日露戦争の軍艦旗返還 横須賀・三笠保存会、展示も検討|カナロコ|神奈川新聞ニュース

日露戦争の軍艦旗返還 横須賀・三笠保存会、展示も検討

三笠保存会に返還された軍艦旗=記念艦三笠

 70年ぶりに主(あるじ)の元へ-。終戦直後の混乱で行方が分からなくなっていた、日露戦争で使われていたとみられる軍艦旗が5日、記念艦三笠(横須賀市稲岡町)を管理する三笠保存会に返還された。米国内で見つけた米海兵隊退役軍人会が来日し、手渡した。保存会の荒川堯一理事長は「返るべき所に返ってきた。昔の大戦でこの旗の下で戦った方々の思いも含め、展示も検討したい」と話した。

 1905(明治38)年、日露戦争の日本海海戦で活躍した旗艦「三笠」は、26(大正15)年から記念艦として同市内で公開されている。

 保存会によると、当時は日露戦争時の艦艇の旗を「記念軍艦旗」として28枚保管していた。しかし、終戦の45年8月15日以降に進駐してきた米軍人らによって、三笠の軍艦旗を除く全てが盗難などで散逸した。

 今回の旗は、進駐後に記念艦を訪れた元米海兵隊の米国人(91)が展示室から持ち去った。本人の証言ではガラスケースを割り、ヒノキの箱に入っていた旗を奪ったという。

 旗(縦約3メートル、横約5メートル)は6種類あった軍艦旗の中で、大きさからみてバルチック艦隊を破った連合艦隊の一員だった戦艦「朝日」の可能性が極めて高いという。

 米海兵隊退役軍人会のビル・ケイラーさん(56)は昨年11月、アリゾナ州に住む元海兵隊の男性と会い、70年にわたり戦利品として所有していた旗を譲り受けた。男性から「あなたに任せる」と託されたという。

 ケイラーさんは、連合国軍の兵士らが持ち帰った旧日本兵の遺留品を遺族に返す運動を続ける米国の非営利組織「OBON会」の協力を得て、旗が本物であるかどうかの調査や三笠保存会への連絡などをしてきた。

 この日、退役軍人ら6人で記念艦三笠を訪れたケイラーさんは保存会の関係者と面会。「戦後70年も消息が分からなかった旗を返すことができたのは意義深い。正しいことをした」とうなずいた。荒川理事長は「これを機に(いまだ消息不明の)他の旗の返還運動が起こってくれれば」と話した。

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