折り紙でおもてなし 箱根・桃源台窓口の女性奮闘|カナロコ|神奈川新聞ニュース

折り紙でおもてなし 箱根・桃源台窓口の女性奮闘

折り紙の手裏剣でおもてなしの気持ちを示している今村さん=箱根町元箱根の桃源台ターミナル

 噴火警戒レベル2(火口周辺規制)への引き上げで全線運休している箱根ロープウェイの駅のほか、箱根海賊船やバスなどの拠点がある桃源台ターミナル(箱根町元箱根)で、外国人観光客に折り紙の手裏剣を贈り続けている女性がいる。案内所窓口に勤務する町観光協会職員の今村真理子さん(50)。立ち入り規制の続く大涌谷以外の名所も紹介し、「日本や箱根のいい思い出を少しでも多く持ち帰ってほしい」と思いを込めている。

 今村さんは箱根登山バスや箱根ロープウェイに長年勤務し、今春から桃源台の窓口で働き始めた。それから1カ月もたたないうちに、火山活動が活発化した。

 「黒たまごはないのか」「ロープウエーに乗れないなんて」。大涌谷の立ち入り規制範囲が拡大した5月6日以降、不満を口にする外国人旅行者を目の当たりにしてきた。「何か自分にできることはないだろうか」と心を痛めていた。

 5月中旬、小学生の孫が偶然、ポケットから折り紙の手裏剣を取り出し、楽しそうに遊び始めた。「これだ」。雑貨店を何軒も訪ねて山の絵柄が入った折り紙を買い求め、自分で折った手裏剣を窓口に並べてみたところ注目を浴びた。子どもだけでなく、団体客の大人も「折り紙だ」「忍者の手裏剣だ」などとはしゃいでいたという。

 以来、休憩や帰宅後の時間を使い、毎日約50個の手裏剣を折り続ける。空いた時間にすぐ折れるよう、折り紙をケースに入れて持ち歩いている。

 規制直後は閑散としていた構内にも少しずつ、にぎわいと観光客の笑顔が戻ってきている。その光景に顔をほころばせる今村さん。「ロープウエーが復旧した後も、ずっと続けたいですね。手作りは大変ですが、気持ちが伝わりますから。箱根に来てくれてありがとう、って」

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