1. 横浜FC

      横浜FC:山口監督退任へ 選手成長に「楽しさ」

       横浜FCの山口監督は選手の手で3度宙に舞った。「いい経験をさせてもらったけど、本音はもうちょっとやりたかったかな」。三ツ沢の夜空を見上げ、名残惜しそうにピッチを去った。  「あまりに突然だった」という2012年シーズン途中の就任から2年8カ月。パスを主体に主導権を握るスタイルを模索したが、毎年大幅に選手が入れ替わる中、チームづくりは難航した。就任1年目こそ4位でJ1昇格プレーオフに進出したが、以降も昇格のハードルは高かった。  ここ三ツ沢への思い入れは強い。事実上消滅した横浜フリューゲルスでプレーし、07年に横浜FCで現役を引退。それだけに「もう少し勝ちたかった」と悔いる。ただ、手塩にかけた選手の成長を目の当たりにし、「これが楽しさかと感じた」と指導者としての面白さも味わった。  今後も指導者としての道を進むつもりだが来季は未定。「なるようにしかならない。職を与えてください」。最後は笑顔で会見場を後にした。

    2. 政治・行政

      野党「なぜ今」「大義ない」 与党側 批判を一蹴

       21日に衆院が解散され、立候補予定者たちは事実上の選挙戦に走りだしたものの、野党からは「なぜ今なのか」「大義がない」との批判が根強い。県内の与党立候補予定者は「アベノミクスの継続が問われる選挙」「時期を変更して増税をお願いする以上、信を問うのはむしろ当然」と、そうした指摘を一蹴する。  22日夜、県西部で開かれた国政報告会でベテランの自民前職は「なんでいま選挙だという声もある」と自ら切り出した。「(解散せずにいると)消費税の引き上げ(2017年4月)は、2年後の任期満了の後になる。引き上げると言ってもその時は(自分たちの)任期ではないということになってしまう」とし、いま民意を問う意義を説明。80人の支持者から質問はなかった。  県央地区の前職は23日、事務所を開いた。支持者からは突然の選挙に戸惑いの声も漏れる中、「野党やマスコミが失敗と批判するアベノミクスの継続が問われる選挙。景気を回復させ、地方を創生するのがテーマだ」と語気を強めた。  同日、湘南エリアで開かれた地域行事に出席した前職も「アベノミクスを進めるのかやめるのか。株価は倍になった。雇用も増えた。さらに岩盤規制をぶち抜いて規制緩和してさらなる成長を進める。われわれが進める道を進むのか確認したい。それが十分な大義だ。有権者から大義を問われることもない」と野党の批判を一蹴した。  勇ましい主張があふれる一方、与党内には冷めた見方もある。解散当日、若手前職は恒例の万歳三唱もしなかった。「国民の中に(衆院解散が)なぜ今なのか、今じゃないでしょ、という声があることを謙虚に受け止める。白か黒かの選挙ではない。今回は甘くない」と述べた。  共同通信社が19、20日に実施した全国電話世論調査では、首相の解散表明について「理解できない」との回答は63・1%で、「理解できる」の30・5%の倍以上だった。

    3. 政治・行政

      大磯町長選 25日告示、30日投開票 現新一騎打ちか

       任期満了に伴う大磯町長選は25日、告示される。立候補を予定しているのは出馬表明順に、現職の中崎久雄氏(72)と、新人で元町教育委員長の曽根田真二氏(66)の2人。30日に投開票される。  中崎氏は、町が発展していくために継続したまちづくりが必要だとした上で、町民の健康寿命を延ばす事業の推進などをアピールしている。  曽根田氏は、観光日本一を目指す現町政を批判。小中学校の修学旅行費用の全額公費負担など、義務教育にかかる保護者負担の軽減を掲げている。  9月2日現在の有権者数は2万7606人(男1万3412人、女1万4194人)。 

    4. 横浜FC

      横浜FC:今季11位 指揮官へ別れの一発

       J2最終節は23日、ニッパツ三ツ沢球技場などで11試合が行われ、J1昇格と優勝を決めている湘南は3-2で大分に勝ち、勝ち点を101に伸ばした。横浜FCは1-0で北九州に勝利し、ホーム白星で今季最終戦を飾った。 ◇  横浜FCが総力戦を制した。試合は複数の主力を欠く中で終始押し込まれたが、最後まで集中力が切れなかった。「粘り強く、タフなプレーを表現してくれてうれしかった」。選手の思いを受け取った、今季限りで退任する山口監督の目には涙がにじんだ。  「3年間お世話になった監督。期待に応えたかった」(MF佐藤)。そんな気持ちは後半12分に結実した。右CKをニアサイドでFW黒津が頭で左にそらすと、佐藤が体を投げ出し、右足で執念の一撃をねじ込んだ。イレブンは次々とベンチの指揮官のもとに向かい、歓喜に酔った。  前々節の岡山戦でプレーオフ進出を逃し、最終成績は14勝13分け15敗の11位。ただ、低迷の責任を監督だけに押しつけるのは乱暴すぎる。  29選手のうち、新戦力が約半数の14人。3年目の指揮官は追い求めるサッカーを浸透させるのに苦労し、シーズン序盤の失速を招いた。  その新戦力も期待に応えたとは言い難い。2人の外国人ストライカーは合わせて4得点。全体のシュート数はリーグで2番目に少ない377本と前線の迫力不足は明らかで、今季の総得点は決定力不足に泣いた昨季と同じ49得点だった。  補強や選手起用をめぐって指揮官とクラブの間には確執もあったという。「(現場以外が)起用に意見するようでは強くはなれない」。ある中堅選手は苦言を呈する。  試合後のセレモニーで北川社長のあいさつは、サポーターのブーイングにかき消された。「クラブ、サポーターも一体感を持って戦わないといけない」。山口監督の最後のメッセージを重く受け止め、出直しを図らないといけない。

