1. 社会

      県人口が初の自然減 14年、少子高齢化に拍車

       2014年の県内の出生者数は前年より1197人少ない7万4459人で、1958年の調査開始以来初めて死亡者数を下回り「自然減」に転じたことが30日、県のまとめで分かった。少子化で出生者数が減る一方、高齢化に伴い死亡者数が過去最多を更新したことが要因。転入者数が転出者数を上回る「社会増」は続いており、総人口は依然として増加傾向にある。  県内の自然増減は、第2次ベビーブーム期の71~74年に年間10万人台で増加。73年の10万8371人をピークに減少へと転じ、出生者数と死亡者数の差は年々縮小していた。  出生者数は同年の13万4217人が最も多く、近年は8万人前後で推移。一方で死亡者数は年々増加しており、14年は前年比1199人増の7万4744人。13年は出生者数より2111人少なかったが、14年は285人上回った。  自然増減を市町村別でみると、横浜、川崎、相模原の3政令市や県央地域などが増加している一方、横須賀、平塚、小田原市などと開成町を除く全町村でマイナスとなっている。浜銀総合研究所の新滝健一主任研究員は「神奈川でも少子化に歯止めがかからず、高齢化が急速に進行していることが人口統計に表れた。全国有数の人口増加県の神奈川も、大きな曲がり角を迎えている」と指摘する。  一方、今年1月1日現在の県内の人口総数は、前年比1万6507人増加し、910万346人。新滝氏は「他県からの人口流入によって人口増を維持しているのが神奈川の姿。地域の魅力が増せば人口流入が期待されるが、根本的には各市町村が行っている子育て支援策の成果で出生数が増えることが期待される」と強調した。

    2. 社会

      体罰教員123人処分 部活動中が最多 県内13年度

       2013年度に児童生徒に体罰をしたとして処分を受けた県内公立小中高校(国立は除く)の教員は123人に上り、35人だった前年度から約3・5倍に急増したことが30日、文部科学省の調査で分かった。大阪市内の男子高校生が自殺した問題を受けて実施されたアンケートで、大阪のケースと同じく部活動中の体罰が多い実態が浮き彫りになった。  懲戒や訓告などの処分を受けた教員のうち、部活動中に体罰をした教員が52人で最も多く、授業中の体罰が33人、休み時間中が12人。体罰の方法は「素手で殴る」が54人、「棒などで殴る」「蹴る」がともに17人だった。  体罰を受けた児童生徒は390人。1人の教員が複数の児童生徒に体罰を加えたケースが多かった。「傷害なし」だった教員が97人で最多だったが、「外傷」を負わせた教員が10人、「鼓膜損傷」に至った教員が1人いた。  「部活動指導中に3年以上にわたって頭をたたいていた」ことなどで4人が停職処分を受け、減給処分は6人、戒告処分は8人。長期間の体罰やけがを負わせたケースに重い処分がなされた。懲戒免職はいなかった。  県教育委員会は「初の大々的な調査により、見過ごされていた事案の掘り起こしが進んだ」とし、部活動中の体罰が目立つことに横浜市教育委員会の担当者は「指導の中で何とかしようと思うがために手が出てしまったり、カッとなって手を上げたりするケースが多い。教員の意識を変えていくのが大切で、意識啓発を図っている」と話している。  大阪市立桜宮高校2年のバスケットボール部主将の男子生徒が自殺したのは12年12月。前日の練習試合でミスをしたとして顧問の男性教諭から体罰を受けていた。13年1月に発覚した。この問題を受け、文科省は都道府県教委を通じて児童生徒、保護者、教職員らに体罰に関するアンケートを行った。 ◆全国も2年連続急増  2013年度に体罰を理由に懲戒や訓告などの処分を受けた公立学校の教員は、前年度より1700人増の3953人で、過去最多を更新したことが30日、文部科学省の調査で分かった。12年度に続く大幅増。国立は5人、私立は217人で、国公私立の合計は4175人だった。  13年1月発覚の大阪市立桜宮高の体罰問題を受けた緊急調査では、公立校で5415人の体罰教員が判明。11年度まで300~400人程度だった処分者が、12年度には2253人に急増した。  13年度もさらに増加したのは、緊急調査で判明した事案の半数以上が、年度をまたいで処分されたのが理由。文科省は「処分者は増えたが、14年度以降は減少の方向へ向かうのではないか」と分析している。  13年度に公立校で体罰を理由とした処分の内容は、懲戒処分410人、訓告など3543人。懲戒免職はいなかった。  都道府県別では、大阪の400人が最多で、大分374人、福岡240人、兵庫231人と続いた。少なかったのは福井2人、愛媛3人など。文科省は処分者数にばらつきがあるのは、都道府県で体罰と認定する範囲に違いがあるのが一因とみている。  処分された教員は小学校1048人、中学校1819人、高校1045人などで、小学校では授業中の体罰が61%を占めたが、中高は部活動中が最多だった。

