川崎の簡宿火災「ガソリンで放火」 市消防が報告

川崎市消防局が消防庁消防研究センターと合同で実施した燃焼実験(川崎市消防局提供)

 川崎市健康福祉委員会は12日、定例会を開催し、市消防局が昨年5月に発生した簡易宿泊所(川崎区日進町)の火災について、出火原因は放火だとする原因調査結果を報告した。

 火災は昨年5月17日に発生。簡易宿泊所「吉田屋」から出火し、隣接する「よしの」にも延焼して1008平方メートルを燃やし、宿泊者11人が死亡、17人が負傷した。市消防局は社会的影響が大きい火災として、原因調査を実施してきた。

 出火元の吉田屋の1階ホールには火の気がない上、周辺からはガソリンの成分を検出。現場を再現してガソリンをまいて着火した燃焼実験でも、その経過や状況が火災発生時と一致したことなどから、放火と判定した。

 結論を踏まえ、コンピューターによる火災シミュレーションを行ったところ、出火から約1分後に自動火災報知器が鳴った時点ですでに火の手が大きくなり、同場所を通って避難することが難しい「避難限界」を迎えていたことも明らかになった。

 調査では施設の関係者40人から聞き取りを行ったほか、原因として考え得る、たばこ、電気関係、ガス、放火のそれぞれについて詳細な調査を実施。放火以外の三つについては可能性を否定するに至った。

 この火災では、吉田屋が耐火物の用件を満たさないまま3階構造にしていたことが判明したが、同局は「まかれたガソリンの量が多く、耐火の用件を満たした3階建てであったとしても、同程度の被害が出ていた可能性が高い」と分析した。

県警、放火と失火の両面で捜査


 神奈川県警は12日、簡易宿泊所火災の出火原因は放火と結論付けた川崎市消防局の調査結果を受け、引き続き放火と失火の両面で捜査する方針を明らかにした。

 県警によると、昨年5月の火災から今月11日までに、延べ5147人の捜査員を投入。付近の住宅など延べ922世帯、1208人に聞き込みを行ったほか、周辺に設置された46カ所の防犯カメラを捜査したという。

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