三浦半島「第一級の自然」 研究者、保全必要性訴え|カナロコ|神奈川新聞ニュース

三浦半島「第一級の自然」 研究者、保全必要性訴え

生物多様性ホットスポット2割集中

三浦市の小網代湾と森(林公義さん提供)

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 県内に「未来に残したい自然」の残る場所のうち、三浦半島に2割が集中している-。県自然保護協会(藤崎英輔理事長)がまとめた県内の「生物多様性ホットスポット」で、こんな傾向が明らかになった。同協会が選定した県内191カ所のうち、35カ所が三浦半島。地元研究者は「海と山の複雑な地形が多様な生態系をつくり、海岸線には第一級の自然がある」と説明している。

 三浦半島(横須賀、三浦、逗子の3市と葉山町)のホットスポットは、海岸部には三浦市の小網代湾、城ケ島南海岸、横須賀市の天神島など20カ所、内陸部には横須賀市武山の谷戸(やと)群など15カ所だった。いずれも、希少種の集中や多様な生態系がみられる。

 選定で海のホットスポットを担当した横須賀市自然・人文博物館前館長の林公義さん(68)は、三浦半島について「東京湾、相模湾、大楠山など、海と山の良好な環境に恵まれている。海岸線と内陸部の森の生態系がつながって残る場所は県内でも少ない」。その一方で「都市化は否めず、これしか残っていないと考えるべきだ」と、保全の必要性を訴える。

 豊かさの源泉として林さんは、干潟、砂浜、岩礁など海岸環境の多様性を挙げる。小網代湾の干潟で見られるアカテガニの集団産卵や、城ケ島でのウミウやヒメウの越冬などを「自然の財産」と強調する。

 小網代湾の内陸部の森について、同じく選定委員のNPO法人三浦半島生物多様性保全理事長・天白牧夫さん(29)は「ニホンウナギ、ミナミメダカなど貴重な生物が残る」と話す。

 内陸部のホットスポットの多くが、丘陵に囲まれた谷戸。調査では、今に残る谷戸は167カ所で、希少種の両生類、ヘビ、イタチ、フクロウ、猛禽類が生きている。だが谷戸の棚田には、耕作放棄され荒れている場所もあり、天白さんらが再生の取り組みを続けている。

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