    3. 子育て・教育

      全日制平均競争率1・20倍 県内公立高校志願状況 

       県教育委員会は30日、同日締め切った2015年度公立高校入学者の共通選抜志願者数を発表した。全日制は153校で計4万3300人の募集に対し、5万2176人が志願。平均競争率は1・20倍で、前年度と同じだった。  全日制で競争率が最も高かったのは、前年と同じ県立横浜翠嵐普通科で2・09倍。続く県立横浜緑ケ丘の1・97倍、県立湘南の1・96倍とともに、普通科が上位3校を占めた。  定時制は29校で計2853人の募集に対し2353人が志願、平均競争率は0・82倍(前年度は0・90倍)。競争率トップは県立横浜明朋の単位制普通科午前部の1・61倍。通信制は2校が計1216人を募集して352人が志願、平均競争率は0・29倍(同0・37倍)だった。  募集人員に満たなかった学校は、全日制38校(欠員計529人)、定時制23校(同825人)、通信制2校(同864人)。  志願変更は2月4~6日の3日間受け付け。学力検査は16日に実施。面接や特色検査は18日まで、各校の日程で行う。合格発表は27日。

    4. グルメ

      「営業続けてほしい」 小田原のリーダー的企業のみのや吉兵衛

       城下町・小田原でかまぼこや漬物の製造販売を手掛け、創業450年を誇る老舗「美濃屋吉兵衛商店」(小田原みのや吉兵衛)が民事再生法の適用を申請したことに、小田原市内で衝撃が走った。「寝耳に水」と驚く声とともに、長年の愛好者からは「なんとか続けてほしい」との願いも聞かれた。  「今朝のニュースで知り、びっくりした。寝耳に水の話」  市幹部は驚いた様子を隠さず、「小田原のリーダー的な企業で影響力もあるだけに、再建を期待したい」と話した。  同社は16世紀後半に創業。塩辛などの漬物類やかまぼこなどの練り製品を製造販売し、東海道小田原宿の城門脇に店を構えて多くの旅人に愛されたという。「いかの塩から」などの同社製品は、1982年に皇室献上品に選ばれるなどしており、小田原の代表的なブランド品として知られている。  2010年11月から3年間にわたって社長が小田原箱根商工会議所会頭を務めるなど、地域経済界を代表する企業。だが、競争激化などで業績が悪化し、赤字幅が拡大していたという。  かまぼこ会社の経営者の一人は、業界を取り巻く環境について「正月の売り上げのウエートが高いのに、最近はおせち料理を作る家庭が少ない。おみやげの需要も減少しており厳しい状況」と話す。  報道のあった30日も小田原駅東口の商店街にあるみのや直営店舗は通常通り営業し、買い物客らが土産などを求めていた。  かまぼこをはじめ同社製品を40年以上愛好しているという市内の主婦(80)は「独特のおいしさがあって今もよく利用している。ショックだけど、事業を継続する方針と聞いて安心した。いつまでも老舗の味を守ってほしい」と願った。

    5. カルチャー

      庶民の暮らしに焦点 古代エジプト展 31日から横浜ユーラシア文化館

       「古代エジプト ファラオと民の歴史」と題した企画展が31日から横浜ユーラシア文化館(横浜市中区)で始まる。前日に報道陣へ公開した。王族だけでなく、古代の庶民の暮らしぶりに焦点を当てているのが特徴で、死者への供物卓から生活用具まで約200点が並ぶユニークな展示会となっている。4月5日まで。  企画展は同館と東海大学の主催で、同大のコレクション展。エジプト学が専門の故鈴木八司・同大名誉教授が生前、現地で収集したものを2010年、遺族が同大に寄贈した。  最も古いものは紀元前3千年ごろまでさかのぼる。中でも、庶民がワインなどを保管するために使ったかめや化粧用の顔料を入れた小皿、パピルスの繊維で編んだサンダルなど生活具は造形も美しく目を引く。  同大は、紀元前のエジプトでパピルス紙に書かれた400片の文書を修復・保存する作業を進めている。会場には修復を終えた4点を展示している。期間中は修復体験イベントも企画している。  このほか、大型の図版「エジプト誌」も迫力がある。1798~1801年、ナポレオンのエジプト遠征に同行した学者や技術者が現地を調査・研究した成果をまとめた。  入場料は一般300円。小・中学生は150円。月曜休館。  問い合わせは同館電話045(663)2424。

    6. ベイスターズ

      準備は万全 1軍帯同新人4人 決意胸に沖縄入り

       横浜DeNAの各選手は30日、横須賀市長浦町のベイスターズ総合グラウンドで自主トレーニングを打ち上げ、2月1日から沖縄で始まる春季キャンプに向けて荷物を運び出した。チームは31日午後、沖縄入りする。  9日から新人8選手が参加して行ってきた合同自主トレも終了。1軍キャンプに帯同する4選手は、決意を胸に宜野湾市立野球場へ乗り込む。  ドラフト1位右腕の山崎康(亜大)は「1軍の投手陣から学ぶところはたくさんあると思う。吸収しながら結果を残したい」。自主トレ期間中に10度ブルペン入りし、準備は万全だ。  即戦力内野手の倉本(日本新薬)、山下幸(国学院大)は熾烈(しれつ)な定位置争いに挑む。倉本が「最初の印象が肝心。途中でバテても良いくらいの意気込みで飛ばしたい」と言えば、山下幸も「あくまで自主トレが終わっただけ。キャンプから再びゼロになるので、アピールを続けたい」と気を引き締めた。  故郷の沖縄に凱旋(がいせん)する左腕福地(三菱日立パワーシステムズ横浜)は、約3週間の自主トレを振り返り「最初はきつかったけど、けがなく乗り切れた。これからはピッチングでアピールしたい」と意気込んだ。

