デモクラシー道場(上)「憲法改正の試金石」

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「憲法改正を緊急事態条項」をテーマにしたデモクラシー道場=1月21日、横浜市中区

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 1月19日、参院予算委員会。質問に立った社民党副党首の福島瑞穂は、首相の安倍晋三を前に切り出した。

 「憲法改正についてお伺いします。総理は、憲法改正の発議ができるよう、改憲勢力の3分の2以上の獲得を目指すとおっしゃっています。自民党はすでに日本国憲法改正草案を発表しています。どれも、極めて問題ですが、この中の一つ、緊急事態条項についてお聞きをします」

 「この新しく自民党が設けている緊急事態、これはまさに効果のところがとりわけ問題です。99条1項、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる、内閣総理大臣は財政上必要な支出、その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる、となっています」

 「総理、国会は唯一の立法機関です。しかし、内閣が法律と同じ効力を持つことができる政令を出すのであれば、立法権を国会から奪うことになる。国会の死ではないでしょうか」

 安倍が答弁に立つ。

 「この草案につきましては、野党時代、谷垣総裁の元でつくられた草案でございます。大規模な災害が発生したような緊急時のことを言っているのでございまして、平時にですね、行政府が権限を持ってやるわけではないのであります。大規模な災害が発生したような緊急時において、国民の安全を守るため、国家そして国民自らがどのような役割を果たしていくべきかを憲法にどのように位置付けるかについては、極めて重く大切な課題と考えております」

 「他方ですね、自民党の憲法改憲草案の個々の内容について、政府としてお答えすることは差し控えたいと思います。いずれにせよ、憲法改正には国民の理解が必要不可欠であり、具体的な改正の内容についても、国会や国民的議論等、理解の深まりの中で、おのずと定まってくるのではないかと思っております。引き続き、新しい時代にふさわしい憲法の在り方について、国民的議論と理解が深まるよう力を尽くして参りたいと思います」

 福島は語気を強めた。

 「総理が改憲勢力の3分の2以上の獲得を目指すとすでに言っていて、しかも日本国憲法の改憲草案が出ていますので聞いております」

 再び、安倍。

 「いま申し上げたようにですね、私がここに座っているのは、内閣総理大臣として座っているわけでございまして、憲法の改正案の中身については、まさにこれから憲法審査会においてご議論いただきたいと、このように思うわけでございまして、こうした議論が深まっていく中において、おのずとどの項目からですね、改正していこうかということが定まっていくわけでありまして、それ以上、個々の条文について私がいまここで、述べることは控えさせていただきたいと思います」

 決まり文句を繰り返す答弁に、福島は声を荒らげた。

 「極めて問題ですよ。なぜなら、総理は今度の参議院選挙で、憲法の改正の発議ができるように、3分の2以上の獲得を目指すといい、すでに自民党は発表しているわけで、自民党総裁としてどういう風になるのか議論すべきではないですか」

 憲法のどの条項を、どのように変えようとしているのか。8分30秒の答弁の中で、安倍が改憲の中身について言及することは最後までなかった。

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