    5. イベント

      ロボット満喫して 24日まで相模原で催し

       子どもたちにロボットの魅力をPRする「青少年のためのロボフェスタ2014」が23日、相模原市南区文京の県立神奈川総合産業高校で始まった。100台近いロボットが展示され、大勢の家族連れでにぎわっている。24日まで。  フェスタは「さがみロボット産業特区」を進める県の主催で昨年に続き2回目。企業、大学など44団体が参加している。23日は中央大学の探査ロボットや、明治大学の放射線測定ロボットが会場でデモンストレーション。歩行困難の人の歩行を助けるロボットスーツの操作体験や、土俵上のロボットによる相撲ゲームが楽しめるコーナーも設けられた。座間市から訪れた小学校3年生の男児(9)は「惑星探査ロボットがすごかった。将来はロボットを開発する仕事に就きたい」と話していた。  24日は午前10時から午後3時まで。入場無料。問い合わせは県立青少年センター電話045(263)4470。

    6. SPORTS

      一堂に会し技術磨く 審判講習会に79人参加 県野球協議会

       県野球協議会審判委員会(後藤忠良委員長)の第3回合同審判講習会が23日、厚木市の神奈川工大KAITスタジアムで開かれた。学童とリトルシニア、大学、社会人など県内8団体が一堂に会して79人の審判員が参加し、判定の動作や統一基準などを確認しながら交流を深めた。  講師を務めたのは、全日本野球協会日本アマチュア野球規則委員会の麻生紘二委員長ら9人。参加者は4班に分かれ、ゲーム形式で走者や打球方向に応じた動き、判定時の位置取りとジェスチャー、声の出し方などを確認した。  参加した県学童部の瀬戸浩太朗さん(24)は「走者に打球が当たった際の判定など、イレギュラーなプレーの確認ができて良かった」と話した。麻生委員長は「団体の枠を超えた講習は画期的。年々レベルの向上を感じる」と語った。

    7. カルチャー

      アートで元気つなごう 絵画展など多彩に/南足柄

       みんなの元気をアートでつなごうという第4回「あしがらアートの森~みんなつながっ展」が、南足柄市内山の旧北足柄中学校で開かれた。16、22、23日の3日間で延べ約1500人の参加者が絵画展や絞り染め、消しゴムはんこ作りなどワークショップで思い思いに楽しんだ。  同実行委員会(中野裕一代表)の主催。体育館には、企画展として足柄上、下地域2市8町の子どもの絵画から選んだ1183点と公募展の103点の計1286点がずらりと並んだ。中には親子3人で共同制作した畳1畳ほどの人物像もあり、来訪者の目を引いていた。  小田原市飯泉から家族4人で来た男性(33)は「幼稚園児の作品も色の使い分けなどが上手」と感心していた。  また教室を利用して、絵付けや陶芸、ステンドグラス、リース作りなどのワークショップが開かれた。給食室では「森のレストラン」が開店し弁当やパン、豚汁などが、校庭では地場野菜などが販売された。  同中学校は2010年3月に閉校、11年から「あしがらアートの森」が始まった。

    8. カルチャー

      匠の技 功績たたえる 藤沢市、3部門105人を表彰

       伝統の技を継承する職人の功績をたたえようと、第41回藤沢市技能者表彰式が23日、同市内で開かれた。勤労感謝の日に行われる恒例行事で、本年度は3部門で計105人(前年度比13人増)が受賞した。  3部門の内訳は、技能功労者(年齢60歳以上、従事歴30年以上)37人、優秀中堅技能者(40歳以上、20年以上)47人、優秀青年技能者(40歳未満、10年以上)21人。2回の選考委員会を経て選ばれた。  表彰式で、一人一人に表彰状と記念品を手渡した鈴木恒夫市長は「皆さんと一緒に、元気都市藤沢、郷土愛あふれる藤沢をつくっていきたい」と祝福。その後、祝いの木遣(きや)りも披露された。  配管工の菅野純一さんは受賞者を代表し、「技能の向上はもとより、後継者育成に全力を傾け、市民生活の向上に寄与したい」と謝辞を述べた。

    9. LIFE

      森づくり 福祉施設連携で 植樹祭に250人/横須賀

       福祉施設の連携で森づくりに取り組んでいる障害者グループ「どんぐりブラザーズ」などによる植樹祭が23日、横須賀市の湘南国際村で開かれた。社会福祉法人進和学園(平塚市)とテレビ神奈川が主催。県内6施設約80人の障害者とボランティアら計約250人が、宮脇昭・横浜国大名誉教授の指導を受けて、タブノキ、シラカシなど23種類千本の植樹を行った。  どんぐりブラザーズは、進和学園を中心に湘南の凪(逗子市)、県央福祉会(大和市)、時ノ寿の森クラブ(静岡県掛川市)など県内外10施設の障害者で構成。宮脇名誉教授の指導を受け、ドングリ拾いから育苗、販売、植樹、育樹を行っている。県内のブラザーズのほとんどが集まったのは今回が初めて。  メンバーとボランティアらは、宮脇名誉教授の熱の入った講演、指導を聞いた後、湘南国際村に残っている開発跡地に苗を植えていった。植樹には初参加という湘南の凪利用者の男性(33)は「植えるにはこつが必要で思った以上に大変だった。自分にとっても良いことをした」と満足げな様子だった。