    7. 社会

      遺産4000万円を着服 横浜弁護士会が懲戒手続き

       横浜弁護士会は30日、会員の楠元和貴弁護士(43)が依頼人のために預かった現金計約4千万円を返金せずに着服した、と発表した。依頼人と弁護士会は、懲戒処分のための調査を弁護士会綱紀委員会に請求。弁護士会はさらに業務上横領容疑で告発も検討している。  預かり金の着服が発覚したのは、藤沢市の男性と、大和市の男性からそれぞれ依頼を受けた遺産相続に関わる事件。  同弁護士会によると、藤沢市の男性は2013年、親族間での遺産分割を依頼。昨年6月に分割協議を成立させ、相手方から約2650万円を男性のために預かりながら、約150万円しか男性に返金していなかった。  大和市の男性ら3人は09年、親族間での遺産分割を求めて楠元弁護士に依頼。相手方の親族から3人に計約1650万円が渡ることになったが、13年6月に同弁護士が預かった後、返金していなかった。  藤沢市の男性が昨年9月に弁護士会の窓口に苦情を申し出て発覚。今月6日には大和市の男性も被害を訴えたことから、弁護士会が対応に乗り出した。  楠元弁護士は弁護士会の調査に対し、事実関係を認めた上で、「必ず金は返す」と釈明。着服した理由については「別の依頼者とのトラブルで金を返さなければいけなかった」などと話したというが、入院しているため十分な聞き取りができておらず、私的流用の疑いもあるとしている。  楠元弁護士は2000年に弁護士登録。横浜弁護士会には05年に入会した。  小野毅会長は記者会見で、「重大な問題が起きてしまい残念」と謝罪。被害拡大防止のため、懲戒処分前に公表したと説明した。  同弁護士会は、2月2日から同6日まで、楠元弁護士の被害情報に関する臨時電話を開設する。連絡先は電話045(664)4166=午前10時~午後4時。

    8. 在日米軍・防衛

      乗組員は1000人増 防衛政務官が横須賀市に影響説明 イージス艦3隻横須賀追加配備

       今夏から2017年夏にかけ行われる米海軍横須賀基地へのイージス艦3隻追加配備について、原田憲治防衛政務官は30日、横須賀市役所を訪れ、地元への影響を説明した。市からの質問に答えたもので、乗組員数は計約千人増えるが、現状では住宅新設は不要の見込みと説明。艦艇の係留も、現行施設のままで可能と回答した。家族を含めた赴任者総数は、米側が回答できないと述べたと報告した。  3隻のうち、2隻は昨年10月、1隻は今月中旬に追加配備が発表された。さみだれ式の公表に対し、吉田雄人市長は「明らかにおかしい」と苦言を呈していたが、「今回早々に大臣名で直接回答を持ってきたことは、誠実な対応」と評価した。  市長は赴任者総数が明示できない理由をただしたが、防衛省側は「どの家族が同行するか分からないため」などと返答。市長は「なかなか難しいのかなと一定の理解をした」との見解を示した。  3隻目の発表時、市長は「全体像を速やかに示してほしい」と要望。今回の訪問を受け、「政務官の口から、3隻の配備が日本、アジアの安定につながるという発言もあったので、私としてはかなりクリアになった」と話した。

    9. 社会

      【速報】JR横浜線が運転再開

       JR横浜線は人身事故のため、31日午後2時47分ごろから上下線で運転を見合わせていたが、同3時58分ごろ運転を再開した。

    10. SPORTS

      冬季国体:フィギュア成年男子 松村、有終の15位

       第70回国民体育大会冬季大会スケート、アイスホッケー競技会第3日は30日、前橋市の群馬県総合スポーツセンターなどで行われた。  神奈川勢はフィギュア成年男子で松村成(明大)が15位、小曽根孝浩(慶大)が16位となり、都道府県別の成績では9位だった。  同女子のショートプログラム(SP)は松嶋那奈(早大)が17位、石井綾香(日大)が23位。ともに31日のフリーに進んだ。 ■悔い残すも堂々の舞  悔しさは残る。それでも堂々のラストダンスだった。フィギュア成年男子の松村は個人総合で15位。この大会で現役を引退する23歳は演技を終えると目に涙をため、別れを惜しむように銀盤に両手を突いた。  ショートプログラムは14位。「もう(これ以上)落ちることはない。今できることを全て出し切ろう」。序盤のジャンプでミスをしたが「強い気持ちを持って切り替えた」と中盤から持ち直す。端正なマスクをいっそう引き締め、力強いエッジワークとすらりとした手足を生かした伸びやかなスケーティングで観客を沸かせた。  1976、80年と2大会連続で冬季五輪に出場した父・充さん(57)の背中を追うように2歳でスケート靴を履いた。全日本選手権の最高成績は2011年の21位。武相高時代も含め輝かしい成績とは無縁の競技生活だったが「やめようと思ったことは一度もない」。スケートを愛する気持ちは揺るぎなかった。  今後は学業と並行して、新横浜プリンスFSCでコーチを務める父のもとで指導者としての修業を積む予定だ。「一日一日を大切に。今までやってきたことを後悔しないように」。幼い頃から、事あるごとに父と交わした約束を胸に、これからも歩んでいく。

