デモクラシー道場(下)改憲したいがための議論

参院選-あなたの選択は-

安全保障関連法案に反対し、プラカードを掲げる人たち=2015年7月14日、東京・日比谷野外音楽堂(共同)

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 今夏の参院選で争点に上がる憲法改正。1月下旬、JR関内駅(横浜市中区)近くの飲み屋街の一角では、憲法改正と緊急事態条項をテーマにしたトークイベント「YOKOHAMAデモクラシー道場」が開かれた。同条項に詳しい弁護士の小口幸人が講師として登壇し、集まった60人の参加者からはさまざまな質問が上がった。緊急事態条項の議論の先にあるものとは-。

 -自民党改憲草案で「内閣総理大臣により緊急事態の宣言が発せられたとき、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる」とあります。しかし、政令と法律は本来、異なるものなのでは。

 「その通りです。憲法と法律と政令と省令。それぞれご説明します。まず、憲法と法律以下は全く違います。憲法は、変えるために国民投票が必要です。それ以外は国会議員や内閣だけで変えられます。法律は、私たちが選んだ代表者である国会議員が国会で決めます。政令、省令は、法律より細かいことを決める際、内閣だけで決められものです。ただし、その内容は法律に反してはいけません。自民党改憲草案の条文では本来、国会で決めなければいけない法律が政令という呼び名で内閣だけで決められてしまう。恐ろしいことです」

 -衆議院の任期満了後に大災害が発生した際、選挙が実施できず、議員が不在となり、災害関連の法案が通せなくなるという主張が一部の国会議員から出ていますが。

 「まず、前提として、憲法54条に書かれている参議院の緊急集会について説明します。衆議院が解散されたときは、参議院は同時に閉会になります。ただし、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参院の緊急集会を求めることができます。つまり、衆議院が解散されたときに災害が起きても、参議院の緊急集会で対応ができます」

 「自民党憲法改正推進本部のみなさんは『衆議院の任期満了のときについては、憲法に規定がない。改正が必要だ』と言っているわけです。ただ、衆議院の任期満了は戦後1回しかありません。それ以外は全部解散しています。70年の間に1回しかなく、その直後に災害が起きる確率というのは相当低いでしょう。それにも関わらず『憲法改正が必要』というのは、重箱の隅をつつくような議論です」

 -災害が起きた後に選挙ができない場合、どうやって対応するのか。

 「災害が起きても選挙ができるようにすればいいのです。現行の選挙制度を変え、選挙ができる制度にすればいいのです。選挙は、主権者である国民の意見を聞く唯一の機会です。国家を揺るがすような災害が起きたときこそ、選挙はやるべきです。各議員、各政党に国家の在り方、再建の仕方を語っていただき、国民が『いい』と思ったものを多数決で決めていく。本来あるべき姿だとは思いませんか。ちなみに、第2次世界大戦中の1942年にも総選挙が行われています。大災害の後にも選挙はできます」

 

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