奈川新聞ニュース

時代の正体〈283〉手探り続く市民勝手連

  • 神奈川新聞|
  • 公開:2016/04/02 11:08 更新:2016/11/16 23:16
 夏の参院選で「野党共闘」を応援する市民グループが県内各地で生まれている。昨年12月、県内全域を網羅する市民勝手連「ミナカナ」(みんな、かながわ)の発足を皮切りに、横浜、川崎、湘南地区など七つの勝手連が立ち上がった。いずれも安全保障関連法の廃止と立憲主義の回復を掲げる。「自民1強」体制にいかに対抗するか-。主婦や学生、自営業やサラリーマンらさまざまな顔ぶれが各地で手探りの活動を続けている。

危機感


 「先日、田んぼのあぜ道に立って、小田急線の線路に向かって『野党共闘』の旗を掲げました。泥臭くてもいいから、とにかくアピールしよう、と」

 3月27日、県内の市民勝手連が集まった「ミナカナ全地域大交流会」。南足柄市の綱島麻実さん(40)が話すと、会場からは笑い声と拍手が沸いた。約100人が集まったその場で、綱島さんは「ツギセン○@県西」(※)の活動を紹介した。

 「2児の子育てをしている普通の主婦なんですが、まずは自分ができることをしよう、と。でも、必死なんです」

 思い出すのは、昨夏の安保法案の成立をめぐる安倍政権の手法だ。「国民の生活に深くかかわる法律を、強行に数の論理で推し進める姿勢に危機感を持った。国民の声を反映してくれる議員がいなければ、政権与党の思うままにどんな法律も通されてしまう」。有権者の声を聞いてくれる候補者を応援したいと、地元市議らと勝手連をつくった。

※「ツギセン○@県西」の○印はハートマーク

独自色


 改憲を公言する安倍政権に対し、県内の市民勝手連は「立憲主義の堅持」という目標では共通するものの、その活動内容や形態はさまざまだ。

 例えば、湘南地区の「@湘南市民連絡会」。九つのワーキンググループを設け「投票率アップチーム」、選挙学習会を開く「選挙カフェチーム」などの役割を決め、独自に動く。投票率アップチームは18歳選挙権を見据え、高校の卒業式で投票を呼び掛ける「選挙カード」を卒業生に配布した。

 ミナカナ世話人で弁護士の武井由起子さん(48)は「地域によって抱えている悩みも異なる。憲法13条が『すべて国民は、個人として尊重される』とうたっているように『みんな違って、みんないい』。それぞれが好きな活動を行い、ゆるくつながっていければ」と話す。

一本化


 ただ、野党共闘の成果が問われる参院選は間近に迫る。神奈川選挙区の改選定数は4。協力を呼び掛ける市民勝手連だが、最終的にどの候補者を応援するのかは決まっておらず、悩みの種だ。

 ミナカナ世話人の石井麻美さん(47)は「野党候補がたくさんいる神奈川において、どのように共闘を進めていくのかは本当に難しい」と打ち明ける。一方で「市民が政党に物を言え、影響力を与えられる力を持てることが大事」とも話す。

 各党の地方組織を回り、市民の立場から意見を伝えるほか、野党議員との面会、市民連合の必要性を訴える学者との話し合いも重ねてきた。

 3日には、市民連合横浜☆ミナカナ主催の「選挙フェスタ-神奈川のつどい-」(午後2時から)が関内ホール(横浜市中区)で開かれる。学者や野党国会議員らも参加し、今後の大きなうねりにつなげたい考えだ。

 石井さんは言う。「それぞれの支持政党の枠を超えた共闘はこれまでにない動きだと思う。市民が反安倍政権でまとまり、投票行動までつなげられるか。議論を重ねていきたい」

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