    11. 社会

      時代の正体〈58〉わたしたちの国はいま(2) 思想家・内田樹さんに聞く 「民主主義とカネの相性」

       いま、「わが国は滅びる方へ向かっている」と口にしても、むきになって反論する人はそういません。ビジネスマンだって、もう経済成長がないことは分かっています。  一時だけ投資家たちがあぶく銭を求めて集まるカジノ資本主義的な事態はどこかの国でまだ何度か起こるでしょうけれど、しょせんはバブルです。歴史過程としての資本主義はもう末期段階を迎えている。そのことは口では経済成長を唱えている人だって分かっているはずです。  にもかかわらず、惰性に任せて「右肩上がり」の成長モデルに合わせて社会制度は改変され続けています。  教育、医療、地方自治、どれも経済成長モデルに最適化したかたちへの改変が強力に進められている。資本主義の仕組み自体、賞味期限が切れて終わりかけているのに、事態がさっぱり好転しないのは「いまのシステムが成長に特化したかたちになっていないからだ」「市場原理の導入が足りないからだ」と解釈する人たちが、終わりつつあるシステムに最適化するという自殺的な制度改革を進めている。  教育がそうです。学校教育法の改正で、大学は一気に株式会社化されました。教授会民主主義が事実上廃絶され、権限が学長に集中する仕組みになった。  株式会社のようにトップダウンで組織が運営され、経営の適否は単年度ごとに数値的に開示される。志願者数、偏差値、就職率、科研採択数、論文提出数、英語による授業時数、外国人教員数といった数値で大学が格付けされ、教育資源が傾斜配分される。営利企業と同じロジックです。  しかし、その結果、いま国公立大学全体の空洞化が急速に進行しています。すでに東大からも高名な教授たちが逃げ出している。当然だと思います。予算は削られ、労働負荷は増え、権限は縮小されたあげくに「さらなる改革努力を」と言われても、もう「笛吹けど」足が動きません。四半世紀休みなく続いた制度改革に教員たちはほとほと疲れ切っている。この後、日本の国公立大学の研究教育機関としての質は低下するばかりでしょう。  国内の大学の質の低下が進めば、国内での学歴では「使いものにならない」ということになる。当然、エリートを目指す人々は海外での学歴を求めるようになる。すでに富裕層は中等教育段階から子どもを海外の寄宿制インターナショナルスクールに送り出しています。その経済的負担に耐えられる富裕層にしかキャリアパスが開かれないのです。  医療も同じです。医療は商品であり、患者は消費者だという市場原理を導入したせいで医療崩壊が起きました。  どこでも超富裕層が最後に求めるのはアンチエイジング、不老不死です。そのためには天文学的な金額を投じることを惜しまない。それなら医療者は医療資源を超富裕層の若返りと延命のためだけに集中させた方が、きつくて安い保険医療に従事するより合理的です。経済格差がそのまま受けられる医療の格差に反映してしまう。米国では金持ちは最高級の医療を受けられ、保険医療や無保険者はレベルの低い医療に甘んじなければならなくなっている。 ■株式会社精神  米国のように所得上位1%に国民所得の20%が集中するという格差拡大の流れは市場に委ねている限り、日本でも止まることはないでしょう。  そもそも株式会社は民主主義とは無縁のものです。  経営者が判断したことに従業員はあらがうことができない。当然にも、従業員の過半の同意を得なければ経営方針が決まらないというような企業はありません。すぐつぶれてしまう。従業員も経営判断の適否を判断する責任があるとは思っていない。経営判断の適否はすべてマーケットが判断してくれるからです。マーケットはビジネスにとっての最終審級です。だから、経営判断が民主的であろうと非民主的であろうと、そんなことはマーケットの決定には何も関与しません。  株式会社は右肩上がりを前提にしていますが、しかし、江戸時代までの日本では現状維持、定常再生産が社会の基本でした。  近代化を遂げた後も、久しく農村人口の5割を超えていた。農林水産業は自然が本来持つ生産力を維持するものです。自然は右肩上がりに無限にその生産力を上げるということがありません。何よりも生産力の持続可能性が重要だった。100年後の孫の世代のために木を植えるといった植物的な時間の流れに沿って、社会制度も設計されていた。そのような風儀は1950年代まで残っていました。  しかし60、70年代の高度成長期に農村人口が都市に移動し、サラリーマンが支配的な労働形態になりました。今の日本では株式会社のサラリーマンが標準的な人間ですから、「株式会社従業員マインド」で国家の問題も眺めるようになった。それはつまり植物的なゆったりとした時間の流れの中にはいないということです。四半期ごとの売り上げや収益に一喜一憂し、右肩上がり以外の生き方はありえないという思い込みが国民的に共有されている。  だから、もう成長はないという事実を突きつけられても、それを信じることができない。別のプランが立てられない。とりあえず昨日まで続けてきたことをさらに強化したかたちで明日も続ける。原発を再稼働し、リニア新幹線を造り、カジノを造りといったことをまた繰り返そうとしています。  もちろんそんなことをしても成長はない。それは学校が悪い、自治体が悪い、ついには民主主義が悪いというふうに責任転嫁される。それが現状です。 ■歴史的転換点  振り返れば、関西電力大飯原発の再稼働は歴史的な瞬間でした。あのとき経済の論理に国民国家が屈服した。国土の保全と国民の健康かグローバル企業の収益増大かという二者択一で後者を選んだのです。  再稼働を要求した財界の言い分はこうでした。原発を止めたせいで電力価格が上がり、製造コストが上がり、国際競争力が落ちた。再稼働を認めないのなら生産拠点を海外に移す。そうなれば国内の雇用は失われ、地域経済は崩壊し、法人税収も減る。それでいいのか、と。この脅しに野田佳彦政権は屈した。  しかし、グローバル企業はもはや厳密には日本の企業とはいえません。株主の多くは海外の機関投資家、CEO(最高経営責任者)も従業員も外国人、生産拠点も海外という企業がどうして「日本の企業」を名乗って、国民国家からの支援を要求できるのか。  もう一度原発事故が起きたら、どうなるでしょう。彼らは自分たちの要請で再稼働させたのだから、除染のコストは負担しますと言うでしょうか。雇用確保と地域振興のため、日本に踏みとどまると言うでしょうか。そんなことは絶対ありえない。あっという間に日本を見捨てて海外へ移転してしまうでしょう。  利益だけは取るけれど、責任は取らない。コストはできる限り外部化するというのが「有限責任」体である株式会社のロジックです。  民主主義とグローバル資本主義は相性が悪い。民主主義と金もうけは残念ながら両立しません。そして昨年の総選挙の争点は、実は「民主主義とカネのどちらがいい?」という問いだったのです。その問いに日本の有権者がどう答えたのかはご存じの通りです。

