虐待疑い4290人神奈川最多更新

15年警察庁統計

 神奈川県警は24日、昨年1年間に虐待の疑いで児童相談所に通告した18歳未満の子どもは4290人(前年比2・4%増)で、過去最多を更新したと発表した。大阪府に次ぐ全国2位で、殺人事件として立件したケースも3件あった。

 児童虐待をめぐっては、相模原市児相に保護を求めていた市立中学2年の男子生徒が自殺を図って死亡した問題が、22日に発覚。このケースは昨年6月に身体的虐待で書面通告していた。

 通告児童の内訳は、心理的虐待が3005人(同223人増)、身体的虐待が861人(同207人減)、ネグレクト410人(同85人増)、性的虐待14人(前年と同じ)。

 事件として立件されたのは30件(前年比9件減)で、容疑は傷害8件、児童福祉法違反6件、強制わいせつ5件、殺人3件。亡くなった3人は、2月に厚木市で6歳と3歳の姉妹が母親に、12月に横浜市港北区で6歳の長男が父親にそれぞれ首を絞められて死亡した。

 県警少年育成課は「児相や学校と連携を強化し、被害者の早期発見と安全確保を最優先に対応したい」としている。

全国は最悪3.7万人
18歳未満、保護は2624人


 昨年1年間に虐待が疑われるとして、全国の警察が児童相談所に通告した18歳未満の子どもは前年より8097人(28・0%)多い3万7020人だったことが24日、警察庁のまとめで分かった。統計を取り始めた2004年以降、増加を続けて過去最多を更新し、初めて3万人を超えた。

 このうち、生命に危険がある緊急時や夜間などに警察が保護した子どもは、3年連続増加の2624人に上る。警察庁の金高雅仁長官は同日の記者会見で「憂慮すべき事態」と述べ、未然防止に努める考えを強調した。

 警察は児童相談所、検察と連携し、虐待の事実を確認するための子どもへの聴き取りを代表者が行う「協同面接」も開始。つらい体験を話す心理的負担を減らすのが目的で、「面接回数を絞ることで誘導されやすいとされる子どもの供述の信用性を担保し、立件につなげるとの狙いもある」(警察庁担当者)という。

 摘発件数、人数は785件、811人で、被害者は807人となり、いずれも統計が残る1999年以降で最多。

 通告児童のうち、暴言を吐かれるなどの心理的虐待が、6割以上の2万4159人となった。そのうち約7割の1万6807人は子どもの前で配偶者に暴力を振るうなどの「面前ドメスティックバイオレンス(DV)」で、5138人(44・0%)増えた。

 警察庁の担当者は「DV被害自体が6万件以上と増加したため、面前DVも増えたとみられる」との見方を示した。

 摘発事件の被害者のうち殺人などによる死者は過去最少だった前年より6人多い26人。摘発人数のうち82・1%を占めたのは身体的虐待の666人で、被害者との関係では実父295人、実母167人。14・4%に当たる性的虐待で最も多かったのは養父・継父の55人だった。

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