絵本に夢と誇りを 登場人物、子どもたち命名

18日から海老名市で販売

絵本の校正刷りを見ながら話し合う高原さん(左)と永井さん

 児童養護施設の子どもたちがキャラクターの名前を付けた新作絵本が、海老名市内の書店で18日から販売される。「自分たちが主人公に命名した」という達成感を自信につなげてもらおうと、施設や図書館などでボランティア活動に携わる市民が企画。出版記念のイベントも開かれる。

 絵本の題名は「てをつなごう」。主人公のいたずらっ子のタヌキとキツネは、仕事にいそしむ大人をよくからかっていたが、大人たちも少年時代は悩み、もがいていたことを知って共感する-という物語だ。

 手がけたのは、海老名市に住む会社員の高原和樹さん(27)と、藤沢市出身の絵本作家、永井みさえさん(25)。2人は「えほんdeみらい」というユニットをつくり、今年春ごろから県内約30カ所の児童養護施設に連絡し、主人公のタヌキとキツネの「名前募集」を呼び掛けるなど準備を進めてきた。

 きっかけは、高原さんが小中学生に算数などをボランティアで教えている相模原市内の児童養護施設での一幕。学習支援の合間、スポーツ選手やアイドルの活躍ぶりを話題にした子どもたちが「私たちにはなれない」とつぶやくのを耳にした。親の経済的事情や病気に加え、虐待や育児放棄などを理由に施設で暮らす児童もおり、自身の存在をなかなか肯定できない心情が伝わってきたという。

 「子どもたちに誇りを持ってもらえる活動を、本を通じて行おうと思った」。もともと本が好きな高原さんは、地域の図書館ボランティア活動で出会った永井さんに相談し、絵本の自主製作を思いついたという。

 各施設からの応募の末、名前はタヌキが「たろ」、キツネが「きっつ」に決定。それぞれ児童養護施設杜の郷(横浜市泉区)、聖母愛児園(同市中区)の作品だった。高原さんは「自分たちが関わったからこそ完成した絵本があることに自信を持ち、生きづらい世の中でも夢を持ってほしい」と話す。本は県社会福祉協議会を通じて各施設に無償配布される予定だ。

 絵本「てをつなごう」は1620円。海老名駅前の商業施設「ViNAWALK1番館」の三省堂書店で18日から販売する。店内では読み聞かせイベントもある。問い合わせは同店電話046(234)7161。

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