    12. 政治・行政

      【社説】民主党再生 同じ轍を踏まぬ努力を

       民主党の新体制が始動した。約10年ぶりに返り咲いた岡田克也代表は政権奪還を目指す党に再生させるとして、党再建へのプランを策定、実行する「党改革創生実行本部」の設置を決めた。  政権与党を目指す以上、「政権政策の再構築」も不可欠としている。しかし、信頼回復へ第一に向き合うべきは、迷走を極めた政権党時代の姿ではなかろうか。  前代表の海江田万里氏は民主党が政権を失った直後の2013年1月、「09年の政権交代時に、大きな力となったマニフェスト(政権公約)から総括していく。3年3カ月の民主党政権そのものが対象だ」と表明した。  同年2月の定期大会では、「マニフェスト作成のプロセスで透明性の確保や意見集約の手法に問題があった」「現実に政府を運営する以上、さまざまな変化に対応し、マニフェストになかった政策を打ち出す必要はあったが、政策提示のあり方に問題があった」と敗北を総括した。  民主党はその後、党再生に向けた議論に入り、海江田氏の落選を経て新体制がスタートしたが、現実は民主党内の話だけで済まない。いまだに政権党時代の負の遺産に揺さぶられているのだ。  米軍普天間飛行場移設問題は最たるものであり、今月になって本体工事が始まった八ツ場ダムもその一つだ。政権党時代の迷走が、外交や地域生活などに影響を及ぼし続けていることを忘れてはならない。  民主党政権への失望は、敗北総括で「与党でありながら政権を支える意識が希薄で、野党のような質問や政府批判を繰り返す議員が党内のバラバラ感を拡大し、さらなる政権の支持低下を導いた」とした党運営問題も大きいが、その前段の大半を占めたのは政策面の不一致だった。  国民に期待を抱かせたマニフェストを掲げて政権を奪取し、失敗してなお自主再建を目指す民主党だからこそ、個別の政策課題に踏み込み、どこを間違え、本来ならばどうすべきだったのかという「解」を見いださねばならない。  通常国会が開会した。岡田民主党は「野党として政権を攻撃する能力は十分にある」(自民党・高村正彦副総裁)布陣といえるが、政権奪還を目指す以上、同じ轍(てつ)を踏まぬように自らの過去とも厳しく向き合い、安倍政権に挑んでいくべきだ。

    13. 社会

      【照明灯】ハマの市民酒場

       戦況が悪化の一途をたどる中であっても、横浜の花柳界では軍需企業や高級将校の一部が持ち込みの酒で豪遊することがあった。一方、市民は1合(180ミリリットル)の酒にひとときの癒やしを求め、酒場に列を成した  ▼「横浜・中区史」によると、酒の配給が逼迫(ひっぱく)したことを受け、行政によって「市民酒場」構想が立てられた。飲食店や酒販店を統合し、1店当たりの供給量を増やす狙いだった。1944年10月に営業が始まると、伊勢佐木町の店舗では用意した分を6分間で売り尽くしたとある  ▼数が減ったとはいえ、今でも「市民酒場」を名乗る飲食店が横浜市内に残っている。以前、西区の老舗で歴史の一端をうかがったことがあるが、飲んべえの間では知る人ぞ知る情報だった  ▼「市民酒場」に光を当てた星山健太郎さん、希さん夫妻が編集する雑誌「はま太郎」が先ごろ、小紙で紹介された。「できるだけ安く、おいしいものを」という精神が脈々と受け継がれてきた歴史や魅力を伝えたいと抱負を語っている  ▼京浜工業地帯で働く人々の活力源だった古き良き酒場が、高齢化や後継者不足で減少している。和みの空間が消えると、人が醸した空気まで失われる。その寂しさはノスタルジーとばかり言えないのではないか。

    1. カルチャー

      藤子ミュージアムでパーマン原画展 等身大の魅力を存分に

       川崎市藤子・F・不二雄ミュージアム(川崎市多摩区長尾)で29日、期間限定の原画展「パーマンとFヒーローたち」が始まった。藤子・F・不二雄さんが描いた“等身大のヒーロー”の活躍を楽しめる。6月末まで。  1966年から雑誌で連載が始まった「パーマン」。展示室には、ギャグの要素が色濃い「パーマンとうじょう」といった初期の作品や、友情をテーマにした後期作品の原画が並ぶ。「中年スーパーマン佐江内氏」「パジャママン」などの知られざるヒーロー作品や、「ドラえもん」の中の1話「行け!ノビタマン」なども集めた。  3月公開の映画「ドラえもん のび太の宇宙(スペース)英雄記(ヒーローズ)」に合わせて企画。同ミュージアムは「普段は普通の男の子が、少し間の抜けたヒーローとして描かれている。彼らの等身大の魅力を味わってほしい」と来場を呼び掛けている。  ミュージアムは日時指定の完全予約制。問い合わせは、同ミュージアム電話0570(055)245。

