ヘイトスピーチ根絶へ学習会 川崎で市民ら150人参加

大阪市で制定されたヘイトスピーチ抑止条例について解説した文さん=川崎市教育文化会館

 川崎市内で続く在日コリアンへのヘイトスピーチ(差別扇動表現)デモを考える学習会が16日夜、市教育文化会館(同市川崎区)で開かれた。市民ら約150人が参加し、大阪市で制定された全国初のヘイトスピーチ抑止条例の内容や、条例制定までの経緯を学んだ。「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」の主催。

 学習会では、NPO法人多民族共生人権教育センター(大阪市)の事務局次長、文(ムン)公輝(ゴンフィ)さんが講演した。「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例」では、特定人種や民族への差別をあおることなどを目的に、不特定多数に知れ渡る場所や方法で行う表現活動をヘイトスピーチと定義。ヘイトが行われた場合は、氏名を公表するといった措置の内容などを説明した。

 文さんは「多数の客がいる飲食店や電車の中、SNSでのヘイトも措置の対象になり得る」と解説。「大阪では、ヘイトに抗議する市民らを過剰に抑制する警察官や、ヘイト目的による利用を許可してしまう公共施設の職員もいた」とし、市民だけでなく行政関係者への啓発も必要と訴えた。

 行政が対策に乗り出すよう、市民運動として地元商店街や自治会などにヘイトの映像を見せて協力を求めたり、被害の実態調査を行ったりした経緯も紹介。文さんは「ヘイトで生まれた在日コリアンと日本人の溝を、一緒に立ち向かうことで埋めたかった」と振り返り、「条例は、大阪で共に生きる人々に『平等だ』という力強いメッセージを発信している。この経験が川崎でも役に立てば」と力を込めた。

川崎市
市民団体に回答、取り組みも報告



 川崎市は17日、市内で繰り返されているヘイトスピーチデモへの対処を求めていた市民団体の要望に対する回答を行った。

 市民団体は「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」。ヘイトデモ根絶に向けた行動計画の策定などを求めていた。

 回答は「市人権施策推進協議会などと情報共有や意見交換をしながら、今後の取り組みに生かしていく」というものにとどまった。併せて、国に法整備を求める要望を行ったことや「ヘイトスピーチを許さない」とPRする啓発映像をJR川崎駅の自由通路で流し始めたことを報告した。

 意見交換も行われ、「何がヘイトスピーチに当たるのか認定が難しい」とする市側に対し、同ネットワークのメンバーからは「第三者機関を設けてはどうか」「差別落書きについては市で記録し、差別かどうか判定している。同様の措置は取れるはずだ」といった声が上がった。

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