2015海老名市政の課題(中)窓口委託 先進性も意識に遅れ|カナロコ|神奈川新聞ニュース

2015海老名市政の課題(中)窓口委託 先進性も意識に遅れ

海老名市が民間委託した総合案内=同市役所

 海老名市は民間委託に積極的だ。第6次行政改革大綱(2013~17年度)は行政のスリム化の狙いを「最少の経費で最大の効果を」としている。

 03年の自治法改正で門戸を広げた指定管理者制度は、同市では06年度に33施設でスタート。更新などを経て今年10月1日現在、36施設で導入済みとなり、ほぼ全ての主要施設で管理委任するに至っている。

 直営時代と比べたコストの削減効果はこうだ。例えば、05年度に1億6200万円だった市文化会館の運営費は指定管理1期目の最終年度(10年度)は1億4400万円、2期目の最終年度(15年度)は1億5300万円で推移。

 市企画財政課は「指定期間は3~5年で更新の都度サービス向上、コスト削減などを直営時と比較・検証している。この間、直営に戻した施設は一つあったが、おおむね成果を挙げている」と説明している。

 利益優先の行き過ぎたコスト削減による労働環境の悪化やサービス低下を防ぐために、3年前から社会保険労務士による審査も実施。「任せっきりにせず、指定管理者制度の進化を図っている」(同課)という。

福祉分野を民間に

 もう一つ注目を集めているのが昨年11月、実施に踏み切った福祉分野の窓口業務の民間委託化だ。国をはじめ自治体関係者の視察が相次いでいるという。

 同じ1階フロアで13年から始めた庁内案内、各種証明書の交付や戸籍業務の委託化に続いて着手。国民健康保険(国保)、後期高齢者医療、国民年金、児童手当、障害者手帳、介護認定の更新など72業務の239項目に及ぶ。

 例えば、国保の資格取得・喪失では、受け付け、連絡票の作成、システム入力、制度説明、仮保険証の作成、申請書の保管までを委託業者が担当。市職員は納税に係る相談、審査、申請書の回収を行う。

 現場に根強い慎重論があった中、最も心配された個人情報の漏えいは起きていないという。利用者アンケートでは案内や窓口対応について「良い」が9割に上るなど、市民には好評のようだ。

行革で一般職員削減

 外部委託などの行革で一般職員の削減は進み、ともに4月1日現在で10年の780人に対して15年は739人になった。効率化の指標の一つである職員1人当たりの人口は、政令市を除く県内16市で14年は最多になった。

 福祉窓口の現場では、約10人の職員が生活保護担当など業務量が増えた別の部署に振り分けられて適正配置を図ったという。

 こうした民間の力を活用した先進的な取り組みを肌で感じているはずの、職員の意識改革は追い付いていない。

 学識者や公募市民が毎年度事業をチェックする外部評価は10年目を迎えたが、相変わらず職員の情報公開に対する消極的な意識が課題になっている。

 15年度の評価書は「市民が点検することで、市職員が陥るかもしれない独善、間違い、思い上がり、勘違いを是正するのが外部評価の目的。点検が有効であるためには事業実態が正確に開示されなければならない」と苦言を呈している。

 「由(よ)らしむべし、知らしむべからず」。時代遅れのお役所体質が感じられるとの声は市民の間に少なくない。

COMMENTS

facebook コメントの表示/非表示

PR