    10. LIFE

      秋惜しみ舞うイチョウ 横浜・保土ケ谷公園で

       横浜市保土ケ谷区の県立保土ケ谷公園のイチョウ並木が色づき、見ごろを迎えている。  暖かな日差しにつつまれた「小春日和」の23日、横浜の最高気温は19・2度と10月下旬並み(横浜地方気象台調べ)に。親子連れや散策者らが行き交う“黄色の坂道”では、過ぎゆく秋を惜しむかのように、時折強く吹く風を受けたイチョウの葉が、ひらひらと舞い落ちていた。

    11. 子育て・教育

      一張羅 すてきでショー? 子ども28人モデル気分/川崎

       川崎市内の子どもたちが、お気に入りの衣装を身に着けて舞台へ上がる「ジュニア ファッションショー」が23日、同市中原区の中原市民館で開かれた。地元のNPO法人「きもの文化歴史風俗研究会」などの主催で、生後11カ月から13歳までの男女28人が参加。ステージ上でモデル気分を味わいながら、来場者の目を楽しませた。  同研究会が開いた普及イベント「きもの文化活動 歴史へのご招待」の一環。子どもに自由な発想で衣装を選択、披露してもらい、衣服への関心を高めてもらう試みで、初開催のことしは同区の市民提案型事業にも選定された。  ステージ上には、母から譲り受けたという色鮮やかな着物や、ドレスを身に着けた「ちびっこモデル」が次々と登場。着ぐるみが愛らしい幼児や、空手の道着姿で形を披露する男児も出演し、会場を沸かせていた。  祖母から3代受け継がれる晴れ着でステージに立った、同市幸区の女児(6)は、「かわいいけれど少し暑い。おばあちゃんからもらった髪飾りが気に入っている」と話していた。

    12. LIFE

      横須賀で6千人が快走 「海見て故郷思い」福島の招待選手

       横須賀市の東京湾沿いを走る毎年恒例の「よこすかシーサイドマラソン」が23日、市内で行われた。東京電力福島第1原発事故の影響で全町避難を余儀なくされている福島県大熊町の招待選手を含む約6千人が汗を流した。  横須賀青年会議所と市陸上競技協会の主催で、39回目。コースは新港町-観音崎大橋間で、ハーフ、10キロ、3キロなど4種目別に健脚を競った。過去3大会で実施してきた「チャリティーラン」は、大会参加費とは別に寄付(千円)を募集し、福島県の選手の招待費などに充てる仕組み。今回は約800人が賛同し、主に福島県会津若松市に避難している大熊町民約30人を招いた。  故郷の大熊町から茨城県ひたちなか市に避難している同原発作業員の男性(42)はハーフに挑戦。「海を見ながら、大熊町のことを考えながら走った。(招待の)ゼッケンを着けていたので、『大熊町頑張れ』とか声を掛けてもらってよかった」  福島市へ避難している女子学生(18)は中学、高校と陸上部に所属してきた。事故後は一時、放射能の影響で外で走れないこともあったといい、「楽しく走れた」と笑顔を見せていた。

    13. LIFE

      国民同士理解深めて 留学生らが日本語でスピーチ/横浜

       日本で学ぶ留学生が、異国で感じたことや母国の文化などを語る第10回日本語スピーチ大会が23日、横浜市神奈川区のかながわ県民センターで開かれた。NPO法人留学生と語り合う会が主催し、アジア各国の7人が熱弁をふるって市民らと交流を深めた。  中国出身の李博決さん(横浜国大大学院)は尖閣問題があった2012年を振り返り、日本の友人から「中国は何であんなことをやるんだ」と問われたときに、「冗談を言ってごまかすしかなかった」と打ち明けた。その上で、「国民同士の理解が深まれば国の関係も良くなると信じている。そのために今は日本人に中国語を教えたり、中国文化を伝える活動に取り組んでいる」と述べた。  ベトナム出身のダン・ハイニュさん(関東学院大)は、最初は両親に反対されながらも「ベトナムと日本の懸け橋になりたい」と留学したといい、「夢の実現には時間がかかるが、周りの人の励ましで乗り越えてきた。皆さんも留学生を見たら応援してほしい」と呼び掛けた。インドネシア出身のレディシア・サンデラさん(フェリス女学院大)はバリ島の正月について、「新しい年を良くするために、自分自身を反省し、家族と話し合う日」などと説明していた。  同会の深水智明理事長は「各国の留学生と交流できる貴重な場。これからも続けていきたい」と話していた。

    14. LIFE

      60代女性の活動応援 横浜で12月3日に「ロクマル」協会が設立

       地域情報紙の発行とコミュニティースペース運営を手掛ける「みんなのキッチン」(横浜市都筑区)は12月3日、「ロクマルサミット2014」を同区で開催する。各界で活躍する60代を中心とした女性たちが、リレートークを行う。  みんなのキッチンは60代女性を「ロクマル」と命名。その可能性と元気を発信しようと、さまざまな活動を行う人のトークショーや体験会などを定期的に開催してきた。  今回のトークに登場するのは、60歳になったのを機に、母国スリランカの女性を支援するプロジェクトを立ち上げたスヴェンドリニ角地さん、鎌倉で大根の創作料理店「福来鳥」を経営するさとうエダさんら6人。  また当日は、10月に発足した「日本ロクマルガールズ協会」(横浜市都筑区)の発足式も開かれる。60代女性の働き方や地域活動を応援するとした設立趣旨などを紹介する。  同協会理事長の有澤つあ子さんは「経験や知識を生かして地域へ恩返しするという考えをベースに、ロクマル世代の働き方や生き方を発信し、学べる環境を広げていきたい」と話している。  サミットは午前10時半から。参加費3千円(昼食費込み)。問い合わせは同編集部電話045(944)1714(平日午前10時から午後6時まで)。

