時代の正体〈208〉また揺らぐ正当性|カナロコ|神奈川新聞ニュース

時代の正体〈208〉また揺らぐ正当性

  • 神奈川新聞|
  • 公開:2015/10/23 12:16 更新:2015/12/10 02:50
 法体系の違憲性、条文の欠陥に加え、採決手続きの無効性が指摘されている安全保障関連法の正当性を揺るがす汚点がまた一つ刻まれた。参院特別委員会での採決の強行で「議場騒然、聴取不能」とされていた議事録に「可決すべきものと決定した」とする記述が書き加えられた。聞こえなかった文言が、そこでは存在していたことになっている。参院事務局が説明する「補足」という名の忖度(そんたく)が有無を言わせぬ政治の暴走を物語る。

 参院のホームページに議事録がアップされたのは法成立から1カ月近くがたった今月11日。

 速記録で採決時の状況は「……(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)」と表記されていた。議事録で追記されたものは「本日の本委員会における委員長(鴻池祥肇君)復席後の議事経過は、次のとおりである」と前置きされ、九つの法案の名前を列挙した上で「右九案を議題とし」、さらに二つの法案を挙げて「右両案の質疑を終局した後、いずれも可決すべきものと決定した。なお両案について付帯決議を行った」と書き加えられている。

 止まったままだった速記も「速記を開始し」となっている。新横浜で実施された参院特別委の地方公聴会で公述人を務めた水上貴央弁護士は言う。

 「行われなかったことが、行われたことにされている。聞き取れなかった部分を書き加えるといったレベルではない。事実と異なる記録は、改ざんに他ならない」

 同じく公述人として意見陳述した前日本学術会議会長で専修大の広渡清吾教授は「事実でないことを事実として新たに書いている部分については改ざんですらなく、もはや『ねつ造』」と批判する。

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