    2. 社会

      【速報】横浜、今冬初の積雪、注意報は全域で解除

       前線を伴った低気圧の影響で横浜市内は30日、今冬初の積雪となった。市によると、旭区や瀬谷区で一時5センチの積雪があり、県内では箱根町で最大16センチに達した。29日夕から県内各地に発表されていた大雪注意報は、30日午後5時までに全域で解除された。

    3. 鉄道

      JR南武支線に新駅誕生へ 住民に広がる期待と疑問

       JR南武支線の新駅「(仮称)小田栄新駅」(川崎市川崎区)が来春に開業すると発表された29日、川崎新町-浜川崎駅のほぼ中間に位置する設置予定地の周辺住民には、期待と戸惑いが交錯した。武蔵小杉地区などへの利便性アップに弾みがつく一方、「川崎駅に直結しなければ意味がない」と、新駅誕生の効果を疑問視する意見も聞かれた。  予定地近くの「小田踏切」からは、隣の川崎新町駅がはっきりと視界に入る。同駅と浜川崎の距離は約2キロ。「初耳です。歩く距離が短くなるのはありがたい」。在住40年という主婦(70)は、身近な新駅の存在は高齢者らに優しいと歓迎する。  予定地周辺は、日本の高度成長期を支えたかつての工場群の一角。1990年代以降、事業所の地方移転が進み、宅地に転換された。象徴的なのが、高層マンションや複合商業施設が相次いで誕生した小田栄2丁目地区(約15・6ヘクタール)。2005年末にわずか10人(5世帯)だった人口は、14年末に4705人(1686世帯)まで急増した。  官公庁や大型商業施設が集まる川崎駅まで、バスや自転車で約15分という立地。在住20年という男性(78)は「(尻手で南武線に乗り換えて)武蔵小杉方面へ出る人には便利になる」と、買い物や娯楽の選択肢が広がると期待を寄せる。  一方、南武支線は朝のラッシュ時でも最大で1時間4往復。昼間は1往復の時間帯があるなど運行本数が少なく、子育て世代の主婦らの反応はいまひとつだ。  線路沿いの大型マンションに転居して1年余という女性(34)は、これまで一度も同線を利用したことがない。新駅にも「(ターミナル駅の)川崎駅に直結しなければ微妙…。バスの路線や便数を増した方が、地元の人は喜ぶのでは」と指摘する。  「(平らな地形の)川崎区は自転車の街」と話す別の女性(39)も、市内で24カ所目となるJR駅誕生のニュースに驚きや喜びは少ない。「お金を掛けて駅を造るより、まずは運行本数を増やすのが先」と話していた。

    4. 経済

      三菱UFJ信託でATM障害

       三菱UFJ信託銀行は30日、午前10時20分ごろから約2時間、同行のキャッシュカードを使って、提携先の金融機関の現金自動預払機(ATM)で現金の引き出しや送金ができなくなったと発表した。システム障害が原因。  三菱UFJ信託のATMで、他の金融機関のキャッシュカードを使った取引も同時にできなくなった。窓口やインターネットバンキングの取引には影響がなかった。  勘定系システムで障害が発生し、別の待機システムに切り替える際に、他の金融機関との接続が途切れた。接続と点検を終え、午後0時20分ごろに復旧した。勘定系システムでの障害の原因は調査中。

    1. 経済

      横須賀に金星マグロ登場 受験生を応援

       金色のマグロが受験生を応援-。受験シーズンが訪れ、横須賀市新港町の地産地消ショップ「よこすかポートマーケット」内で合格祈願の金色のマグロの頭が光り輝いている。  魚の消費拡大と店のにぎわいにつなげようと職員から募ったアイデアが実り、初お披露目された。マグロの頭部には、脳の働きに関係があるといわれるドコサヘキサエン酸(DHA)が多く含まれるため、受験の御利益も期待できそうだ。  市内の衣笠山に自生する木の切り株を加工し、彫るのも色を塗るのもすべて同マーケットを経営するシティサポートよこすかの職員たちの手作り。  自ら「合格祈願」の筆を執った石渡戸秋司代表理事は「金色は受験の金星にもつながる。マグロを食べて健康な体で合格につなげてほしい」と話していた。  営業時間は午前10時~午後7時。

