時代の正体〈243〉自民党改憲草案考(上)三浦瑠麗さん|カナロコ|神奈川新聞ニュース

時代の正体〈243〉自民党改憲草案考(上)三浦瑠麗さん

憲法は今

  • 神奈川新聞|
  • 公開:2016/01/13 14:45 更新:2017/03/07 21:04
三浦瑠麗さん

三浦瑠麗さん

 憲法改正が政治日程に上ろうとしている。安倍晋三首相は夏の参院選について、自民、公明両党におおさか維新の会など一部野党を加えた改憲勢力で、改正発議に必要な3分の2議席を目指す考えを示した。そこで注目が集まるのが、自民党が2012年に発表した憲法改正草案。内容は自衛隊を国防軍と位置付けることから家族の尊重まで多岐にわたるが、価値観の押し付けや立憲主義の取り違えといった問題点を指摘する声は改憲派からも根強い。右派からの支持も厚い国際政治学者の三浦瑠麗さん(35)に覚えた違和感について寄稿してもらった。

看過できない点が多々



 憲法を改正すべき最大の目的は、日本を取り巻く安全保障環境と、日本の現実の政策とが合わなくなってきているということだ。憲法と現実との間の齟齬(そご)を解消するということには意味があるし、安全保障を憲法解釈に代表される、詭弁(きべん)に詭弁を重ねる法律論で語るあしき伝統から抜け出す意義は大きい。

 憲法を見直す際、9条1項の平和主義の理念はとても重要である。こうした考えは国連憲章をはじめとする現在の国際法の考え方とも整合しており、堅持すべきである。他方、戦力の不保持をうたった9条2項は、自衛隊という事実上の戦力を保有し、国民の多くから承認を得ている現状に合わせて改正すべきだ。

 その点からは、改憲の必要もあり、変更にはやぶさかではない。ところが、自民党が12年に作成した改憲草案には、看過できない点が多々挙げられる。具体的な例を以下順に挙げていこう。...

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