気象庁「箱根山」名称変更せず 「科学的見地から困難」

 火山活動に伴う風評被害を防ぐため箱根町などが要望していた「箱根山」の名称変更について、気象庁は17日、火山名そのものは見直さない方針を明らかにした。一方で、箱根山全体が危険との誤解を与えないよう、警戒が必要な範囲に関する「火口周辺」との表現を「大涌谷周辺(箱根山)」に変更する。

 気象庁が用いる箱根山は大涌谷を含む東西8キロ、南北12キロのカルデラ火山の総称で、個別の山の名称ではない。大涌谷周辺で地震や噴気などの火山活動が活発化し、気象庁が5段階の噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)に引き上げた5月6日以降、「箱根山」と表記された火山情報や報道が増えた影響で、麓の湯本などでも観光客が減少する風評被害が指摘されていた。

 山口昇士町長や黒岩祐治知事が名称変更を国などに求めていたが、気象庁は「火山性地震は大涌谷に限らずカルデラ内の広い範囲で起きており、科学的見地から困難」と説明。その一方で、レベル2の火口周辺規制で警戒すべき範囲を明確にして住民や観光客に正確な理解を促すため、説明文の中で「大涌谷周辺(箱根山)」との表現を今後使用していくことにした。

 この方針は今月17日に開かれた箱根火山防災協議会コアグループ会議で了承された。箱根町の勝俣正志総務部長は会議の冒頭、「6月に入り、地震の減少や噴気のやや沈静化など明るい兆しもあるが、まだ先を見通せない。レベル4、5の場合に備えたマニュアル作成の作業に着手しており、できるだけ早期にまとめられるようにしたい」と述べた。

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