    2. 社会

      ベンチに座布団 湯河原で20年以上続く「おもてなし」

       心も体も温かく-。JR湯河原駅ホームのベンチには、冬になると座布団が出現する。電車の待ち時間の寒さを少しでも和らげようと、地元女性らがボランティアで設置しているものだ。このささやかな「おもてなし」は20年以上続いており、駅の利用客からは「温かいわね」「ありがたい」と声が上がっている。  取り付けているのは、湯河原の商店経営者などでつくる町商工会女性部のメンバー。座布団は町内の旅館から古いマットレスやシーツを譲り受けて手作りした“地元産”。固定用のひもが付いたオリジナル座布団カバーも、同部の事業費を使い町内業者に頼んだ特注品という。  現在は16人のメンバーが当番制で駅を訪れ、手分けしてホームにある55席の座布団を管理している。カバーは2週間に1度清潔なものと交換し、メンバーの自宅で洗濯するという。洗い立ての座布団に座って上り電車を待っていた真鶴町の男性(57)は「座布団があると、温かくていいですね」と、座り心地を確かめていた。  「お客さんが喜んでくれる姿が励みになって、こうして続けて来られた」という同部の南澤ノブ子さん(73)は「町に来た人を最初に出迎え、最後に見送る場所が湯河原駅。『いらっしゃい』『ありがとう』という気持ちを少しでも伝えられたらうれしい」と笑顔を見せていた。

    3. SPORTS

      冬季国体:アイスホッケー成年で神奈川が快勝

      ◇少年は初戦で姿消す  第70回国民体育大会冬季大会スケート、アイスホッケー競技会は28日、群馬県前橋市などで開幕し、フィギュアスケートとアイスホッケーで競技が始まった。  神奈川勢はアイスホッケー成年が10-0で福岡に快勝して2回戦進出を決めた。同少年は4-6で青森に敗れ、1回戦で姿を消した。  フィギュアスケートは少年男女のショートプログラム(SP)が行われ、女子は鈴木春奈(東京日体荏原高)が7位、鈴木星佳(慶応湘南高)が11位で29日のフリーに進んだ。男子は唐川常人(岸根高)が10位、中野耀司(横浜創英高)が11位でフリーに臨む。 ◇白血病と闘う今坂 リンクで躍動  見せ場は試合終盤にやってきた。アイスホッケー成年1回戦の第3ピリオド開始4分すぎ。神奈川の今坂は敵陣で相手のパスをカットすると、ターンしてパックを中央へ送る。これを白神がゴール前まで運び、最後は鈴木がネットを揺らすと、仲間とハイタッチで喜びを分かち合った。  苦節の末につかんだ舞台だった。「何をやっても疲れが取れない」。会社の健康診断で異常が見つかったのは一昨年の6月。再検査の結果、急性前骨髄球性白血病と分かり、入院した。  抗がん剤治療による苦しい闘病生活で折れそうな心を支えたのはリンクへの思いだった。「一日でも早く戻りたい」。復帰を目指し、高層階にある病室まで階段での上り下りを繰り返した。  約1年間の入院を経て本格的にスケート靴を履き始めたのは昨年4月。勤務後にウエートトレーニングなどに励み、大学時代以来となる国体のリンクに立った。この日は相手の厳しいチェックにも動じず、166センチの体を躍動させた。  「本当にホッケーが好き」と言う武相高出身の27歳。現在は静岡県内の職場に通いながら週末は県内の社会人クラブでプレーする。月1回は横浜市内の病院へ通院し、再発への不安は消えていない。ただ「何があるか分からないが考えていてもしょうがない。好きなことやってれば自分の人生いいのかな」と言う。  チームはこの日、10-0で快勝。2回戦に駒を進めた。「少しでも上に行って、自分も一つでも二つでもチームに貢献していきたい」。今坂の笑顔が輝いた。

    4. 社会

      【速報】30日明け方から雪に 横浜地方気象台

       横浜地方気象台は29日、県内は30日の明け方から広い範囲で雪になるとの気象情報を発表した。30日午後6時までの予想降雪量は東部と西部の平地で8センチ、西部の山地で15センチ。大雪になる恐れもあるとして県内全域に大雪注意報を発表、交通への影響や路面の凍結などに警戒するよう呼び掛けている。    本州南岸を通過する前線を伴った低気圧が原因。30日昼過ぎには雨に変わるとみているが、気温次第では雪のまま降り続き、降雪量がさらに増える可能性もある。30日の予想最高気温は横浜で3度、小田原で4度という。

    1. 社会

      「縄張り意識強くて…」 引き取り手なく10年、小田原城址公園のサル

       小田原城の天守閣がそびえる小田原城址公園(小田原市城内)内で飼育されているサル。同公園に動物園があった時代の名残をとどめ、子どもたちや観光客の目を和ませている一方で、市は動物園撤去のためサルの引き取り手を探してきたが、見つからないまま10年になろうとしている。  小田原城の二の丸から本丸へ常盤木門を通ると、直径約5メートル、高さ約7メートルの円柱形のおりが見える。おりには6~30歳ほどのニホンザル9頭が飼育されている。  本丸広場にあった「小田原動物園」はこども文化博覧会が開かれた1950年に開園。人気者だったアジアゾウの「ウメ子」をはじめ、ライオンやヒグマ、キジなどさまざまな動物がいて、遠足などで訪れる子どもたちでにぎわった。  しかし動物園は、小田原城跡の国史跡指定(59年)後、「史跡にふさわしくない」とする国からの指摘のほか、獣舎の老朽化もあって、維持管理が難しくなった。  市は2005年度から「本丸広場環境整備事業」で本格的な撤去に着手。動物は日本動物園水族館協会を通じて移転先を探し、全国の動物園や公園に順次引き取ってもらった。ウメ子が人間でいえば100歳を超える推定62歳で大往生した09年9月以降、ニホンザルのみが残っている。  市観光課は引き取り手が見つからない理由について「サルは、縄張り意識が強く、既にサルがいる施設では移転先のサルとけんかしてしまう。一つの群れでの新規移転が前提になる」と条件面での難しさを挙げる。  ポニーやヤギが飼育され、市が管理委託する「小田原こどもの森公園わんぱくらんど」(同市久野)への移転も検討されたが、野生のサルを呼び寄せる可能性があり、来園者の安全確保や周辺地域の農作物被害の懸念などから断念した。  餌代だけでも年間約60万円を支出しているという、市にとっては“お荷物”的なサルだが、おりの周りには親子連れや観光客が訪れ、サルの愛くるしいしぐさを楽しむ光景が毎日見られている。2歳の娘とたびたび訪れるという市内出身の女性(33)は「動物園があった時代が懐かしい。子どもたちはサルを楽しみに来ているので、いなくなったら悲しい」と飼育の継続を求めていた。  同課の飼育担当者は「飼育している以上、サルが健康で長生きしてほしい。今後も引き取り手を探していきたい」と話している。

