タイに「レンタル工場」 中小企業支援で川崎市

覚書に調印し、握手を交わす川崎市の福田市長(右から2人目)と、タイ現地企業のワランユー代表取締役(同3人目)=同市役所

 川崎市は、タイの首都バンコク近郊の工業団地内に、「レンタル工場」を集めたエリア「川崎パトンタニ・インダストリアルパーク(KPIP、2万8800平方メートル)」を新設した。海外進出を目指す市内中小企業の生産拠点として、今後入居を促す。バンコク中心部に近いため、労働力確保などの面でメリットがあり、運営する現地企業は「皆さんの仲間としてタイでの進出を手伝いたい」と期待を込めている。

 8日、同市役所で行われた覚書の調印式で、福田紀彦市長は「立地やビジネス環境が優れた場所に川崎の進出拠点を設けられ、市内企業も喜ぶと思う」とあいさつ。工業団地とパークを運営する「パトンタニ・インダストリアル・プロモーション」のワランユー代表取締役は日本語で、「病院や学校も整っており、駐在員が安心して住める」と企業誘致に期待を寄せた。

 パークを整備した「チュムヌムサップ工業団地」は、バンコク中心部から北に約40キロの位置にあり、車で45分ほど。約50万平方メートルの広大な敷地に、オートバイ部品メーカー「ヨシムラジャパン」(愛川町)など、県内を含む多くの日系企業が進出している。福田市長や山田長満川崎商工会議所会頭らが昨年11月に訪問したのを機に交流が深まり、開設に至った。

 レンタル工場は、独立したユニットが八つ並ぶタイプ(各1128平方メートル)と、二つの長屋に3ユニットずつが入るタイプ(1ユニット833平方メートル)の2種類。現在建設中で、10月ごろから入居が可能になる。家賃は1平方メートル当たり月額200~220バーツ(1バーツ=約3・7円)。

 ワランユー氏によると、団地内にはグループ企業の発電所があり、電力が安い上に安定的。大学も近く、高学歴労働者の確保も見込めるほか、高台にあることから、2011年の大洪水の際も水没せず、被害も最小限だったという。

 海外の工業団地内にレンタル工場を開設する取り組みは、東京都大田区がバンコクの別の団地で行っているが、川崎市としては初めて。現在タイに進出している市内企業は約30社。市は「今後も市内企業に積極的に売り込むなどし、進出をサポートしたい」としている。

COMMENTS

facebook コメントの表示/非表示

PR