    1. イベント

      「郵便の父」功績知って 没後95年記念して前島密ポスト設置

       「日本郵便の父」として知られる前島密の胸像を設置したポストが22日、横須賀市芦名2丁目の浄楽寺山門にお目見えした。没後95年記念として、郵便局退職者らでつくる「日本文明の一大恩人前島密翁を称える会」が企画し、日本郵便南関東支社、同寺などの協力で実現した。  ポスト部分は石材で造られ、高さ約120センチ、幅約60センチ、奥行き約65センチ。その上部にブロンズ製の胸像が置かれている。隣に功績をたたえる石碑も並べた。  この日の除幕式には、同会の関係者ら約60人が参加。出席者が郵便物を投函する様子も見られた。同会の吉崎庄司会長(85)は「約10年前からの構想だった。やっと念願がかなった。功績を知る機会にもしていただきたい」と話していた。  前島密はその肖像が1円切手にも用いられている。1835年、現在の新潟県上越市生まれ。郵便制度を築き、新聞事業の育成などでも功績を残した。晩年は横須賀市芦名で暮らし、1919年に生涯に幕を下ろした。同寺に墓があることが縁で山門への設置が決まった。

    2. 政治・行政

      14神奈川衆院選:「神奈川はガチンコ」 民主と維新の調整土壇場で決裂

       衆院選で自公政権に対抗するため、水面下で模索されてきた野党間の候補者調整。とりわけ、第1党の民主、第2党の維新両党間の候補一本化の成否は、選挙戦全体の帰趨(きすう)を決めかねないとして、解散直前までぎりぎりの神経戦が繰り広げられた。ふたを開けてみれば、全国では一定の調整が進むものの、神奈川では解散日の公認発表で2選挙区が新たに競合。幹部同士の調整は土壇場で決裂し、“ハードパンチ”の応酬劇となった。  「神奈川はガチンコだ。話にならない」。21日昼、衆院解散の本会議に向かう維新・江田憲司共同代表はぶぜんとした表情でそう言い、早足で歩を進めた。  解散後、記者団に民主との候補者調整を問われた際も、「あくまで維新として、独自の戦いをしていく」。数日前、「民主とは政策的にかなり近づいてきている。野党連携を考えないといけない」としていた語り口からは一変していた。  念頭に、地元・神奈川の「遺恨」があったのは間違いない。ポイントは6区(横浜市保土ケ谷、旭区)だ。6区は維新が県総支部代表の前職青柳陽一郎氏の再選に向け、「必勝区」と位置付けていた地。そこに民主は21日、それまで横浜市内の別の選挙区で活動していた元職の三村和也氏を国替えまでさせて、ぶつけた。  解散前日まで、通産官僚時代の先輩後輩で旧知の仲の江田氏と民主・岡田克也代表代行が水面下で続けてきた「民維交渉」が、神奈川では決裂したことを物語る象徴区となった。  青柳氏は「一瞬でも候補者調整を考えた自分を恥じたい。選挙前に突然出てきた候補に負けるようなら、この2年間、何をやってきたのかということになる」と対決モード。三村氏も「3歳から社会人になるまで育ってきた地元で、党の強い支持がある選挙区。重要な場所を任された」と、不退転の決意だ。  維新も応戦した。狙いを定めたのは、民主が新人の中谷一馬氏の擁立を決めていた7区(同市港北、都筑区)。21日に新人の豊田有希氏をぶつけた。この結果、7区は自民前職に対し、民主、維新、次世代、共産、無所属候補が乱立する大混戦の構図に。次世代・前職の松田学氏は「これでは自民党を利するだけ」と野党候補の乱立に苦言を呈する。  「水面下でいろいろ努力したが、最終的には別の党。さまざまな検討の結果ということにとどめたい」。民主の枝野幸男幹事長は21日、神奈川での調整の不調についてそう述べ、壮絶な舞台裏は明かさなかった。ただ、維新側は「統一地方選にも影響する」と、遺恨は根深そう。  野党の“つぶし合い”を横目に、ある与党陣営は「野党の状況がどうなろうと、戦い方は変わらない」と平静を装いつつも、「共産を除く野党候補が一本化されたら厳しいと思っていたよ」と、にんまりした。

