神奈川県警が令状なくサーバー捜査 地検、違法性認める

 神奈川県警が摘発した身分証明書の偽造・販売事件をめぐり、インターネットを経由したメールサーバーを令状なく捜査していたことが、捜査関係者への取材で分かった。事件は横浜地裁で公判中。検察側は捜査の違法性を認めており、捜査で得られた証拠の適否に関する地裁の判断が焦点となっている。 

 県警は2012年9月、偽造身分証の使用に関わった疑いで、販売業者とされる男(43)を逮捕。同年11月に横浜簡裁から検証令状を受け、自宅から押収したパソコンの内部を捜査した。このとき、ネットワークを経由してサービスを提供する「クラウドコンピューティング」という仕組みのメールサーバーにアクセスし、メールのデータを差し押さえたという。

 クラウドのデータは、パソコンなどの端末とネットワークを通じてつながったサーバーに保管されている。検察幹部によると、発付された令状ではデータの差し押さえは認められていなかったほか、許可された捜査範囲もパソコン内部に限られており、サーバーへのアクセスは令状の効力の範囲を越えていた可能性があるという。

 捜査関係者によると、県警はネットワークでつながったサーバーのデータを差し押さえるための令状も逮捕時に取得していたが、効力が切れていた。

 サーバー内への捜査によって得られた証拠は、男の公判で証拠採用されている。弁護側は「違法収集証拠に当たる」と指摘。証拠約100点を裁判から排除するよう求め、男の無罪を主張している。

 横浜地検は今年6月、サーバー内への捜査について「違法と評価され、違法収集証拠として排除される可能性があることを否定しない」とする意見書を提出。一方で、別の捜査で起訴内容は裏付けられたとし、有罪を立証できるとしている。

 事件の捜査に当たった県警サイバー犯罪対策課は「公判中の案件のため、コメントは差し控えたい」としている。

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