時代の正体〈169〉日本会議を追う(上)黙殺の果てに先鋭化|カナロコ|神奈川新聞ニュース

時代の正体〈169〉日本会議を追う(上)黙殺の果てに先鋭化

 戦後70年の8月6日、原爆の惨禍に思いをはせ、平和への誓いを新たにした広島で「反核平和70年の失敗」と題する講演会が開催された。主催は国内最大とされる右派組織・日本会議の地方組織である日本会議広島。これまでも「ヒロシマの平和を疑う」「『ヒロシマの平和』は本当か」などのタイトルで毎年講演会を開いてきた。7回目の今回は副題に「憲法9条は中国軍拡も北の核兵器も止められなかった!」を掲げ、1900人が詰めかけた。何が語られたのか。

 原爆が投下された午前8時15分、鎮魂の鐘が広島平和記念公園に鳴り響く。戦後70年の節目の式典には過去最多となる100カ国から来賓が訪れていた。

 恒例の灯籠流しが始まった夕刻、原爆ドームを見下ろす高層ホテル、リーガロイヤルホテル広島の会場に向かう人々の列があった。

 日本会議広島が主催した講演会。中年男女や若い社会人の男女グループ、大学生の姿もある。チケット代は1800円。壇上に金びょうぶがしつらえられ、大きな日の丸が掲げられている。冒頭、会場を埋めた約1900人が一斉に起立し、君が代が盛大に歌われた。

 日本会議広島会長の松浦雄一郎・広島大名誉教授があいさつに立つ。

 「広島における口先(くちさき)平和論者は、現在の世界の状況を見ず、核廃絶、憲法第9条死守によって広島の平和が守られると繰り返してきた。だが、世界の情勢はますます不安定となり、わが国は軟弱国家としておとしめられている」

 続けて言った。

 「この70年の間、マスコミは総力を上げ、何も知らされていない人たちに真の歴史からかけ離れた大東亜戦争物語を吹き込み、自虐史観を植え込んできた。口先で核廃絶、平和主義を唱えたところで、地球の各所では争いが繰り返され、戦を仕掛ける集団のさがとして強力な武器を持ち、使うということは容易にうなずける」

 そして「憲法改正に向け、私たちは立ち上がらなければならない」と締めくくると、会場は拍手喝采に包まれた。

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