    3. カルチャー

      女子大生の寄席が人気 豪快な落語で笑顔に

       小柄な外見に似つかわしくない豪快な落語-。地域のお年寄りたちの間で話題になっている女子大生が相模原にいる。桜美林大学(東京都町田市)3年生の小林千華さん(21)は2月、全日本学生落語選手権「策伝大賞」で320人のエントリー中、ベスト8入りを果たした実力の持ち主で、地元でのボランティア寄席もこなす。「多くの人を笑わせたい」。その一心で今日も稽古に励む。  「おまえの友達の天ぷら屋の竹さんが、昨夜泥棒に殺された」。古典落語「新聞記事」の一節。身長147センチの小柄な体に似つかわしくない太い声が会場に響く。  先月、相模原市中央区で高齢者向けに開かれた「振り込め詐欺撲滅大会」での防犯寄席。堂々とした姿と軽快な話術に、客席からは「上手だね」とため息が漏れた。  落語研究部員として、大学周辺の町田市や生まれ育った相模原市のイベントに年20回ほど参加する。その実力は話題に上り、今では「ぜひ小林さんに」と指名を受けるほどだ。  「普段はおっとりした性格。高座では別人になれるんです」。笑顔でそう語る小林さんが落語に出合ったのは、大学1年生のとき。「何か変わったことがしたい」と思い、落研に入った。  2学年上の女性の先輩が披露した落語を見て、その魅力にはまった。「男言葉で大声を出して、表情を豊かにするため顔を崩していて…。いい意味で女を捨てている姿がかっこよかった」。以来、先輩を目標に研さんを積んだ。  ボランティア寄席には、いろいろな人がいる。だから毎回大切にしているのは、客席とのコミュニケーションだ。  障害者施設で公演をしたときは、日頃から落語に親しむお年寄りと違い、無反応な会場に戸惑った。  ここで「内容で笑ってもらえないなら、体で表現しよう」と思いつき、犬がほえるシーンでは「アゥ、アゥ」といつもより大げさにほえた。  「あ、犬だ」  会場から笑いが生まれた。公演後、障害者に興味を持ち、相模原市内の障害者施設でアルバイトを始めた。「落語が縁で私の世界も広がりました」  現在3年生だが、卒業後はプロを目指してはいない。「でも、地域での活動など何らかの形で続けていきたい」。客席とのコミュニケーションを楽しみながら。

    4. 社会

      「生活道路守って」 事故の生見尾踏切、歩道橋計画で意見交換会

       横浜市鶴見区のJR生見尾(うみお)踏切で昨年8月に起きた死亡事故を受け、踏切を廃止しバリアフリー型歩道橋を新設する市の計画を踏まえた意見交換会が22日、同区生麦4丁目の生麦地区センターで開かれた。計画にある踏切廃止をめぐっては、近隣の2商店会から「生活道路が分断される」と反対する陳情書が林文子市長宛てに提出されており、市は検討状況をあらためて住民に説明した。  市が8月に発表した概略設計によると、踏切を廃止し、その上に長さ約60メートル、幅約6メートルの歩道橋を架け、京急線生麦駅に直結した既存の歩道橋とつなげる。歩道橋は両端にエレベーターが1基ずつ設けられるなどバリアフリー化する。9月には、歩道橋に屋根を設置する案も提示されている。  意見交換会では、市の担当者がスクリーンにこれまで検討された計11案の図面を映し、用地買収などの必要がない現計画が適していると強調。さらに現計画の概略設計について階段の傾斜度や、予想される交通量、踏切を廃止した際の迂回(うかい)路などの説明を行った。  これに対し、住民からは、南北をつなぐ道路が遮断されてしまう状況から、「踏切を存続し、生活道路を守ってほしい」との声があらためて相次いだ。  市は意見交換会での住民意見を受け、来年にも同様の意見交換会を開く予定で、踏切の安全対策について検討を重ねていくとしている。

