広がれ、希望の美容 「闘病生活 前向きに」二宮町の高塚さん

ソシオエステティックのマッサージを施す高塚さん

 キレイになって明るく生きて-。闘病中の患者や高齢者らにマッサージや化粧を施し、身体・精神的苦痛を和らげて「生活の質向上」を目指すソシオエステティック。医療や福祉の知識に基づくケアの効果に対する理解と認知度を高めようと、ソシオエステティシャン高塚静恵さん(38)=二宮町=が普及活動に励んでいる。超高齢社会を見据え「将来は在宅介護の現場で、医療や福祉チームの一角を担いたい」。

 「肌がきれいになったと主人から褒められた」「ずっときれいでいたい」

 大磯町の高齢者向けデイサービス施設。2週に1回ほど設けているソシオエステティックの日に高塚さんの施術を受けたお年寄りの女性たちから、こんな感想が寄せられる。手のマッサージを毎回楽しみにしてくれている男性もいるという。

 「美容は外出でもしてみようかと、明るい気持ちになってもらえる」。こう施術効果を語る高塚さんは2007年から08年にかけ、ソシオエステティックの本場フランスで国家資格を取得。今年1月には日本エステティック協会の民間認定資格も得た。

 目指したきっかけは、大学病院の耳鼻咽喉科病棟で看護師として働いていた03年に偶然見たテレビ番組。病棟では顔や首に傷痕などが残って鏡で自分の姿を見ることができなくなる様子を目の当たりにしていただけに、「患者さんがきれいになって治療に前向きな気持ちになるのを見て、こういうアプローチもあるのかと思った」。フランスからの帰国後は4年ほど、終末期医療施設(中井町)で緩和ケアに携わり、患者へのマッサージなどで不安や痛みを和らげる経験を積んだ。

 闘病生活を送っている患者や要介護者、高齢者らに化粧やマッサージを施し、身体的、精神的な負担の軽減を目指すソシオエステティック。心のケアに重点が置かれ、施設などで医師や看護師と情報を共有しながら施術し、施術時に得た患者の声などをチームにフィードバックする。

 同協会によると国内で認定を受けているのは65人(10月現在)。医療や介護の現場で導入の動きが出始めたものの、まだ認知度が低いのが実情で、医療現場で必要不可欠な職種となるには、さらなる理解の広がりが鍵を握っている。

 高塚さんは個人としても普及活動を続けており、大磯町の交流拠点「いろいろおおいそ」でソシオエステティック入門講座を開くなど、認知度アップに向け意欲的に取り組んでいる。

COMMENTS

facebook コメントの表示/非表示

PR