作務衣を海外へ 鎌倉の和服ベンチャー開発、禅愛好者にアピール|カナロコ|神奈川新聞ニュース

作務衣を海外へ 鎌倉の和服ベンチャー開発、禅愛好者にアピール

 僧侶の作業着「作務衣(さむえ)」を海外に広めようと古都鎌倉の和服ベンチャー企業が「ゼンウェア」を開発した。日本の季節感あふれる草木染の生地を取りそろえ、斬新でスタイリッシュなデザインを提案。座禅をベースにした瞑想(めいそう)法が欧米で流行していることから、禅文化とともに愛好者らにアピールする。

 いまの生活スタイルに合った作務衣の普及に挑むのは、2013年に鎌倉市商工業元気アップ事業の認定を受けて開業した「鎌倉三衣(さんね)」(同市山ノ内)。結婚を機に情報技術(IT)企業の経営者から転身した鈴木瞬社長(31)は妻万友美さん(30)とともにオリジナルブランド「鎌倉作務衣堂」を立ち上げた。

 ゼンウェアは、日本の伝統製法で最高級の品質にこだわることで従来品と差別化を図る。天然の草木染を施して日本で古くから伝わる蘇芳(すおう)、鈍(にび)、すくも藍など8色をそろえた。高密度に織られ、薄くて軽い和布という生地を採用。高級ブランドのスーツを手掛ける日本人デザイナーが型をつくり、シルエットを妨げないポケットを設けるなど、斬新なデザインと着心地の良さを追究した。

 欧米では、IT企業が集積する米シリコンバレーなどを中心に座禅をベースにした瞑想法「マインドフルネス」を社員研修に取り入れており、愛好者が増えているという。鈴木さんは「ゼンウェアを着ることで、鎌倉に古くから伝わる禅文化を感じてほしい」と、東慶寺や円覚寺など鎌倉の古刹(こさつ)の住職らとのつながりを生かし、ゼンウェアの購入者向けに国内外での座禅体験会などを計画。IT技術を生かして禅文化を鎌倉から発信することにしている。

 海外展開に向けた資金調達は、中小企業のものづくり支援会社enmono(東京都渋谷区)が運営するクラウドファンディング「zenmono(ゼンモノ)」を活用。出資金額に応じてゼンウェアなどがプレゼントされるほか、10月に開く東慶寺や都内での座禅体験会に参加できる。海外からも出資者を募集しており、期限は8月20日。

 鈴木さんは「作務衣には使いやすくて美しい民芸品に共通する『用の美』がある。日本の伝統技術の素晴らしさを海外で認めてもらい、衰退が進む和服産業を活性化していきたい」と意気込んでいる。

 日本伝統色の「スマートモデル」(S~LLサイズ)上下セットは15万円。ピンクなど5色の人工染料を使った「エントリーモデル」(S~3Lサイズ)上下セットは2万4千円(いずれも税別、男女兼用)。ゼンモノのウェブサイト(外部サイト:http://zenmono.jp/projects/77

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