    1. 政治・行政

      大義なき解散<3>「1票の格差」また放置

       「住所による差別」が放置されている、と憤る。  前回2012年の衆院選でいえば、神奈川10区に住む人の投票権は高知3区の人の0・41票分しかない。  「そうして選ばれた国会議員によって国政が決められる。つまり多数決の原則が否定されている。これでは民主主義国家ではない」  弁護士の升永英俊さん(72)が語気を強めた。  「1票の格差などというのんびりしたレベルの話ではない。1票の住所差別だ」  その「差別」が置き去りにされたまま、総選挙の幕が再び切って落とされた。2年前の違憲状態の選挙制度で当選し、正統性が問われている安倍晋三首相によって、である。 ■民主主義国家 人口比例選挙の実現を目指す「一人一票実現国民会議」の共同代表。  億単位の私財を投じ、全国紙に意見広告を打ってきた。その数、100回超。資金の半分以上を負担する。12年9月8日の朝日新聞にはこうある。  〈例えて言えば、国会議員は、(いわば、主権者からの白紙委任状を手に持って…全国民を代表して、国会で、国家権力の行使についての多数決を決めるための投票を行う)「特別な代理人」でしかない〉  〈各国会議員は、国会で等価値の投票権を有する以上、主権者からの国会議員への委任状の数は、同一でなければならない。即ち、国会議員が、同数の『登録有権者数』から選ばれるような選挙区割り(即ち、人口比例選挙)が、必須である〉  衆議院については3倍、参議院については6倍を基準に、それを超えたら「違憲状態」であるという不文律の下、最高裁判決は下され続けてきた。そして国会議員は自らが当選した選挙制度の抜本改正に踏み切ろうとしない。  「こんな不条理があっていいのだろうか。ある県の選挙区では20万票で当選し、別の県の選挙区では40万票の獲得で当選する。倍の差があっても、同じ国会議員として1票を投じ、国政は決せられる。これでは国民が主権者とはなりえない」  六本木ヒルズに構えたオフィスの執務室で諭すように升永さんが語り続ける。  「これは主権者意識を徐々に高めて不平等さに気付いてもらう、といった啓発運動ではない。実現しようとしているのは国民が権力者であるというルール。市民社会の実現といっていい。日本は有史以来、国民が主権を握るということはなかった。目指しているのは民主主義国家の誕生だ」  意見広告には「一人一票に反対の最高裁判事に不支持票(×印)を投票して」と記載する。最高裁裁判官の国民審査。対象の裁判官のうち1票の格差を合憲とする最高裁裁判官を名指しし、「×」を付けるよう呼び掛ける。  憲法79条は投票者の過半数が不信任なら罷免されると規定する。  効果はあった。09年総選挙での国民審査では、名指しされた2人には他の7人と比べて全国平均で約1・18倍、神奈川では1・39倍の不信任票が集まった。  国民審査に注目したのはそれが1人1票の参政権だと気付いたからだった。「この運動が『裁判官へのプレッシャー』や『脅し』になるとは思っていない。一気に罷免を目指している。それが民主主義。有効投票数の半数、おおよそ3千万票の不信任を集めれば罷免できる。そうすれば世の中は変わる」 ■動き始めた山 その名が一躍知られるようになったのは、青色発光ダイオード(LED)の発明でノーベル物理学賞の受賞が決まった中村修二さんの訴訟でだった。当時中村さんが勤めていた会社を訴え、発明の対価として200億円の支払いを認めさせた。「すご腕」と評されるゆえんだ。  知的財産や税務をめぐる訴訟で巨額の支払いを命じる判決を数々勝ち取り、01年には高額納税者番付に弁護士最上位として名を連ねた。  語る「民主主義国家の誕生」が熱を帯びてゆく。  26日、13年参院選の無効を問う最高裁大法廷判決が下される。このときの1票の格差は4・75倍。かつての不文律でいえば合憲だが、09年以降の判決に照らせば違憲状態になる。さらに踏み込んだ判断もあり得る。  「ポイントは憲法が『人口比例選挙』を求めていると判断するかどうか。最高裁はこれまでこの点に一度も触れていない。国民が初めて主権を手にするかどうか。歴史的出来事になる」  転換点となった09年衆院選を問うた11年の最高裁判決。住んでいる場所による投票価値の不平等に合理性はないとした上で「投票価値の平等の要請にかなう立法措置を講ずる必要がある」とし、いわゆる「違憲状態」だと結論付けた。  12年衆院選を問う13年11月の最高裁判決では、同年6月に法改正した「0増5減」では、47都道府県に1議席ずつを割り当てる「1人別枠方式」の構造的な問題が最終的に解決されているとはいえないとして、再び「違憲状態」だとした。  「動かすことなど不可能だと思われていた山が動き始めた」  繰り返される違憲状態。「状態」として選挙自体の有効性を維持するのは、法改正に必要な期間の猶予を与えるという意味がある。しかし、安倍政権は司法によって「十分ではない」と判断された0増5減から歩を進めようとしなかった。  投開票日翌日の12月15日、全国295選挙区で一斉に提訴に踏み切る。  21日、議員たちが万歳の声を響かせた解散への、それが答えだ。 ◆1票の格差 住んでいる場所によって1票の価値が異なるという問題。2013年参院選の場合、鳥取県選挙区を1票とした場合、相対的に最も価値が低くなったのは北海道の0・21票。神奈川県は0・26票だった。これまで国政選挙翌日に全国各地で一斉に「議員定数不均衡訴訟」が提起され、高裁では「違憲・違法」や「違憲・無効」とする判決が出ているが、最高裁は「違憲状態」としつつ、法改正に必要な期間があるとして選挙自体は「有効」とする判決を出している。 ◇ ●ますなが・ひでとし 1942年東京都出身。東大法学部卒、住友銀行入行。67年同行を退行し、69年司法試験合格。73年東大工学部卒、80年米国ワシントン市司法試験合格、84年ニューヨーク州司法試験合格、91年東京永和法律事務所開設、2008年TMI総合法律事務所パートナー。特許法、技術ライセンス、著作権、税法などが専門。

    2. ペット・動物

      ズーラシアのスマトラトラ 愛称投票受け付け中

       よこはま動物園ズーラシア(横浜市旭区)は22日から、双子のスマトラトラの赤ちゃん(雌)を一般公開する。併せて愛称投票も行う。同園担当者は「愛らしい姿を見に来て、愛称を選んでほしい」と来園を呼びかけている。  同園によると、双子は8月4日、デル(雌、8歳)とガンター(雄、8歳)の間に生まれた。同園で初めて生まれたスマトラトラの赤ちゃんで、デルは初産だったが子育てに熱心で、2匹はすくすくと成長。今では体重12~13キロまで育った。  1匹は活発で、もう1匹はおとなしい性格。今月18日の内覧会では、約400平方メートルの展示場内で互いにじゃれあう姿が見られたという。公開時間は毎日午後2時から同4時まで。  投票は22日から30日まで。「ミンピ(インドネシア語で『夢』)・ダマイ(同『平和』)」、「バハギア(同『幸福』)・チャンティック(同『美しい』)、「イネル(インドネシアの女性の一般的な名前)・アイシャ(同)」の3組から一つを選んでもらう。最も投票の多かったものを愛称にし、その愛称に投票した3人に抽選でぬいぐるみをプレゼントする。

    3. 社会

      元特捜検事、田中森一氏死去

       特捜検事から弁護士に転身し、裏社会の人脈から「闇社会の守護神」とも呼ばれた田中森一(たなか・もりかず)氏が22日、胃がんの治療で入院していた東京都内の病院で死去した。71歳。長崎県出身。葬儀・告別式は未定。  苦学して岡山大在学中に司法試験に合格し、1971年に検事任官。東京、大阪の両地検特捜部で活躍した。容疑者の自供を引き出す「割り屋」と呼ばれ、ロッキード事件以来の政界汚職となった撚糸工連事件を担当した。  弁護士に転身。イトマン事件の許永中・元受刑者や、射殺された山口組の宅見勝最高幹部らと親交を深めた。巨額手形詐欺事件で東京地検特捜部に逮捕された。

