引きこもりや不登校 経験者が支援 |カナロコ|神奈川新聞ニュース

引きこもりや不登校 経験者が支援 

シンポやイベント企画 「私たちをサンプルに」

 引きこもりや不登校を経験した人たちが、自ら声を上げようと「ひきこもりUX会議」を立ち上げた。当事者が語るシンポジウムや同じ境遇の人に向けたイベントなどを企画。活動を通じて引きこもりの後ろめたいイメージを変え、求める支援や多様な生き方があることを訴えている。

 7月10日、UX会議が企画した「ひきこもり×おしゃれカフェ メーク編」がフォーラム南太田(横浜市南区)で開かれた。

 「思いっきり化粧品を塗ってみて」「眉の形がすごくきれい」と参加者に声を掛けていたのは、UX会議の林恭子さん(48)=同区=と恩田夏絵さん(28)=東京都練馬区。

 ともに引きこもりの経験者。かつて引きこもっていたという参加者の女性(29)は「リラックスして和めるイベントだった。同じ経験をした人が参加しているので来やすかった」と笑顔で話した。

 UX会議ができたのは昨年6月。中心メンバーの7人全員が引きこもりや不登校の経験がある。発足のきっかけは、支援者の認識が当事者とずれていると感じたことだった。

 林さんは高校2年、恩田さんは小学校2年のときに不登校になった。その後、自宅に引きこもる。先が見えず、自分が周りの人と違うことに自信をなくして、死にたいと考えたこともあったという。

 一般的に引きこもりの支援は就労へ、不登校の場合は学校に戻すことに重点が置かれることが多い。だが、周囲から見れば同じくくりに映る「引きこもり・不登校」でも、当事者の思いはそれぞれ異なる。林さん自身は、最もつらい時期は「自分の話を否定せずに聞いてくれる人がほしい」と望んでいたという。

 「当事者性がないと、よかれと思っての支援も一方通行になることがある。声を上げないとずれたままだ」。昨秋、当事者が何を考え、求めているかを知らせたいと、引きこもりなどの経験者が語るシンポジウムを開催。支援者や親、当事者ら320人が集まり、意見交換も行った。

 活動を通じ、新しい発見もあった。支援者だけでなく、当事者に対する訴求力だ。林さんも恩田さんも、家に閉じこもっていた時期は将来のことを考えられなかった。だが現在は2人とも結婚し、仕事を持っている。恩田さんは「私たちをサンプルとして見てもらえれば、生きやすくなる人もいるんじゃないかと思う」と話す。

 「ひきこもり×おしゃれカフェ」は10月8、23日にも開催される。問い合わせは、UX会議のブログhttp://blog.livedoor.jp/uxkaigi/

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