    2. ベイスターズ

      ルーキー~飛躍誓う8選手~〈6〉百瀬大騎

      ◇自慢の足、磨きかける  50メートル走5秒9。「最大の武器は足」と自信を持つ高いスプリント能力で百瀬大騎(長野・松本第一高)はプロへの道を切り開いた。  高校3年春の北信越大会。1回戦の富山第一戦の六回だった。無死走者一塁で試みた投前のセーフティーバントを内野安打として逆転劇をお膳立てした。続く2回戦の福井の春江工・坂井戦では一回に死球で出ると、犠打で二進し、すかさず三盗。その脚力にプロのスカウトも引きつけられた。  小学4年から6年までの3年間、陸上短距離の大会に出場。6年時には100メートルで県大会にも出場した。高校時代も通算5本塁打のうち4本がランニング本塁打。17歳は幼い頃から走りまくってきた。 ○○○  もっとも、光るのは足だけではない。その伸びしろは明るい未来を予感させる。  力を付けたのは高校時代だった。同じ長野・松本市内には夏は全国最多の35度の甲子園出場を誇る松商学園があるが、「どこからも誘いはなかった」という15歳が選んだのは無名の松本第一。「入ったばかりのころは守りも打撃も一、二を争うほど下手で、甲子園を目指せるレベルじゃなかった」という高校生は自ら試行錯誤しながら歩を進めてきた。  入学当初野球部の専用グラウンドはなく、研鑽(けんさん)の場はもっぱら室内練習場。「この練習が何につながるかを常に考えていた」。自主練習ではアウトカウントや走者を想定し、ボールへの入り方や足さばきを確認しながら一人壁に白球を当て続けた。打撃面でも「バットをフラットに出すことで当たる面積は広がる。しならせるイメージで面で打つ」と、青木宣親(米大リーグ・ジャイアンツ)を参考にフォームをつくりあげた。  3年夏の長野大会は4試合で6割超の高打率をマーク。与えられた練習ではなく、考えながら成長してきた。 ○○○  もちろん、まだ打撃、守備ともにプロレベルには達していない。「まだ不思議な感じがする」と新鋭の私学からプロの扉を開いた内野手は、技術を磨き続けないといけないことを自覚する。  「まずは走塁技術を高める。そこにプラスアルファで打力を付けていきたい」。チームには昨季の盗塁王梶谷隆幸という身近な手本がいる。「1年目はまず2軍で通用するように。一歩一歩進んで3年目で1軍に手が届いたらいい」。華やかなスタジアムに立つ日を信じ、これからも泥くさく走り続ける。  百瀬 大騎(ももせ・ひろき) 内野手。長野・松本市出身。松本第一高。1年秋に遊撃のレギュラーに定着すると、3年春に県準優勝、北信越大会で8強に進出。夏は長野大会準々決勝で敗れたが、4試合で6割超の高打率を残した。176センチ、70キロ。右投げ左打ち。背番号64。17歳。

    3. イベント

      同じ場所見比べて 小田原で「今昔」写真展 31日から

       小田原の今と昔を2枚の写真で知る企画展が31日から、小田原市南鴨宮1丁目の市立かもめ図書館で始まる。今回の展示に先立ち、小田原駅東口地下街のハルネ小田原(同市栄町1丁目)でも、28日までパネル展示を見ることができる。  展示されるのは、1953~60年の風景写真に現在の同じ場所の写真を組み合わせたパネル29枚。写真は、市立図書館が街の記録のため製作したカラースライドから厳選された。  同図書館は「展示が、小田原の文化や歴史に、より一層親しみを深める一助となれば」としている。  入館無料。2月15日まで。午前9時~午後7時(土・日曜、祝日は同5時)。同9日は臨時休館。問い合わせは、市立図書館電話0465(24)1055。

    4. SPORTS

      マーリンズがイチロー獲得発表

       【ニューヨーク共同】米大リーグ、マーリンズは27日、ヤンキースからフリーエージェント(FA)になったイチロー外野手(41)=本名鈴木一朗=と1年契約を結んだと発表した。29日に東京都内で入団記者会見を行う。  米球界関係者によると、年俸は200万ドル(約2億4千万円)。背番号はオリックスとマリナーズ時代に付けていた「51」となる見込み。15年目を迎えた大リーグでは3球団目となり、初めてナ・リーグでプレーする。マーリンズに所属する初の日本選手となったイチローは現時点では控えの位置付けで、2月24日に始まるキャンプでは定位置を懸けたアピールが必要になる。