    1. 社会

      夢のエンジン完成 排ガス常時回生の新技術 元大学教授の林さんら発表

       元東海大工学部教授の林義正さん(76)=鎌倉市=とエンジン開発のYGK(本社・山形市)は20日、新技術を導入したハイブリッド仕様の新システム(EER)を発表した。排気エネルギーを常時回生するのがポイントで、「排気で捨てているエネルギーを取り出して使う」という、現行製品と一線を画す高効率駆動システムが完成した。  一般的なハイブリッドエンジンは、ブレーキをかけた減速時などに発電し、一時バッテリーにためた電気を低速走行時などに使う仕組み。一方、EERは独自に設置した排気タービン、減速機、発電機を用い、排出ガスに含まれる「熱、圧力などの排気損失」(林さん)を回収し、発電に利用して動力に戻す。  走行中は常に発電しながらエンジンをアシスト。1リットル当たり10~20%の燃料効率アップ、さらなる改善で最大40%アップを見込んでいる。例えば、ガソリンエンジンに取り付ければ燃費が1~4割改善し、従来のハイブリッド車に付ければさらに効果を発揮するという。現在各メーカーが製造している車に取り付けられる。  YGKの最高技術顧問として開発に携わった林さんは2008年、東海大工学部のプロジェクトで、自動車レースのルマン24時間耐久レースに世界初となる学生主体のチームで出場。レース用ハイブリッドエンジンの研究を重ね、09年には今回のベースとなる新技術の構想を発表した。  この日、YGKは東京都大田区の産業プラザで試作車を披露。同社の山崎正弘社長は「このシステムは、自動車だけでなく、産業用機械、発電機、ポンプなど多岐にわたり応用できる可能性がある」と展望を描く。開発には東海大OBや学生らも参加しており、林さんは「皆の夢を乗せたエンジンができた」と感慨深げに話した。  世界市場を視野に入れ、米国と欧州で特許を取得済み。ルマン耐久レースを主催するACO(フランス西部自動車クラブ)はすでに、レースに出場可能な新ハイブリッド車として認めている。  今後は耐久性の実証や独自システムのPRを続け、一般車両での実用化を目指す。

    2. イベント

      迫力、全長6.7メートル模型 ダイオウイカ特徴紹介 22日から油壺マリンパーク

       京急油壺マリンパーク(三浦市三崎町小網代)で22日から、特別企画展「イカの神秘を探る!」が開かれる。3月に横須賀市沖の東京湾で捕獲されたダイオウイカの内臓類や、全長6・7メートルの模型などを展示している。終了時期は未定だが、年内は展示している。  同パークは8月にダイオウイカの学術解剖を行い、9月から高さ2メートルの水槽で公開していた。来館者に好評だったことから、さらに内容を充実させ、理解を深めてもらう狙い。  特別企画展では、学術解剖で摘出した肝臓や眼球、イカの口にあたる「カラストンビ」などのホルマリン漬けを新たに公開するほか、国立科学博物館から借りた模型、イカの特徴や分布などについて解説したパネルも展示する。同パーク担当者は「模型は大きく、迫力があり、内臓類もなかなか見る機会がない貴重なもの」と話している。  年内無休。入園料は大人1700円、中学生1300円、小学生850円など。問い合わせは同パーク電話046(880)0152。

