避難妨げる意識と経験 平塚でセミナー

災害時に陥りやすい心理や行動について解説する加藤准教授=平塚市勤労会館

 絶体絶命の時、パニックは起きない-。「大規模災害時の人間行動学」と題したセミナーが6日、平塚市内であった。講師の加藤健・防衛大准教授(危機管理論)は「むしろ危機に鈍感な人間の習性を知るべき」と強調。人々の避難行動が生死を分けた東日本大震災や御嶽山噴火のケースから「生き延びるためには、周囲を当てにせず、自分の判断で行動を」と説いた。

 加藤准教授は御嶽山の噴火に遭遇した人々の証言を挙げ、「落石や入道雲だと思った人もおり、多くの人がすぐに噴火とは気付かなかった」。こうした状況下では、異常や不安要因を楽観的に捉える「正常性バイアス」が働き、「ただごとではないと気付いたときには既に目の前に危険が迫り、逃げ遅れてしまう」問題点があるとした。

 東日本大震災では、津波の到達まで時間的な余裕があったのに多くの高齢者が巻き込まれたのは、「過去の津波の経験から大丈夫と判断し、避難しなかった」ためだ。過去と同じ行動を取った結果、裏目に出てしまう「経験の逆機能」にも注意するよう促した。

 こうした習性を踏まえ、「パニック神話はテレビや映画でつくられた感があり、いくつかの条件が重ならなければ災害時に起きることはない」と指摘。「日本人は他人の行動につられやすいが、周囲を当てにするのは危険。自分で判断し行動しないと、いつまでも後悔することになる」と訴えた。

 セミナーは県労働者福祉協議会の主催で、約100人が参加した。20日にも同じテーマのセミナーが川崎市生活文化会館てくのかわさき(高津区)で行われる。

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