票数の改ざん、なぜ 相模原市議選・当落逆転問題|カナロコ|神奈川新聞ニュース

票数の改ざん、なぜ 相模原市議選・当落逆転問題

相模原市議選南区選挙区の次点候補からの異議申し出を受け、再点検を行う市選管職員ら =5月20日

 4月の相模原市議選南区選挙区で、次点候補の異議申し出を受けた市選挙管理委員会の再点検により当落が逆転した問題は、同区選管の事務局長(60)ら3人による白票数の改ざん発覚で刑事事件に発展する可能性が出てきた。改ざんは、開票作業の終盤に来て投票数が投票者数を上回ることが分かり、点検のやり直しで開票事務が遅れることを恐れたためとされる。とはいえ有権者への背信行為にまで及んだのは、なぜなのか。



 同区選管の改ざんは、市選管が5月20日に一部の票を再点検した際、無効票のうち白票が8票多いことが確認されたことから、原因調査を進めていた中で発覚した。

 市選管の調査によると、4月の開票作業で市議選の投票数が投票者数を上回ることが分かったのは、疑問票が有効票か無効票かの判定作業も終わり、あとはデータ入力を待つ終盤だった。6票も食い違うことに気づいた区選管の副主幹(53)が事務局長、次長(56)に相談した。

 副主幹は「候補者の得票数に影響のない白票数で調整する方法がある」などと2人に提案し、最終的に事務局長が了承。白票の端数束に付けられた表書きの「91票」を斜線で消し、8票少ない「83票」と書き換えた。

 投票者数は10万2300人。投票数を10万2298票とすることで、差の2票を投票しなかった「持ち帰り票」と偽装した。

 なぜ投票数が投票者数を上回ると問題なのか。

 「票の方が多い事態はまれなケース」と市選管。その場合、投票所で1人に票を2枚渡す二重交付などが考えられるため、3人は市選管の聞き取りに「点検し直して開票事務が混乱し、作業が遅くなるのが心配だった」と釈明したという。

 川崎市選管の元事務局長で市町村職員中央研修所客員教授を務める小島勇人氏は「目先の仕事を早く終えなければという重圧があったと思うが、相当テクニックを習得していないとできない改ざんだ」と切り捨てる。「すんなり白票で済ませようという“文化”があったのではないか。第三者の専門家に検証してもらい、事務の在り方を考えていく必要がある」と指摘する。

 市選管は南区選管の3人を公職選挙法違反(投票増減)の疑いで刑事告発する方針。開票作業の混乱を回避するための軽率な判断は、あまりにも重いものとなった。

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