    3. 社会

      安倍政治を問う〈1〉「かじ取り 国民の手に」 弁護士・太田啓子さん

       世論の反発を受けながら安倍晋三政権が押し切った、特定秘密保護法の制定と集団的自衛権の行使容認。  「両者はそれぞれ独立していると認識している人が多いが、根っこでつながっていて、密接に絡み合っている」  横浜弁護士会所属の弁護士、太田啓子さん(38)はそう力説する。  一体何が秘密なのか、それは秘密です-。  政府による秘密保護法の恣意(しい)的運用の危険性を端的に示すものとして、そう言い表されてきた。10月の衆院予算委員会での安倍首相の答弁は、その懸念があらためて証明された瞬間といえた。  安倍首相は「行政機関が特定秘密の提供を拒む場合、独立公文書管理監にその理由を疎明しなければならないことを明記することを検討している。特定秘密が提供されない場合はきわめて限られると考えている」と監視機関の役割を強調し、意図的な情報の非開示がないようにすると説明した。だが、特定秘密に指定された情報が国民に提示されない可能性については否定しなかった。  太田さんは言う。  「集団的自衛権の行使を認める要件に該当するかどうかの判断材料自体が特定秘密に指定され、公開されない可能性がある。ある日、政府が集団的自衛権の行使をすると決め、他国での戦争に自衛隊が派遣されることになっても『理由は特定秘密なので、詳しくは言えません』と言われてしまうようなもの」  どういうことか。  「国民生活に大きな影響を及ぼす集団的自衛権の行使が正当かどうかの判断材料がない。例えば、イラク戦争のように大量破壊兵器があると言われて本当かどうか。武力行使以外の方法がないのか。目隠しされて船に乗せられているようなもので、明らかに危険水域に向かっていても、それの危険性を知る手段がないということ」 ■怒り 東日本大震災で東京電力福島第1原発事故が起き、ママ友たちの不安を耳にした。自民党が政権に返り咲き、憲法改正がママ友たちの間で話題に上った。憲法について語る出前講座を始めた。  原動力は「恐怖と怒り」だ。  「福島第1原発事故後の政府の対応はひどかった。だが、それ以上に、政府に従順でありすぎる日本社会の風潮に恐怖を感じた。もっと、みんな怒らなければいけないんだ、と」  気軽に立ち寄れるようにとの思いから、場所はカフェやお好み焼き屋などさまざま。いつしか「憲法カフェ」と呼ばれるようになった。  そこで希望を見た。  「憲法について考えたこともなかったというお母さんが真剣な表情で聞いてくれる。チラシを見た大学生が、友だちを誘って勉強会に来る。少しずつではあるけれど、その輪が広がっている」  悲観的な声も届く。  「選挙に行ったって意味がない」「デモをすることに何の意味があるのか」  そんな時、必ず言うことにしている。  「無駄なことは何もない。政府は国民が諦めることを狙っている。無力感を学ばせようとしている。そうなったら、政府の思うつぼだ」  太田さんは2児の母でもある。  「絶望的な社会状況に置かれてもなお、希望を見いだそう、希望がないならつくりだしていこう。そういう生き方を子どもたちにはしてほしい。絶望したり、無力感にとらわれたりして生きてほしくない。親としてあの時も、こんなにひどかったけれど『お母さん、希望を捨てなかったし、小さな希望を大きく育てたよ』と示したい」 ■選択 12月10日の施行が迫る秘密保護法。「目的は、国民を萎縮させるところにある。例えば、デモ。デモで訴えたい、言いたいと思うことは特定秘密の漏えいの教唆ではないと思うが、逮捕されるのは怖いから、念のためやめておこうと思ってしまうかもしれない」  それは情報を国民に届ける報道機関も萎縮しかねない。  「そうなると、いろいろな情報が流通しづらくなる。情報がないから自分が『この情報を知らない』ということすら気が付かない。知らないうちに、本当は知らないとまずいことさえも認識できなくなる」  情報とは「例えば、食品添加物が入った食品を知りたいと思う人もいれば、放射線量が健康にどれほどの影響を与えるのかについて知りたい人もいる」。自分でどういう風に生きるのかを決める上での最重要事項と考える。  では安倍政治の行き着く先は、どんな社会か。  「言いたいことも言えない、おかしいと思ったこともいえない。自分らしく生きることなどできない、そんな社会が待っている」  いまの日本社会を中島みゆきの歌になぞらえる。  〈その船をこいでゆけ/おまえの手でこいでゆけ/おまえが消えて喜ぶ者に/おまえのオールをまかせるな〉(宙船(そらふね))  「オールを政府に預けっぱなしにして、危険水域に進もうとしている船に国民は押し込まれている。もしかしたら、船は沈むかもしれない。水が入ってきて、命を落としてしまうかもしれない。あなたはそれでも何もしないですか。私は自分でオールを握りたい」  迫る選択が持つ意味は小さくはない。  =随時掲載  おおた・けいこ 国際基督大を出て2002年に弁護士登録。横浜弁護士会、「明日の自由を守る若手弁護士の会」、「特定秘密保護法対策弁護団」に所属。県内を中心に出前講座「憲法カフェ」を行う。藤沢市在住。

    4. 社会

      【社説】ストーカー対策研究会 規制だけでは防げない

       さまざまな分野の専門家がストーカー被害防止策を考える「ストーカー対策研究会議」が、このほど発足した。初会合では、警察以外に相談ができる受け皿の整備や、関係機関の緊密な連携の必要性が指摘された。来年10月までに計6回の会合を開き、成果を公表する予定という。社会を挙げて被害防止に取り組む指標となる研究成果を期待したい。  研究会議の発起人で代表を務めるのは、2012年11月に元交際相手に刺殺された三好梨絵さん=当時(33)=の兄(43)。発足のきっかけは、事件後に社会で議論されているストーカー対策に感じていた違和感だ。警察の不手際など「批判しやすい相手を批判している」だけで、被害者を救うことにつながっていないと感じていたという。  では、何が必要なのか。その「答え」を探る手法の一つが、今回の研究会議だ。参加しているのは、法学や心理学、社会学、被害者支援、加害者対策の各専門家や公的機関の実務担当者ら約30人。三好さんの兄は遺族という立場にとどまらず、研究者の1人として加わり、幅広い視点から「冷静な議論」をしていく考えという。「被害者の落ち度」についても議論から排除しないとの姿勢は、覚悟の表れだ。  00年施行のストーカー規制法は、前年に起きた埼玉県桶川市の女子大生刺殺事件が契機だった。昨年の法改正では、逗子事件で元交際相手が三好さんに千通以上ものメールを送り付けた行為が「つきまとい」の対象外だったことを踏まえ、嫌がる相手へのメールの連続送信が規制対象に追加された。同法は、いわば尊い命の代償だ。  その後も凶悪事件は相次いでいる。今年8月に報告書をまとめた警察庁の有識者検討会では、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)を使ったつきまといや、正当な理由なく被害者宅周辺などをうろつく「徘徊(はいかい)」行為も規制対象とするよう提言した。  差し迫った危険を排除して被害者の命を守るためにも、さらなる法改正は必要だ。だが、規制を強め、罰則を強化するだけでは、被害は根絶できない。繰り返される事件がそれを物語っている。その事実を出発点に対策を講じるべきだ。総合相談窓口の設置や加害者対策など、被害を防ぐためにやれることはまだある。ぜひ、英知を結集してほしい。